国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館研究報告 1985 10巻1号

目 次
中央アンデスの農民と牧民の結婚
―パンパマルカ教区(アプリマク県)婚姻登録の分析―
藤井龍彦
友枝啓泰
1
ボリビア北西部・アンデス東斜面のケチュア農村における環境利用
―アマレテ村の事例―
木村秀雄
43
ユカテクマヤ語の正書法の歴史
―マヤ人の文字使用との関連において―
八杉佳穂
93
「スバシ写本」の願望法語尾
―仏教サンスクリット成立の一局面―
中谷英明
111
現代和服の変貌 ll
―着装理念の構造と変容―
大丸 弘
131
彙 報
 
233
国立民族学博物館研究報告寄稿要項
 
239
国立民族学博物館研究報告執筆要領
 
240


BULLETIN OF THE NATIONAL MUSEUM OF ETHNOLOGY Vol. 10 No. 1 1985

FUJII, Tatsuhiko
TOMOEDA, Hiroyasu
Marriage Relations between Agriculturalists and Pastoralists in the Central Andes: The Case of Pampamarca Parish, Apurimac, South Central Peru
1
KIMURA, Hideo
Environmental Exploitation on the Eastern Slope of the Central Andes: A Case of Amarete, Northwestern Bolivian Highland
43
YASUGI, Yoshiho
A Brief History of the Orthographic Change among the Yucatec Maya
93
NAKATANI, Hideaki
An Analysis of the Optative Endings of the Subaši manuscript of Udānavarga
111
DAIMARU, Hiroshi
The Metamorphosis of the Modern Kimono ll
131


 

中央アンデスの農民と牧民の結婚
―パンパマルカ教区(アブリマク県)婚姻登録の分析―
藤井龍彦*  友枝啓泰**
Marriage Relations between Agriculturalists and Pastoralists in the Central Andes
-The Case of Pampamarca Parish, Apurimac, South Central Peru-
Tatsuhiko FUJII and Hiroyasu TOMOEDA
                        
 
*国立民族学博物館第4研究部
**国立民族学博物館第4研究部

Ⅰ.はじめに
Ⅱ.パンパマルカ教区
Ⅲ.農民と牧民の生活
Ⅳ.農民と牧民間の結婚

 

ボリビア北西部・アンデス東斜面のケチュア農村における環境利用
―アマレテ村の事例―
木村 秀雄*
Environmental Exploitation on the Eastern Slope of the Central Andes
-A Case of Amarete, Northwestern Bolivian Highland-
Hideo KIMURA
 
*亜細亜大学経済学部,国立民族学博物館共同研究員

1. はじめに
1.1. 調査概要
1.2. 報告の前提
2. アマレテ概要
2.1. 地理的環境
2.2. 社会構成
2.3. 農耕技術
3. ジャガイモ耕地(カパナ)
3.1. 耕地の高度による二分
3.2. カパナにおける作物ローテーション
3.3. 大カパナと小カパナ
4. トウモロコシ耕地(バホス)およびその他の耕地
4.1. バホス
4.2. 放牧地
4.3. 早生ジャガイモ栽培地
5. 土地所有の形態
5.1. サヤニャ
5.2. チキまたはワケ
5.3. 土地所有
5.4. 土地の相続
6. 土地の貸借・共同労働
6.1. ワキ
6.2. チキ
6.3. 土地の種類としてのチキ・ワケと貸借としてのチキ・ワキ
6.4. 牧民に対する土地の貸与
6.5. 共同労働
7. おわりに

 

ユカテクマヤ語の正書法の歴史
―マヤ人の文字使用との関連において―
八杉 佳穂*
A Brief History of the Orthographic Change among the Yucatec Maya
Yoshiho YASUGI
 
*国立民族学博物館第4研究部

1.はじめに
2.征服直後から1746年まで
3.1746年から現代まで
4.むすび


「スバシ写本」の願望法語尾
―仏教サンスクリット成立の一局面―
中谷 英明*
An Analysis of the Optative Endings of the Subaši Manuscript of Udānabarga
Hideaki NAKATANI
 
*神戸学院大学,国立民族学博物館研究協力者

0. はじめに
Ⅰ. 問題のありか
1. 仏典のもとの言葉
2. スバシ写本のサンスクリット
3. 研究の目標
Ⅱ. 願望法語尾について
1. 非サンスクリット形と音韻
2. 非サンスクリット形と韻律
1) 同じリズムの正規語形へ
2) 異なるリズムの正規語形へ
3) 非サンスクリット語形の容認
3. 混淆形と中期インド語
1) 混淆形の出現
2) -eyaの類形語尾
3) -eyă から -eyaへ
4) -eyya,-ethaとパーリ語尾
4. スバシ写本と「ガーンダーリー・ダルマパダ」
1) 一致
2) 乖離
Ⅲ. 結語


現代和服の変貌 ll
―着装理念の構造と変容―
大丸 弘*
The Metamorphosis of the Modern Kimono ll
Hiroshi DAIMARU
 
*国立民族学博物館第5研究部

序論
1. 目的
2. 資料の構成と批判
本論
1. 分析の前提としての,着装理念の相関をしめす概念図
2. 着装理念のなかでの芸妓の位置づけ
3-1.芸妓のきものの分析
3-2.芸妓姿の美的理念
4. 着装理念のなかでの女学生の位置づけ
5. 女学生の着装理念
6. 着装理念における武士風
補足と要約 着装理念の変容の方向