国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2010年10月29日(金)
みんぱく公開講演会「世界の結婚事情―セネガル、中国、フランスから考える」

  • 主 催:国立民族学博物館・日本経済新聞社
  • 日 時:2010年10月29日(金) 18:00~20:50(開場17:00)
  • 場 所:日経ホール
       (東京都千代田区大手町1-3-7日経ビル3階)
  • 定 員:600名(要事前申込・先着順)
  • 参加費:無料

☆手話通訳あり

晩婚化現象が進む日本において、結婚や夫婦がもつ意味が問いなおされている。世界各地の結婚のありかたや夫婦の関係、それらを規定する制度を手がかりにしながら、文明の土台となってきた夫婦という人間関係について多面的に考えてみたい。

 

プログラム ※都合により、下線の箇所が変更になりました。

17:00~18:00 受付
18:00~18:05(5分) 開会 日本経済新聞社大阪本社編集局長 川合英雄
18:05~18:10 (5分) 挨拶 国立民族学博物館長 須藤健一
18:10~18:45 (35分) 講演1 三島禎子「男女バランスからみた婚姻事情-セネガルの女性たちと大家族の戦略」
18:45~19:20 (35分) 講演2 田村克己「子の出生の意味するもの-中国の婚姻習俗『不落夫家』婚をめぐって」
19:20~19:35 (15分) 休憩
19:35~20:10 (35分) 講演3 水野紀子「結婚の制度を比較する-日本とフランスの例を中心に」
20:10~20:50 (40分) パネルディスカッション 「梅棹忠夫の『家庭論』から半世紀をへて」
 三島禎子×田村克己×水野紀子
(司会 野林厚志

※講演者交代について[PDF:65.3KB]

申込方法

「10月29日講演会参加希望」と明記の上、

  1. 郵便番号
  2. 住所
  3. 氏名
  4. 連絡先電話番号
  5. 今後の講演会などのご案内送付希望の有無
  6. 「国立民族学博物館友の会」会員番号(会員の方のみ)

を記載し、ハガキ、FAX、メールにてお申し込みください。2名様以上でお申し込みの場合は、それぞれの方の1)~6)を必ず明記してください。
手話通訳をご希望される方、車椅子をご利用される方は、お席をご用意いたしますのでお申し込みの際に必ずご記入ください。
なお、応募者が多数の場合はご参加いただけない場合もあります。9月下旬より順次参加証を発送する予定です。

※参加申込をいただいた方の個人情報は、参加証の発送、次回以降の講演会などのご案内に使用いたします。

宛先

  • 〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
  • 国立民族学博物館 研究協力課 宛
  • FAX 06-6878-8479
  • メールアドレス koenkai★idc.minpaku.ac.jp
    ※ウイルスメール等対策のため、E-mailアドレスには、「@」の代わりに「星(★)」を入れております。メール送信の際は、「★」を「@」に換えて送信してください。

注意事項

  • 会場には必ず参加証をご持参ください。参加証はお一人様一枚となっております。
  • 参加証がない方は会場には入れませんのでご注意ください。

問合せ先

  • 国立民族学博物館 研究協力課研究協力係
  • TEL 06-6878-8209

講演1「男女バランスからみた婚姻事情-セネガルの女性たちと大家族の戦略」

三島禎子(民族社会研究部 准教授)

一夫多妻のからくりを、婚姻動態の特徴をふまえながら人口学的かつ文化人類学的な観点で解き明かしていく。保守的な習慣を現代社会に融合させて生きているセネガルの人びとの家族観や家族の幸せと、今日の日本における婚姻事情も合わせながら考え、社会や文化の基層となっている大家族の生活戦略を紹介する。

<講師紹介>
専門分野は文化人類学。研究テーマはアフリカの商業民族の国際移動に関する歴史・文化人類学的考察。論文に、「ソニンケ商人の歴史-砂漠を越え海を渡る人びと」池谷和信・佐藤廉也・武内進一編『新世界地理 アフリカI』(07年、朝倉書店)。「国際移動と地域開発 ─ ソニンケ移民に関する移動の主体性についての考察-」加納弘勝・小倉充夫編『変貌する「第三世界」と国際社会』(02年、東京大学出版会)などがある。

講演2「子の出生の意味するもの-中国壮(チワン)族の婚姻習俗『不落夫家』婚をめぐって」

塚田誠之(先端人類科学研究部 教授)

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かつて中国の少数民族・壮(チワン)族のもとでは、結婚式の後、夫婦が別居し、初生児の誕生を契機に花嫁が夫方へ定住するという「不落夫家」習俗が見られた。従来の学説を吟味しつつ、この習俗の形成を歴史学の視点から検討する。壮族は清代以降漢族の伝統的な結婚の方式を受容したが、漢族の結婚方式とも対比しつつ、彼らにとっての真の意味での結婚とは何かについて考えてみたい。

<講師紹介>
中国南部の非漢族諸集団、とくに広西の壮(チワン)族を中心として、歴史民族学的な研究を行ってきた。最近では中越の国境地域の壮族の社会・文化やベトナム側民族との交流について研究を行っている。単著に『壮族文化史研究――明代以降を中心として』(00年、第一書房)、編著に『中国国境地域の移動と交流―近現代中国の南と北―』(10年、有志舎)、『民族表象のポリティクス――中国南部における人類学・歴史学的研究』(08年、風響社)などがある。

講演3「結婚の制度を比較する-日本とフランスの例を中心に」

水野紀子(東北大学 法学部 教授)

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結婚の実態は、社会通念に縛られるが、夫婦の権利義務を定める民法という制度が,人々の意識を作る側面も強い。夫婦別姓は可能だが、夫婦間に強い権利義務を課して、離婚はすべて裁判によるフランス民法の婚姻と、夫婦同氏は強制されるが、家族への介入に非常に消極的で、ごく簡便な協議離婚を特徴とする日本民法を対比しながら、二つの社会における結婚の意味を考える。

<講師紹介>
専門分野は、民法・家族法。婚姻法、親子法、成年後見法、相続法,戸籍法などの領域における論文多数。夫婦別姓選択制を提案した平成8年の法制審議会民法部会幹事を務めたほか、生殖補助医療民法の改正作業にも従事している。「家族」北村一郎編『フランス民法典の200年』(06年、有斐閣)、「フランスにおける家族法改正の動向」小田八重子・水野紀子編『親族[1]―婚姻・離婚―』(08年、新日本法規)等がある。業績一覧は、http://www.law.tohoku.ac.jp/~parenoir/参照。


日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル3階)

[地下鉄]
東京メトロ

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  • 半蔵門線  「大手町駅」大手町方面改札より徒歩約5分
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都営地下鉄

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地下鉄「大手町駅」下車C2b出口直結