国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

Human Relations Area Files (略称 HRAF フラーフ)

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Human Relations Area Files(略称 HRAF フラーフ)は、G. P. マードックらによって開発・研究され、世界中の様々な民族の社会や文化について書かれた文献(単行本、論文等)を、地域・民族別に集め、それらすべてのページの内容を専門家が独自の分類方法を使って分析したファイル資料です。 HRAFファイルを運営・提供しているHuman Relations Area Files, Inc.の本部は、イエール大学のキャンパス内にあります。

HRAFファイルは、まず、Outline of World Cultures(略称 OWC)という分類方法によって、地域・民族別に分けられています。

OWC では、初めに世界を8つの地域に分け、下記のようにアルファベットコードで表しています。

  • A・・・アジア
  • E・・・ヨーロッパ
  • F・・・アフリカ
  • M・・・中東
  • N・・・北アメリカ
  • O・・・オセアニア
  • R・・・ロシア
  • S・・・南アメリカ

次に、これらの地域を主に政治的な単位に基づいて、細かく分類しています。
例えば、A(アジア)の場合、AAが朝鮮半島、ABが日本・・・というように、ふたつめのアルファベットを加えて表しています。
さらに、これら各地域の文化や社会の特色に基づいて、地域、民族、時代別に分け、それぞれ文字のあとに数字をつけて、例えば、AB6がアイヌ、AF2 が清(中国)のように表しています。

OWCによって地域・民族別に分けられた文献の内容は、さらにOutline of Cultural Materials(略称 OCM)によって、主題(項目)別に分類されています。
OCM は、人間の様々な行動、社会生活、習慣、物の生産等を、総合的に分類する方法で、3桁の数字で表しています。

例えば、29(衣服)の項では、

  • 291・・・一般的な服装
  • 292・・・特殊な服装
  • 293・・・服飾雑貨(手回り品、身の回り品)
  • 294・・・衣服製造
  • 295・・・特殊衣料産業
  • 296・・・衣服の手入れ

というように表しています。

このようにHRAFファイルは地域・民族別、主題別に分類されているので、時間をかけずに情報を取り出すことができ、例えば「食文化」というテーマで地域ごとに比較したり、累計をとるといったようなことが、比較的簡単にできます。

現在、HRAFファイルは、ペーパーファイル、マイクロファイル、Web=eHRAF(館内専用)で提供されています。

HRAF室のご案内

HRAF室は、みんぱく図書室の中にあります。閲覧を希望される方は、図書室カウンターまでご連絡ください。
 電話:06-6878-8271 (図書室カウンター)
 FAX:06-6878-8249
 メール:nme-lib●minpaku.ac.jp(●を@でおきかえてください)

HRAF室の利用時間は図書室の利用時間に準じますので、閲覧等については 「利用案内」を参照してください。