国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

平成28年度文化資源計画事業一覧

 

 

資料関連

朝鮮半島の文化に関するビデオテーク番組制作を基軸にした韓国国立民俗博物館、韓国の若手研究者と国立民族学博物館の研究交流、研究ネットワークの構築事業。
朝鮮半島の文化に関するビデオテーク番組制作を基軸にした韓国国立民俗博物館、韓国の若手研究者と国立民族学博物館の研究交流、研究ネットワークの構築事業。
元機関研究員の吉田ゆか子氏がインドネシア・バリ島で収集した楽器資料1点(ペレレットと呼ばれるチャルメラの一種)の寄贈受け入れをおこなった。
インドネシア・ジャワ島の街中で近距離移動に利用される、自転車の前部に2人掛けの座席をつけた乗り物ベチャの寄贈を受け入れた。本資料にはジャワの影絵芝居ワヤン・クリットが描かれている点に特徴がある。
(株)宝酒造が本館名誉教授である吉田集而と共に東南アジアなどで収集し、当初は民博が受けいれる予定で長らく保管されていた、酒器および蒸留器一式を受け入れた。
「アツシ(厚司)織」およびワニ革ハンドバッグの寄贈の申し出があり、時代や背景情報の付随する貴重な資料であるため、受け入れた。
南アジアにおける研究や展示に活用するため、ブータンのソバ調理具とインドの素焼き土人形の寄贈資料を受け入れた。
本館のモンゴル地域の収蔵していなかった衣装やブーツやベルト、帽子を受け入れる。また、中央・北アジア展示で展示中のゲルの内部に収めるべき生活用具資料を補う目的で資料を受け入れた。
北東アジアにおける民族音楽に関する研究や展示に活用するため、モンゴル、中国、北海道アイヌに関する楽器の寄贈を受け入れた。
モンゴル族の民間信仰に関する研究や展示に活用するため、中国内モンゴル自治区を1940年代に調査した地理学者の小牧実繁(こまき さねしげ)氏が所有していた1940年代の護符類を受け入れた。
モンゴル人が、本館の展示や収蔵庫を見学した際に、不足していると判断した資料として、ブリヤート・モンゴルの衣装および子羊の毛皮による内張のあるモンゴル衣装2点の寄贈を受け入れた。
モンゴル民族衣装など生活道具に関する研究や展示に活用するため、衣装等生活用品類の寄贈を受け入れた。
石毛直道 元・本館館長が特別顧問を務めていた甲南大学探検部によって、1977年にパプアニューギニア・セピック川流域の村々で収集された資料を受け入れた。収集の経緯や情報が明確であり、これまでに収集した同地域の資料を充実させることができた。
本館名誉教授の和田正平が科研に参加し、ジョージ・リランガ氏についての調査を行った際に購入した絵画1枚の寄贈を受け入れた。ジョージ・リランガ氏は国際的に評価されており、他の収蔵品のアフリカン・アートの中での位置づけができる。
1977年11月、本館名誉教授・端信行が本館館長・須藤健一と共に、沖縄県・石垣島の登野城地区の調査を行った際に収集した水中めがね3点を受け入れた。
1950年代のビルマ(現ミャンマー)で踊り子を描いた油彩絵画をビルマ民族資料として寄贈した。
竹中大工道具館において、伝統的技術と道具をもちいて建造された三陸型の和船の寄贈をうけた。震災以前の三陸は日本でもっとも多くの木造船が集積する土地だったが、津波でその9割が消滅したため、造船技術の復興を目的にこの和船は建造された。和船本体だけでなく、その建造記録が残されている例はあまりなく、三陸の漁撈文化や日本の技術史を理解するために重要な資料となった。
本資料は、ゲヴォルグ・オルベリアン氏のイベント企画「ハチェカル(アルメニア十字架)―アルメニアの文化と歴史の象徴として―」で使用されたものであり、アルメニア文化を紹介する手段として有効であることが示された。今後の本館展示においても有用である。
南米ベネズエラ・コロンビア国境地域のカリブ語系先住民ユッパ/ユコの調理なべ1点、パイプ6点、お守り1点の寄贈を受け入れた。
在大阪・神戸インド総領事館より寄贈申し出のあったインド製織機を受け入れ、将来の南アジア展示場改修や「南アジア地域研究」プロジェクトの研究成果公開の一環としての展示企画に備えた。
モンゴルにて実際にシャーマンが使用するために作成した衣装および道具一式を受け入れるものである。
デザイナーの貝澤珠美氏が制作した「ファブリックパネル」等の作品の寄贈の申し出があり、今後の展示等に活用できる資料であるので、寄贈を受け入れた。
滋賀短期大学名誉教授 成田巳代子(なりた みよこ)氏による寄贈資料の受け入れ。資料は、1997年から1998年にかけて、当館名誉教授である故江口一久教授とともに同氏がカメルーンを訪れた際に、マルア市市場で購入した生地を、現地の裁縫職人であるアリューム氏が縫製した衣装である。寄贈資料には、男性用衣装、帽子、サンダル、女性用衣装などがある。
本資料は、タイおよびミャンマー現地においてほとんど使用されなくなった漁具および生活用具でありたいへん貴重なものである。本寄贈を受け入れることで、すでに本館に所蔵されている東南アジア大陸部の漁具および生活用具についての資料を充実させることができ、他館への貸付や研究者の熟覧を通じて、東南アジア大陸部の生活文化、また他地域の生活文化との比較研究の進展に寄与することができるようになった。
1991年に本館で開催された特別展「大インド展」の際に収集されたり利用されたりしたが、これまで資料登録されていなかった研究資料を一括して受け入れ、保存・整理し、研究等への活用に供した。
本館の立川武蔵名誉教授が調査研究の一環として収集し、同名誉教授が本館在任中に責任者として2003年に開催した特別展「マンダラ-チベット・ネパールの仏たち」で展示した、マンダラ白描画のコレクションの寄贈を受け入れた。
日本における酒を用いる行事に関する資料を受け入れた。日本国内の記念式典等の鏡開きの際に使用される典型的なこれらの道具は、日本の行事での酒の扱われ方やそれに関わる道具等への理解を深めることができる資料である。
日本の各地で着用されていた日常着、ゼンマイ式録音機や手動編物機、ゴッタン(鹿児島県の弦楽器)など、過去の生活文化を伝える資料を受け入れた。日常着や楽器は使われていた地域特有の生活の形式を知る際の助けとなり、小型機械は手仕事の道具と現代の電化された道具の中間的なものとして興味深い資料である。
20世紀のアメリカ合衆国におけるキルトと布の使用状況を研究し、その成果を展示等で発信する目的で、アメリカンキルトを寄贈する。
アットゥシ(樹皮繊維製着物)2着および、裂織等木綿衣3着の寄贈の申し出があり、古く貴重な資料であるため、寄贈を受け入れた。

