国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

特別展「アチック・ミューゼアム・コレクション」

渋沢敬三

【渋沢敬三】
 渋沢敬三(1896-1963)は、第二次世界大戦末期に日銀総裁を務め、戦後、大蔵大臣となり日本の社会と経済の再建に尽力した人物です。彼の祖父は明治の大実業家・渋沢栄一子爵で、敬三自身も子爵の称号を授与されました。

 敬三は1922(大正11)年、横浜正金銀行ロンドン支店に赴任し、3年間ヨーロッパに滞在します。その間、多くの博物館を訪れ、日本にも本格的な民族博物館が必要であるとの認識をもったようです。そうして、アチック・ミューゼアムにおいて民具研究を確立するとともに、さまざまな出版物の刊行や資金援助をふくむ若手研究者の育成などをおこない、民族学の発展におおいに寄与しました。

【写真】昭和17年4月、日銀総裁室にて(『柏葉拾遺』より)