国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

呪術の人類学 ★

2012年4月10日刊行

白川千尋、川田牧人 編

人文書院
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

本書の主題は、現代東南アジアの事例や近世ヨーロッパの魔女裁判の事例などを具体的な対象としながら、呪術に関係するものごとがそれらと関わりをもつ人々にとって、具体的にどのようなものとして経験されたり実践されたりしているのか、あるいはいかにしてリアリティをともなったものとして立ち現れているのかといった問いをめぐって考察を行うことである。

目次

序 章 言葉・行為・呪術  白川千尋
第1章 さやかならぬ「日常」の呪術論―「言葉と行為」から、さらに「呪術と日常」へのビジョン  川田牧人
第2章 呪術とは何か―実践論的転回のための覚書  関一敏
第3章 呪術と現実(リアリティ)・真実(トゥルース)・想像(イマジネイション)―西欧近世の魔女言説から  黒川正剛
第4章 呪いには虫の糞がよく効く―言葉と行為、日常と呪術の境界域からの問い  東賢太朗
第5章 不可視なものとの接触―北タイ農村における患いと治療  飯田淳子
第6章 バリにおける呪術的世界の周縁  大橋亜由美
第7章 呪師の確信と疑心―タイ東北部の知識専門家モーをめぐって  津村文彦
第8章 習俗論からみた呪術  阿部年晴
あとがき  川田牧人