2010年度

概要

Ž写真1.jpg宮本馨太郎「うちはの出来るまで」(昭和5年、9.5㎜フィルムから16㎜への複製版、歴博所蔵)写真2.jpg同上(9.5㎜フィルムからパーフォレーション部分をいれたHDテレシネ収録版)
宮本フィルム(9.5㎜)の観察を行い、劣化状況、フィルム製造メーカー、カットつなぎの方法など、1本ごとに20数項目のデータを取得した。また、全90本のうち、劣化の程度から、48本についてテレシネ(部分テレシネを含む)が可能と判断し、アチック関係フィルムと関連が深い14本についてパーフォレーション・エッジの部分を可能な限り含む広い画角で収録する方法でHDテレシネを実施した。また、ショットリストを作成した。これにより、1980年代前半に9.5㎜から作成された16㎜フィルムの複製版よりも、画面に写っているものや編集の痕跡等、より多くの情報を得ることができた。

研究打ち合わせ①

【日時】2010年9月24日 14:00~1600(株式会社東京光音にて)
【内容】宮本フィルムのテレシネ方法の検討

研究打ち合わせ②

【日時】2011年2月22日 18:00~21:00(宮本記念財団にて)
【内容】宮本フィルムを中心に、1980年代のビデオ化作業の概要整理

2011年度

概要

2010年度に実施した宮本フィルム14本のHDテレシネ映像と、すでにHDテレシネ作業済みのマンローフィルムの映像を、パソコンで扱いやすいフォーマット(HD Motion-JEPG AVI)に変換した。宮本フィルムについては、20本について、画角を広く収録する方法でのHDテレシネを実施した。また、マンローフィルムについては、研究成果の一部を二風谷で開催された企画展示「マンロー先生と二風谷」(2011年10月4日〜30日、主催:マンロー先生を偲ぶ会、共催:平取町教育委員会)で公開した。さらに、シンポジウム「映像資料の保存と継承」(2012年2月27日、於:国立歴史民族博物館)を本連携研究の園田班福岡班と共同開催し、フィルムや写真の保存技術や、保存・活用の際の権利処理に関する共通する課題を検討し、認識を共有した。

シンポジウム「映像資料の保存と継承」2012年2月27日、於国立歴史民俗博物館
講演1:板倉史明(東京国立近代美術館フィルムセンター)
    「フィルム保存と活用の実践例――東京国立近代美術館フィルムセンターの場合」
講演2:山口孝子(東京都写真美術館)
   「東京都写真美術館における写真と映像資料の保存と活用について」
講演3:福井健策(骨董通り法律事務所)
   「映像・画像のアーカイヴィングと著作権」

2012年度

概要

できる限り画角を広く収録する方法でのHDテレシネを、宮本フィルム14本について実施した。おこなった。また、2011年度・2012年度にHDテレシネをした宮本フィルム計34本について、パソコンで扱えるフォーマットに変換した。また、広い画角でのテレシネ収録の成果については、「民俗誌映画のアーカイブ化 マテリアルとしての映画情報の取得と保存活用」(内田順子、2012年9月9日(日)、日本民俗学会談話会、成城大学にて)において成果の一部を公表した。宮本フィルムについては、内容分析を主とする研究打ち合わせを3回実施した、

  • 2012年7月23日 13:30~17:00 パイワンの映像について(宮本記念財団にて)
  • 2012年10月8日 14:00~18:00 花祭りの映像について(宮本記念財団にて)
  • 2013年1月27日 11:00~17:30 生業・行事の映像について(宮本記念財団にて)

2013年度

関連する研究イベントのご紹介
歴博映像祭「映像民俗学の先駆者たち:渋沢敬三と宮本馨太郎」
チラシ.jpg
日時:2013年11月17日(日)、20日(水)~24日(日)
場所:国立歴史民俗博物館講堂(千葉県佐倉市城内町117番地)
主催:国立歴史民俗博物館
共催:財団法人 宮本記念財団、神奈川大学日本常民文化研究所、公益財団法人 渋沢栄一記念財団 渋沢史料館、渋沢敬三記念事業実行委員会、一般社団法人 日本映像民俗学の会
協力:歴博友の会

2014年度

概要

英国王立人類学協会において,マンロー関係資料のデータベース化と公開方法についての最終確認をおこなった.マンローフィルムについての研究成果は,文書・写真を中心とするマンロー関係資料データベースとリンクするかたちで,国立歴史民俗博物館の「データベースれきはく」から2015年度より順次公開予定である.
宮本フィルムについては,本研究によってHDテレシネした映像をDVDに収録し,2009~2010年度に実施したフィルムの保存状態調査の記録と合わせて保管できるかたちにした.