研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ
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2010年3月20日(土)
~3月22日(月)
《機関研究成果公開》研究フォーラム「世界災害語り継ぎフォーラム」 -
災害は人々が幾世代にもわたって積み重ねてきた生活や生命を一瞬にして破壊してしまいます。悲しみに満ちた災害の記憶は、しかし、それゆえに、命の尊さやともに生きることの大切さ、自然の脅威などを、痛切なリアリティをもって私たちの胸に刻みつけるきっかけにもなります。多くの被災地で、災害の体験や教訓を言葉や映像、事物や記念碑、芸術活動など様々なかたちで語り継いでいこうとする活動が生まれています。そうした活動は、地域の歴史を伝え、人々との絆や自然との共存の在り方、そしてかけがえのない命の大切さを考えさせるものです。語り継ぎは、生命や環境を守るという人びとの意識を高め、被災地の復興や、災害に強い地域づくりを進める原動力にもなり、さらには地域を越えた連帯の意識を生みだすなど、社会全体にとって多くの可能性を持った、大変重要な活動です。 しかし、こうした語り継ぎの可能性は、残念ながら現状では十分に認知されているとはいえません。世界の各地に災害の語り継ぎに取り組む人たちがいる一方で、そうした人びとを結びつける大きなネットワークは、まだできあがってはいません。また、語り継ぎの在り方についても一層の研究が必要です。このような問題意識のもと、私たちは、阪神・淡路大震災の記憶が残る神戸の地で、2010年3月、「世界災害語り継ぎフォーラム」を開催することにいたしました。世界各地で災害の語り継ぎに取り組む人びとの交流を深めること、語り継ぎの重要性を広く訴えること、語り継ぎの意義やあり方を検討しあうこと、災害の語り継ぎを各地でさらに促進し、将来の災害に立ち向かう力を育むことが、このフォーラムの目的です。
- 日時:2010年3月20日(土)~3月22日(月)
- 場所:2010年3月20日(土) よみうり神戸ホール/3月21日(日)・3月22日(月) JICA兵庫
- 主催:「世界災害語り継ぎフォーラム」実行委員会
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共催:国際交流基金日米センター、国立民族学博物館、
JICA兵庫、読売新聞大阪本社、
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター - 後援:内閣府(防災担当)、外務省、総務省消防庁
- 助成:国際交流基金日米センター、ひょうご安全の日推進県民会議、国立民族学博物館、 日本財団
- 使用言語:日本語、英語(同時通訳または逐次通訳)
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参加者:世界各地で災害の体験や教訓の語り継ぎに取り
組んでいる個人や団体・組織、災害の語り継ぎに
関心を寄せる多くの方々 - 事前申込不要
- チラシダウンロード[PDF:799KB]
- プログラムダウンロード[PDF:3MB]
[お問い合わせ]
世界災害語り継ぎフォーラム実行委員会事務局
〒657-0024 神戸市灘区楠丘町2-5-20
Tel: 078-842-2311 Fax: 078-842-2203
E-mail:contact@tell-net.orgプログラム
最新情報はフォーラムウェブサイト<http://tellnet.jp/jp/fo2010.html>をご覧ください
■3月20日(土)13:00~17:30 公開シンポジウム「災害体験の語り継ぎを考える」
会場:よみうり神戸ホール 13:00~13:30 主催者・来賓の挨拶 13:30~15:00 鼎談「災害体験の語り継ぎを考える」
河田惠昭(人と防災未来センター長、関西大学理事・環境都市工学部教授)
臼井真(神戸市立明親小学校教諭、音楽による震災の語り継ぎ)
対談者(対談依頼中)15:00~ 音楽「しあわせ運べるように」(歌詞を各国語に翻訳して配布) 15:30~17:30 パネルディスカッション
モデレーター:
林勲男 (実行委員長、国立民族学博物館准教授)
スピーカー:
山本健一 (人と防災未来センター副センター長、神戸)
