国立民族学博物館研究報告 1984 9巻2号
目 次
サンゴ礁の島における土地保有の資源利用の体系
―ミクロネシア,サタワル島の事例分析― |
須藤健一
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197
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ニューギニア低地・ギデラ族における小児の病気と治療
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秋道智彌
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349
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アッラー,神,アラーの神
―イスラームの日本的理解をめぐる一考察― |
大塚和夫
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383
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民族誌映画の撮影方法に関する試論
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大森康宏
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421
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Normative Models and Human Behavior: Some Theoretical Issues in Household Resource Use
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Kenneth Ruddle
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459
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彙 報
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473
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国立民族学博物館研究報告寄稿要項
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480
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国立民族学博物館研究報告執筆要領
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481
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BULLETIN OF THE NATIONAL MUSEUM OF ETHNOLOGY Vol. 9 No. 2 1984
SUDO, Ken-ichi
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Systems of Land Tenure and Resource Management on Satawal Island, Micronesia
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197
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AKIMICHI, Tomoya
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Children’s Illness and Curing in Lowland Papua
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349
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OHTSUKA, Kazuo
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Allah, Kami and Arā-no-Kami
―A Study of the Japanese Way of Understanding Islam― |
383
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OMORI, Yasuhiro
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A Study in Visual Anthropology
―Filming from an Ethnological Perspective― |
421
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RUDDLE, Kenneth
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Normative Models and Human Behavior ―Some Theoretical Issues in Household Resource Use ―
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459
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サンゴ礁の島における土地保有と資源利用の体系
―ミクロネシア,サタワル島の事例分析―
―ミクロネシア,サタワル島の事例分析―
須藤 健一*
Systems of Land Tenure and Resource Management on Satawal Island, Micronesia
Ken-ichi SUDO
*国立民族学博物館第4研究部
Ⅰ.序論
1. 問題の所在と調査方法
1) 研究史
2) 目的
3) 方法
2. 調査地の食料資源と社会組織
1) 島勢と食料資源
2) 母系出自集団と階層制
Ⅱ.土地のカテゴリーと保有形態
1. 資源利用と土地のカテゴリー
2. 土地カテゴリーと保有形態
Ⅲ.土地保有の現況
1. Clan (lineage)の人口と土地保有数
2. 土地の分割,贈与と保有
Ⅳ.50年間の財の保有と移譲―N. clanの事例―
1. 1931年までの財と保有と移譲
1) 出自集団への贈与財と贈与の方法
2) 出自集団からの贈与財と贈与の方法
2. 1980年までの財の保有と移譲
1) 贈与財の数量統計的傾向
2) 財の移譲と贈与財の意味
3) 島外出身者の財の獲得方式
4) 贈与財の返却とその方法
Ⅴ.土地の移譲様式と権利
1. 移譲の契機と条件
1) 婚姻と財の贈与
2) 養取と財の贈与
3) 来島者への財の贈与
4) 病気治療と財の贈与
2. Clanの消滅,異常事件における財の移譲と没収
1) lineageの廃絶と土地の移譲
2) 土地の返却と没収
Ⅵ.資源利用と共同体規制
1. 島の資源利用と首長の役割
1) 食料資源の枯渇期における規制
2) 食料資源の浪費と規制
3) 食料資源の盗用と規制
4) 死者儀礼と食料資源利用の規制
2. 無人島と海域の資源利用
1) 無人島の資源利用と規制
2) 海面利用と規制
Ⅶ.土地保有および資源利用の原理
1. 土地保有の単位の重層化
2. 土地および資源にたいする権利
1) 生活資源にたいする首長の権利
2) 集団の固有財と成員の権利
3) 集団の贈与財と人びとの権利
Ⅷ.結語
1. 土地保有体系のまとめ
1) 贈与財の性質
2) 固有財の性質
3) 諸権利の継承方式
2. ミクロネシアの諸社会との比較
1) 母系出自・妻方居住方式と土地の保有・贈与
2) 母系ないし男系出自・夫方居住方式と土地保有
3) 首長への初物献上と土地保有
3. 自然環境への適応と集団構成原理
Ⅸ. 本研究の今後の展望
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ニューギニアの低地・ギデラ族における小児の病気と治療
秋道 智彌*
Children's Illness and Curing in Lowland Papua
Tomoya AKIMICHI
*国立民族学博物館第2研究部
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.ギデラ族における医療環境
Ⅲ.病気の概念と生殖理論
Ⅳ.小児の病気と伝統的治療法
Ⅴ.小児の病気と治療の現状
Ⅵ.小児の病気と二つの治療システム
Ⅶ.考察
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アッラー,神,アラーの神
―イスラームの日本的理解をめぐる一考察―
―イスラームの日本的理解をめぐる一考察―
大塚 和夫*
Allah, Kami and Arā-no-Kami
―A Study of the Japanese Way of Understanding Islam―
―A Study of the Japanese Way of Understanding Islam―
Kazuo OHTSUKA
*国立民族学博物館第3研究部
1. 問題の所在
2. 日本的宗教における「神」
3. アラブ・イスラームにおける「allāh」
4. 考察
a) ソシュール=丸山記号学
b)「allāh」と「神」と「アラーの神」
5. 総括と展望
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民族誌映画の撮影方法に関する試論
大森 康宏*
A Study in Visual Anthropology
-Filming from an Ethnological Perspective-
-Filming from an Ethnological Perspective-
Yasuhiro OMORI
*国立民族学博物館第3研究部
Ⅰ.序説
1. はじめに
2. 構成
Ⅱ.民族誌映画の歴史的背景
1. 民族誌映画の概念規定
1) モノグラフの民族誌映画
2) 行動科学としての民族誌映画
3) 文化人類学をめざす映画
4) 広義な民族誌映画
2. 撮影方法の歴史
1) すぐれた民族学資料を求めて
2) 研究者自身による映画撮影
3) 映画ペンと直接観察映画
4) 撮影主体と被撮影客体による映画
5) 総合民族誌映画
Ⅲ.民族誌映画の撮影方法
1. 撮影におけるパターン
1) 映画映像の特性
2) 基本的撮影パターン
3) 実例としてのパターン
2. 民族誌映画の撮影形式
1) 形式
2) 研究分野別の形式
3. 研究者と撮影の人的構成
1) 研究者の位置
2) 撮影の人的構成と問題点
Ⅳ.おわりに
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Normative Models and Human Behavior Some Theoretical Issues in Household Resource Use
Kenneth RUDDLE
*5th Research Department, National Museum of Ethnology.