国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2002年10月18日(金)
国立民族学博物館公開講演会「エイジレスな時代―世代間の異文化交流―」

  • 日 時:2002年10月18日(金) 18:00~20:00
  • 場 所:日経ホール(日本経済新聞社ホール)
        東京都千代田区大手前1-9-5
        日本経済新聞社ビル内
  • 主 催:国立民族学博物館 / 日本経済新聞社
  • 参加費:無料
 

プログラム

18:00~18:05 開会 鈴木誠二(日本経済新聞社取締役大阪本社編集局長)
18:05~18:20 挨拶 熊倉功夫(民族文化研究部長)
18:20~19:10 講演(1)「分断される世代間関係」
野村雅一(民族学研究開発センター教授)
19:10~20:00 講演(2)「終〈つい〉の住処〈すみか〉の現在」
佐藤浩司(民族文化研究部助教授)
講演1 「分断される世代間関係」

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野村雅一(のむらまさいち)
近代の日本人は長い間、だれもが共有するはずの日本文化とはなにかという自問自答を重ねてきた。ところが近年、時代のあまりにも急激な変化とともに、世代間の分断、細分化がすすみ、ふと気がつくと一体そんなものがあるのか疑わざるをえない状況が出来している。かつてあった世代間関係のしきたりがくずれ、役割モデルや相互の信頼が失われる事態は、日本のみならず今日の情報化社会が共通にかかえる深刻な問題である。ここでは、ファッションの世界でおこっている親が子の世代をまねるという文化伝達の逆流現象や、言語、加齢、社会的記憶などを例に、エイジレス・エイジをかんがえる。

講演2 「終〈つい〉の住処〈すみか〉の現在」

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佐藤浩司(さとうこうじ)
巨大な屋根の家に住む東南アジアの山地民―精霊や祖霊のやどる暗く風通しのわるい木造家屋のなかで、人びとは遠慮がちにこの世の生活をいとなんでいる。あたかも祖霊の列にくわわることが人生の目的ででもあるかのように、祖先の家の間借り人として一生をおくるのである。かつては日本でも祖先の建てた家に住まい、祖霊をまつりながら、生と死を家のなかでむかえてきた。それが、いまや私たちの多くは病院で生まれ、病院で死ぬ。一生をかけて購入する現代住宅にあるのは、この世の生活に必要なものだけだ。それはいったいどのような人生を私たちに約束してくれるのだろうか?

 

当日の様子

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