ドナ・サイキ (太平洋津波ミュージアム、ハワイ)
ムハンマド・サイデュール・ラーマン (バングラデシュ災害予防センター所長)
坂戸勝 (国際交流基金理事)
フェン・ミン・カン (国連国際防災戦略事務局特別アドバイザー)レセプション ■3月21日(日)9:30~18:30 各地からの報告と討論 会場:JICA兵庫
■セッション1:語り継ぎとミュージアムを考える(1) 時間:9:30~12:00 会場:JICA兵庫ブリーフィング室 概要:主に津波、水害への対応、その後の復旧・復興過程における体験の語り継ぎについて、
ミュージアムの取り組みを学びあい、展望と課題を考える。コーディネーター:立木茂雄 (同志社大学教授)
マリー=ポール・ユングブルート(世界博物館協議会歴史考古学委員会)主な発表 ・ドナ・サイキ(太平洋津波ミュージアム館長)
「語り継ぐ-命を救う」(ハワイでの津波被害:1946、1960)
・丸山篤(稲むらの火の館館長)
「浜口梧陵から学ぶ心と防災」(安政南海地震津波:1854)
・竹田彰(奥尻町総務課長)
「奥尻島津波館の活動発表(津波の怖さを~未来の子供たちへ)」
(北海道南西沖地震津波:1993)
・デービッド・N.サトラー(国際津波ミュージアム館長、西ワシントン大学教授)
「国際津波ニュージアム、タイ/カオラック」(インド洋大津波:2004)
・ラマダニ(アチェ観光文化庁観光振興部長)
「災害体験の語り継ぎとアチェ津波ミュージアム」(インド洋大津波:2004)
・リア・ゲルク(オランダ洪水ミュージアム)
「オランダ洪水ミュージアムの活動(仮)」(ゼーラント州高潮・洪水:1953)
(テルワッタ津波フォトミュージアムの活動も紹介)(インド洋大津波:2004)
・カレン・リーゼム(ルイジアナ州立ミュージアム歴史学芸員)
「ハリケーンとともに生きる:カトリーナとそれを越えて-展示」
(ハリケーン・カトリーナ:2005)レセプション ■セッション2:語り継ぎと防災を考える 時間:9:30~12:00 会場:JICA兵庫セミナー室1+2 概要:災害体験や教訓を語り継ぐことと、防災や社会の発展との係り合いについて意見を交換し、
展望と課題を考える。コーディネーター:牧紀男(京都大学防災研究所准教授)
リチャード・アイズナー(京都大学防災研究所客員教授)主な発表 ・ド・ムハンマド・サイデュール・ラーマン(バングラデシュ災害予防センター所長)
「バングラデシュにおける災害体験の語り継ぎ:風化の傾向」(風水害多数)
・アモッド・マニ・ディクシット(ネパール地震技術協会会長)
(多数の地震/土砂災害について)
・ファロック・パルシザデー(国際地震工学・地震学研究所災害管理部研究員)
「地震発生後30カ月の期間におけるバム地震被災地の人々のニーズアセスメント」
(バム地震:2003)
・顧林生(北京清華都市計画設計研究院公共安全研究所所長)
「中国の防災教育の取り組み ―北京市防災安全を事例に―」
・ジッラリ・ベヌーアール(バブ・エッズーアール大学土木工学科教授)
「災害リスク軽減に向けた防災教育/訓練における災害体験の語り継ぎの活用:アルジェリアの経験」
(ブーメルデス地震:2003)
・阪本真由美(京都大学防災研究所巨大災害センター)
「災害復興と災害の記憶の継承-日本とトルコの事例より-」
・定池祐季(北海道大学大学院文学研究科)
「被災者から研究者,そして語り部へ」■セッション3:語り継ぎとメディアを考える 時間:13:00~15:30 会場:JICA兵庫ブリーフィング室 概要:災害体験の語り継ぎにおいて重要な役割を担うマスメディアのこれまでの活動を振り返り、
展望と課題を考える。コーディネーター:安富信(読売新聞大阪本社編集委員)
ファロック・パルシザデー(イラン国際地震工学・地震学研究所災害管理部研究員)主な発表 ・ジェド・ホーン(ジャーナリスト/作家)
「メディアと神話:カトリーナの真実を求めて」
・スヴェンドリーニ・カクチ(Panos South Asiaスリランカ事務所代表)
「コミュニティーを基盤としたもう一つの防災」
・住田功一(NHKアナウンサー)
・磯辺康子(神戸新聞社)
・阿久沢悦子(朝日新聞大阪本社)
・野田武(毎日新聞大阪本社)
・杉村奈々子(産経新聞大阪本社)
・森川暁子(読売新聞大阪本社)
・魚住由紀(MBSラジオ「ネットワーク1・17」パーソナリティー)
