国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

食べられる生きものたち(世界の民族と食文化48)

2012年7月30日刊行

『月刊みんぱく』編集室 編

丸善出版

出版物情報

主題・内容

本書は、みんぱくの広報誌『月刊みんぱく』に連載された「生きもの博物誌」より食物をテーマにしたエッセイを抜粋したもので、文化人類学者が体験した食文化の民族誌である。

目次

(1)ヨーロッパ《概説》
羊たちのいるイタリアの風景/捕鯨者たちの大宴会:ゴンドウクジラ/北欧の森と人びとをつなぐビルベリー/フランス史に痕跡を残したバルカンの羊たち/マラムレシュの冬は豚の解体で華やぐ/長い冬ごもりにそなえて:キャベツ
(2)アフリカ《概説》
エチオピアの主穀であるわけ:テフ/バナナの食べ方/キャッサバを長持ちさせる/森に棲むナマズの力:ヒレナマズ/ゾウの肉に集まる人びと:マルミミゾウ/噛む楽しみは広がる:ミラー/ラクダミルクこそパワーの源
(3)南アメリカ《概説》
知られざるアンデスの雑穀:キヌア/トウモロコシから生まれたマヤ文明/モバイル時代の鯨捕り:ザトウクジラ/秘伝の味:サン・ペドロ/ブラジルの国民的な飲み物:ガラナ
(4)北アメリカ《概説》
ユーコン川の恵み:マスノスケ/イヌイットの暮らしを支える:ワモンアザラシ/手強い獲物は稀なごちそう:オヒョウ
(5)北アジア《概説》
トナカイと生きる/精霊に捧げ食べる:フナ/バイカル湖のご馳走:オームリ/春の訪れを告げるはえ縄漁:カルーガ/雑魚にして神魚:カワカマス
(6)オセアニア《概説》
イモを見分ける:タロイモ/ブタなくして、暮らしなし/タブーの島のトビウオ漁/美味なるかな、カメの甲羅焼き
(7)東南アジア《概説》
村の救世主サトウヤシ/大衆魚のムロアジ/猟がうみだす森のかく乱環境:ハイイロクスクス/世界を動かした熱帯の植物:コショウ/くさいかおいしいか、「キュー」な食べ物:カメムシ/ふるさとの味は、毒の味?:イヌホオズキ/空気を食べるきれいな食べ物:セミ
(8)東アジア《概説》
ワカメ漁場と海女の暮らし/米のある風景/マオ・グアは母の味:トウモロコシ/「水ゴキブリ」を食べてみるかい?:ゲンゴロウ/亜熱帯林と草果
(9)日本《概説》
イノーをめぐる養殖と採集の風景:ヒトエグサ/ヤマバチが「来る」季節:ニホンミツバチ/イノシシと暮らすシマ:リュウキュウイノシシ/ウシガエルを釣って食べる/干潟の小さきものたち:ミドリシャミセンガイ/強壮の生薬として珍重された獣:オットセイ
おわりに