国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

宗教行為の分析に関する諸概念の研究

共同研究 代表者 立川武蔵

研究プロジェクト一覧

2003年度

民族学・民俗学・宗教学において従来、「ハレ」「ケ」「ケガレ」「聖」「俗」「浄」「不浄」などの操作概念が用いられてきた。「ハレ」「ケ」は特に日本の宗教的行事を分析する際に用いられ、「聖」「俗」はユダヤ・キリスト教的伝統を考察する際に用いられることが多かったように思われる。しかし、今日では、日本における宗教、例えば念仏とか禅といった仏教実践形態と葬儀や年中行事とを統一的に考えようとする傾向が強いが、このような立場では「ハレ」「ケ」という概念のみでは充分ではなく、「聖」「俗」がどのように有効な概念かははっきりしていない。本研究は、人生儀礼、年中行事、個人的宗教実践などの多様な行為形態を統一的に考察するための基礎概念の検討である。

【館内研究員】 竹沢尚一郎、長野泰彦
【館外研究員】 天野移山、石倉敏明、伊藤真樹子、小野田俊蔵、風間純子、坂田昌彦、佐久間留理子、佐藤壮広、塩月亮子、野口圭也、日野紹運、蛭川立、広田デニス、正木晃、宮坂清、森雅秀、山口しのぶ、吉崎一美、和田壽弘
研究会
2003年8月18日(月) / 19日(火)9:00~(大演習室)
伊藤真樹子「民博所蔵タントリズム資料 調査・研究」
2003年9月16日(火)9:00~(大演習室)
伊藤真樹子「民博所蔵タントリズム資料 調査・研究」
2003年10月25日(土)13:00~(大演習室)
塩月亮子「シャマニズムの基礎概念について」
立川武蔵「「ハレとケ」と「聖と俗」」
2003年10月27日(月)9:30~(大演習室)
伊藤真樹子「民博所蔵タントリズム資料 調査・研究」
2003年11月29日(土)13:00~(大演習室)
正木晃「日本における浄・不浄」
佐藤壮広「宗教的人間論再考」
2003年12月13日(土)13:00~(大演習室)
天野移山「ハレとケ、浄と不浄」
石倉敏明「女性性と聖なるもの」
2003年12月15日(月) / 16日(火)9:00~(大演習室)
天野移山「民博所蔵チベット密教資料 調査・研究」
2004年1月6日(火)11:00~ / 7日(水)9:00~(大演習室)
天野移山「民博所蔵チベット密教資料 調査・研究」
2004年1月19日(月)9:00~(大演習室)
伊藤真樹子「民博所蔵タントラ文献 調査・研究」
2004年2月11日(水)9:00~(大演習室)
伊藤真樹子「民博所蔵のタントラ仏教資料 調査・研究」
2004年2月17日(火)13:00~(大演習室)
風間純子「バリ島オダラン儀礼」
日野紹運「真宗における葬送儀礼 ─ 忌の概念について ─」
2004年2月18日(水)9:00~(第1演習室)
全員「今後の研究会の進め方についての討論」