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2017年2月25日(土)
国際シンポジウム「エイジフレンドリー コミュニティ――変わりゆく人生を包みこむまち」 -
チラシダウンロード[PDF:1.89MB]- 日時:2017年2月25日(土) 13:00 - 17:30
- 場所:国立民族学博物館 第4セミナー室(本館2F)
- 一般公開(参加無料/要事前申込/定員80名[先着順])
- 使用言語:日本語、英語 ※日英同時通訳あり
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申し込み先・お問い合わせ:
国立民族学博物館 シンポジウム事務局
〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
E-mail:aging●idc.minpaku.ac.jp(●を@に置き換えてください)
趣旨
「エイジフレンドリー・コミュニティ」は、高齢化する社会で、すべての世代の人が心地よく安心して年を重ねられる(エイジング・イン・プレイス)生活環境を意味する語として注目されています。とりわけ世界各地の都市において、多様な人々が平等に包摂的環境を享受できるようアクセシビリティや環境のノーマライゼーションが検討されてきました。世界保健機関(WHO)の活動にも取り入れられ、老年学、社会学、人類学、建築学などの学際的研究、さらにコミュニティデザインや福祉政策など政治と経済開発に関わる領域横断的な実践が繰り広げられてきました。他方、公助・共助に関わる社会福祉設計のみならず、互助(相互扶助)や自助を支えるローカルな視点に基づく草の根の構想や、エイジフレンドリー・コミュニティを構成する要素や異文化交流の意味に関する人間文化研究の深化が課題となっています。この国際シンポジウムは、変化の中で限りある人生を歩む人々が求めるものに注目し、地域の特徴を生かした共生環境と人々のエイジング・イン・プレイスを考えます。
プログラム
13:00 - 13:10 館長挨拶
須藤健一(国立民族学博物館長)13:10 - 13:25 趣旨説明
鈴木七美(国立民族学博物館教授)13:25 - 14:15 「エイジフレンドリー・コミュニティ運動の展開と課題」
フィリップ・スタフォード(インディアナディサビリティ・コミュニティ研究所エイジング・コミュニティセンター長/インディアナ大学文化人類学部併任教授)14:15 - 14:40 「住み慣れた地域を終の棲家とするために:長崎県の小さな島の取り組みを事例として」
山田千香子(聖徳大学心理・福祉学部特任教授)14:40 - 15:00 休憩 15:00 - 15:25 「老後の生きがいと安全・安心:日本版CCRCの試みについて」
佐野(藤田)眞理子(広島大学大学院総合科学研究科教授/アクセシビリティセンター長)15:25 - 15:50 「共食が生み出される場:韓国農村『敬老堂』の事例から」
澤野美智子(立命館大学OIC総合研究機構専門研究員)15:50 - 16:15 「ナラティヴと生のリズム:スイスの多世代対象複合型生活施設におけるエイジフレンドリー・コミュニティ」
鈴木七美(国立民族学博物館教授)16:15 - 16:40 「人間文化研究から考える参加型コミュニティ・プランニング」
フィリップ・スタフォード(インディアナディサビリティ・コミュニティ研究所エイジング・コミュニティセンター長/インディアナ大学文化人類学部併任教授)16:40 - 17:30 全体討論 プロフィール
フィリップ・スタフォード
インディアナディサビリティ・コミュニティ研究所エイジング・コミュニティセンター長、インディアナ大学文化人類学部併任教授。Ph.D.(文化人類学)。専門は、文化人類学、ライフタイム・コミュニティ開発。著書:Gray Areas: Ethnographic Encounters with Nursing Home Culture (SAR Press, 2003)、Elderburbia: Aging with a Sense of Place in America (Praeger, 2009)、編著:The Global Age-Friendly Community Movement: A Critical Perspective (Berghahn Press, ND).山田千香子
聖徳大学心理・福祉学部特任教授。博士(学術 文化人類学)。専門は、文化人類学・移民研究。著書:『カナダ日系社会の文化変容:海を渡った日本の村三世代の変遷』(御茶の水書房、2000年)、共著:「夢みる:バンクーバーにおける移住高齢者の生活とコミュニティ」(鈴木七美他編『高齢者のウェルビーイングとライフデザインの協働』御茶の水書房、2010年)、「長崎の島にみることわざ」『郷土とことわざ』(人間の科学社、2014年)など。佐野(藤田)眞理子
広島大学大学院総合科学研究科教授、アクセシビリティセンター長。Ph.D.(文化人類学)。専門は、文化人類学・アメリカ研究・高等教育のユニバーサルデザイン研究。著書:『アメリカ人の老後と生きがい形成(大学教育出版、1999年)、Life in Riverfront (Harcourt Brace College Publishers、2001)。共著:『自立した老後:アメリカ中西部小都市と周辺地域の歴史人類学的研究』(渓水社、2001年)、『大学教育とアクセシビリティ』(丸善、2009年)など。澤野美智子
立命館大学OIC総合研究機構専門研究員。博士(学術 文化人類学)。専門は文化人類学・医療人類学。著書:『乳がんとともに生きる女性と家族の医療人類学』(明石書店 2017年刊行予定)、共著:「〈正答〉のない〈正しさ〉を生きる:韓国におけるがん患者の療法」(『多配列思考の人類学』風響社、2016年)。論文:「ケアの再構成を通した韓国の家族再考:既婚女性の乳がん患者の事例」(『文化人類学』第77号4巻、日本文化人類学会、2013年)など。鈴木七美
国立民族学博物館教授・総合研究大学院大学教授。博士(学術 文化人類学)。専門は文化人類学・エイジング研究。著書:『出産の歴史人類学:産婆世界の解体から自然出産運動へ』(新曜社、1997年)、『癒しの歴史人類学:ハーブと水のシンボリズムへ』( 世界思想社、2 0 0 2 年)、編著:The Anthropology of Aging and Well-being, SES 80(National Museum of Ethnology, 2013)、共編著:『高齢者のウェルビーイングとライフデザインの協働』(御茶の水書房、2010年)など。