・日比野純一(FMわぃわぃ代表)■セッション4:語り継ぎとミュージアムを考える(2) 時間:13:00~15:30 会場:JICA兵庫セミナー室1+2 概要:主に地震、火山噴火への対応、その後の復旧・復興過程における体験の語り継ぎについて、
ミュージアムの取り組みを学びあい、展望と課題を考える。コーディネーター:深澤良信(消防庁参事官)
アレサンドロ・パスート(イタリア砂防研究所)主な発表 ・山本健一(人と防災未来センター副センター長)
「人と防災未来センターの活動」(阪神・淡路大震災:1995)
・劉華彬(中国国家文物局博物館・社会文物司科学技術・信息処長)
「四川大地震サイトミュージアム」(四川大地震:2008)
・リチャード・ブランディ(「西地区プロジェクト」代表)
「1906サンフランシスコ地震仮設住宅の保存」(サンフランシスコ地震:1906)
・ビルジ・ディクメン(サカルヤ大都市圏市計画事業部都市計画官)
「1999年8月17日」(トルコ・マルマラ地震:1999)
・ジョバンニ・トサッティ(モデルナ/レッジオ・エミリア大学地球科学部上席研究員)
「1985年7月19日のスタバ渓谷における災害の教訓」(イタリア・尾鉱ダム崩壊:1985)
・三松三朗(三松正夫記念館館長)
「火山山麓に暮らす者の役割 ~次世代に伝える~」(有珠山噴火:1910,1944,1977,2000)
・河本冨士雄(雲仙岳災害記念館館長)
「雲仙岳災害の伝承と災害伝承ミュージアムとしての取組み」(雲仙普賢岳噴火:1991)■セッション5:語り継ぎと交流を考える 時間:16:00~18:30 会場:JICA兵庫ブリーフィング室 概要:災害体験を次の世代や他の地域に語り継ぐことの現状、展望と課題を考える。 コーディネーター:近藤民代(神戸大学准教授)
廖嘉展(新故郷文教基金会董事長)主な発表 ・ティンエイエイコ(「ティンミャンマー」ランゲージセンター校長)
「ミャンマーのサイクロン災害後の復旧活動支援及び教育環境改善運動について」
・永田宏和(NPO法人プラスアーツ理事長)
「イザ!カエルキャラバン!inジョグジャカルタ」
・イカプトラ(ガジャマダ大学建築学科准教授)
「ジョグジャカルタと神戸 ― 子供たちや教師たちを巻き込んだ災害対応訓練」
・チャールズ・アレン(チューレイン/ザビエル生物環境研究センター渉外担当副所長)
「工業、農業、財宝と豊かさ:持続可能なコミュニティーの必要性とロウワー9区モデル」
・河合節二(野田北ふるさとネット事務局長)
・吉椿雅道(海外災害援助市民センター(CODE海外災害援助市民センター))
「被災地に寄り添って」■セッション6:語り継ぎとミュージアムを考える(3) 時間:16:00~18:30 会場:JICA兵庫セミナー室1+2 概要:主に地震、火山噴火への対応、その後の復旧・復興過程における体験の語り継ぎについて、
ミュージアムの取り組みを学びあい、展望と課題を考える。コーディネーター:ケネス・トッピング(カリフォルニア州立工科大学非常勤講師)
船木伸江(神戸学院大学講師)主な発表 ・呉徳棋(台湾921博物館 館長)
「1999台湾集集地震の記念と復興」(921大地震:1999)
・ミカエル・メルクムヤン(アルメニア・アメリカン大学工学部研究教授)
「アルメニアにおける1988年スピタク地震関連博物館及び常設展示について」
・関俊明(群馬県嬬恋村立東小学校教諭, 元(財)群馬県埋蔵文化財調査事業団専門員)
「嬬恋村鎌原地区と泥流被害地域の取り組み ―天明三年(1783)浅間山噴火災害―」
・ルイス・ヘルナンデス(エルサルバドル共和国サンタテクラ市助役)
「災害リスクの軽減に向けた市の施策:歴史の記憶」(エルサルバドル地震:2001)
・杉本伸一(島原半島ジオパーク事務局長)
「雲仙普賢岳噴火災害を語り継ぐ」(雲仙普賢岳噴火:1991)■3月22日(月)9:00~12:30 まとめ
会場:JICA兵庫ブリーフィング室 各セッションからの報告、災害体験の語り継ぎの今後の展望等について意見交換を行う。 コーディネーター:小林郁雄(実行委員会副委員長) 主な発表 ・各セッションのコーディネーターからの報告
・行木敬(テルネット事務局、神戸山手大学准教授)
「世界災害語り継ぎポータルサイトについて」コメンテーター:マリー=ポール・ユングブルート (世界博物館協議会歴史考古学委員会会長)
林春男(京都大学防災研究所教授)フォーラムの総括 …… 林勲男(実行委員長) 閉会あいさつ