 

 

展示・社会連携

平成26年2月〜6月に国立新美術館で開催され、同年秋、本館特別展として開催された「イメージの力 ─ 国立民族学博物館コレクションにさぐる」を巡回展として、平成28年10月8日から11月27日の会期で香川県高松市の香川県立ミュージアムにて開催した。
2014年度に新構築した東南アジア展示について、来館者アンケートの調査および担当者による再確認に基づき、部分改修を実施した。
平成26年度末までに行われた「南アジア」展示場の新構築について、平成27年度に実施された来場者アンケートの結果、南アジア展示チーム内で実施した自己点検、及び日本内外の専門的研究者を含む来館者から受けた修正や改善に関する提言を踏まえ、展示の意図がより良く伝わる展示空間へと発展させるため、部分的な改修をおこなった。
改修内容は大きく以下の3点にまとめられる。すなわち、展示品の追加や展示方法の修正による展示の改善、展示用什器の追加や改修によるより快適な展示の実現、キャプション等の修正・追加による展示説明の改善である。
国立民族学博物館におけるボランティア活動者の受入要項に基づき、登録したボランティア団体であるMMP(みんぱくミュージアムパートナーズ)の活動支援をおこなった。
ワークショップの実施、展示新構築にともなうワークシートの更新作業、ワークシート新規作成に向けた調査などを実施した。その目的は、本館での研究活動と展示の内容を、来館者を中心とする利用者に、たのしみながら効果的に理解してもらうためであり、また利用者からの様々な意見や要望を本館の活動に反映させるためである。

 

 

その他

年末年始期において干支を題材にした展示ならびに関連催事を行い、来館者に季節感を伝えるとともに、世界各地の「とり」と人びととの関わりを示し、民博の教職員を対象にした、展示目的・構成の設定から展示資料の選定、および展示に至る活動の研修をおこなった。本年度は卯田宗平准教授が中心となり事業を実施した。