研究会報告 2015
調査報告
インド音楽・舞踊のグローバリゼーション
-フランスにおけるインド音楽の受容とムスリム音楽家グループの活動に関する調査-
研究会報告
「MINDAS 2015年度第1回合同研究会」報告
期 間: | 2015年7月11日(土)、12日(日) |
場 所: | 国立民族学博物館2階第6セミナー室(11日)、第5セミナー室(12日) |
概 要: |
2015年度第1回のMINDASの2ユニット合同の研究会を行った。 初日の7月11日(土)は、MINDASの第2期メンバーのみを対象とした研究会を開催した。まず、拠点代表の三尾が第2期の「現代インド地域研究」プロジェクト全体の目的と計画、またMINDASの役割、目的、研究計画について説明を行った。MINDASは副中心拠点としてプロジェクト全体の国際化に貢献しつつ、独自の研究を積み重ねて第2期が終了する予定の2020年度までに論集を1冊ないし2冊刊行することを目標とする。各自の調査とユニット合同研究会はその目的に収斂するように実施される。拠点代表は、各ユニットの趣旨についても詳細な説明を行った。これに対する質疑応答の後、出席メンバー全員が自己紹介と、このプログラムにおける各自の研究の目標について発言を行い、問題意識を共有した。 2日目の7月12日(日)は公開で、第1期のMINDASの研究成果につき合評会を行った。午前中は第1期の研究プロジェクトの一環としても行い、この3月に完成した国立民族学博物館南アジア展示場の新展示について、展示場で実際に展示を見ながらそのねらいや内容について意見交換を行った。展示全体については概ね好意的に受け止められたが、展示の細部については事実誤認等も指摘された。この点については来年度に予定されている修正時に正すべきである。 午後は出版物としての成果である三尾稔・杉本良男(編)『現代インド6 環流する文化と宗教』(東京大学出版会)の書評会を行った。最初に編者の1人である三尾がこの巻の趣旨と内容について説明を行い、その後、小西公大(東京学芸大学教育学部准教授)と橘健一(立命館大学産業社会学部非常勤講師)の2氏から巻全体および各章の内容について書評が口頭で行われた。それに引き続き、全体で討論を行ったが、特に環流をグローバルなフローに関する理論にどのように位置づけるべきかと言う点と、「南アジア的」とされる文化や社会の特性の理解のあり方と文化本質主義に対する文化人類学的な批判に関する点に議論が集中した。討論では明確な結論は得られなかったが、各章の評価と問題点の指摘と合わせ、全体的な理論に関する議論は、第2期の研究プロジェクトを進めるうえで非常に有意義な書評会であった。 (文責 三尾 稔) |