国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

紛争の政治化と軍事化

共同研究 代表者 松田素二(客員)

研究プロジェクト一覧

2001年度

世界各地で多発する「民族紛争」や「宗教紛争」を、超歴史的な集団間の争いと捉えるのではなく、さまざまな矛盾が表面化する過程で生成・実体化し、操作される社会的カテゴリー間の闘争とみなす立場にたち、紛争理解に関する社会科学的な貢献をおこなうことが、本共同研究の目的である。

【館内研究員】 臼杵陽、杉本良男
【館外研究員】 池田光穂、岩田昌征、遠藤貢、加藤朗、栗本英世、小杉泰、近藤光博、佐藤丙午、澤田昌人、高橋基樹、武内進一、舩田クラーセンさやか、真島一郎
研究会
2001年6月30日
舩田さやか「モザンビーク紛争の歴史的背景──現地調査に基づく一考察」
加藤朗「兵器と社会──RMA(軍事における革命)の意味するもの」
栗本英世「成果報告書の構想(2)」
2001年10月27日~28日
遠藤貢「グローバル・ガバナンスと紛争認識の変容」
岩田昌征「旧ユーゴスラヴィア多民族戦争」
佐藤丙午「民族紛争への対応──予想・対処・復旧」
武内進一「土地、難民、権力―─紛争後ルワンダ社会の変容と継続」
2002年2月9日~10日
栗本英世「『新野蛮主義』の横行―─ホッブズの呪縛」(成果報告書序論1)
加藤朗「紛争研究とホッブズの呪縛」(成果報告書序論2)
全員「成果報告書論文の構想」
研究成果

世界各地で多発する「民族紛争」や「宗教紛争」を、超歴史的な集団間の争いととらえるのではなく、さまざまな矛盾が表面化する過程で生成・実体化し、操作される社会的カテゴリー間の闘争とみなす立場にたつのが本研究の基本的立脚点であった。研究会では、各地の紛争の実相を、単に国際政治力学の視点で解釈するのではなく、一つには、その紛争を生きる人々の日常の目線で捉え直すこと、そして二つ目には、紛争を理解し解釈する知の仕組み自身を批判的に考察することに討議の重点をおき成果をあげた。

2000年度

世界各地で多発する「民族紛争」や「宗教紛争」を、超歴史的集団間の争いととらえるのではなく、さまざまな矛盾が表面化する過程で生成・実体化し、操作される社会的カテゴリー間の闘争とみなす立場に立ち、紛争の理解に社会科学的な貢献を行うことを目的とする。目的の達成には総合的・学際的アプローチが必要であり、メンバーには人類学、歴史学、政治学、経済学、開発論など、さまざまな分野の研究者を配置している。

【館内研究員】 臼杵陽、杉本良男
【館外研究員】 池田光穂、岩田昌征、遠藤貢、加藤朗、栗本英世、小杉泰、近藤光博、佐藤丙午、澤田昌人、高橋基樹、武内進一、舩田さやか、真島一郎
研究会
2000年7月1日
臼杵陽「イスラエル・パレスチナ紛争における敵イメージ」
栗本英世「アフリカ紛争論 ─ 試論」
2000年10月28日
小杉泰「レバノン内戦からみえてくるもの」
池田光穂「グァテマラ ─ 政治暴力の行方」
2000年12月9日
クロフォード・ヤング「現代アフリカの紛争 ─ AK47の時代と北東ウガンダ」
河合香吏「ウガンダ・ケニア・スーダン国境地帯における民族間関係と紛争」
2001年1月27日
真島一郎「西暦2000年コートディヴォワール共和国の内乱」
武内進一「アフリカの『紛争ダイヤモンド』をめぐって」

1999年度

世界各地で多発する「民族紛争」や「宗教紛争」を、超歴史的集団間の争いと捉えるのではなく、様々な矛盾が表面化する過程で生成・実体化し、操作される社会的カテゴリー間の闘争とみなす立場にたち、紛争の理解に社会科学的な貢献をおこなうことを目的とする。目的の達成には総合的・学際的アプローチが必要であり、メンバーには人類学、歴史学、政治学、経済学、国際関係論など、様々な分野の研究者が含まれている。

【代表者】 栗本英世
【館内研究員】 臼杵陽、杉本良男、松田素二(客員)
【館外研究員】 池田光穂、岩田昌征、遠藤貢、加藤朗、小杉泰、近藤光博、佐藤丙午、澤田昌人、高橋基樹、武内進一、舩田さやか、真島一郎
研究会
6月26日
栗本英世「問題提起と研究会の運営について」
加藤朗「脱冷戦後世界の紛争」
武内進一「アフリカの紛争-その今日的特質と要因」
7月30日
澤田昌人「ザイールからコンゴへ、そして?-ザイール・コンゴ戦争を概観する」
落合雅彦「シエラレオ内線とECOWAS」
10月1日
遠藤貢「アフリカにおける市民社会論と紛争」
山本吉宣「国内紛争研究の系譜」
10月2日
佐藤丙午「軽火器の輸出管理と武力紛争」
高橋基樹「貧困・富の偏在、あるいは不均等な経済発展と武力紛争」
12月11日
近藤光博「インドにおける紛争の政治化と軍事化-ヒンドゥー・ナショナリスト運動を中心に」
杉本良男「国際関係の中でのスリランカ民族紛争」
2000年2月5日
合評会「加藤朗著『二一世紀の安全保障』、栗本英世著『未開の戦争、現代の戦争』、武内進一著『現代アフリカの紛争-歴史と主体』」
研究成果

世界各地で発生している武力紛争の動態、紛争の発展の過程を、「政治化」と「軍事化」というふたつの概念をキーワードに分析することを目的として、1999年度から発足した共同研究会。人類学、政治学、経済学、宗教学、国際関係論、軍事学の専門家が参加し、学際的な理解の構築を目指す。