国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2007年11月30日(金)
人間文化研究機構第7回公開講演会・シンポジウム 国立民族学博物館開館30周年記念「国際開発協力へのまなざし:実践とフィールドワーク」

写真:エクアドル・サリーナス村
撮影:鈴木紀(国立民族学博物館准教授)
  • 日時:2007年11月30日(金) 18:00~21:00(予定)
  • 場所:IMPホール(大阪市中央区城見1-3-7)
  • 入場無料 :申込先着780名
  • 申込方法:事前申込が必要。折り返し受講票を発送します。住所、氏名、電話番号を記入し、ハガキ、FAX、eメールでお申込みください。
  • 申込先:〒105-0001 東京都港区虎ノ門4-3-13神谷町セントラルプレイス2階
    人間文化研究機構総務課シンポジウム係
    TEL:03-6402-9200  FAX:03-6402-9240
    E-mail:sympo_7@nihu.jp
  • 主催:人間文化研究機構
  • 後援:文部科学省、日本学術振興会、国立大学協会、大阪府教育委員会、大阪市教育委員会、NHK大阪放送局、千里文化財団
  • 協力:JICA

当日の様子を掲載しました

 

趣旨

グローバル化が進む中で世界各地において経済格差がますます拡大してきた。国民の関心が国内の経済格差に向けられるようになった一方で、国家間や地域間の国際的な経済格差への関心が薄くなってきている。かつて日本は、ODAの貢献度が世界で第1位であったが、現在では第3位であることにもその傾向を読み取ることができる。また、善意に基づく国際開発協力が、現地の人々にとっては搾取を結果するような事態も発生している。国際開発協力を行う上で発生する矛盾を解消するためには、現地の人々の多様な意見を重視することや現地の人々と外部の人々が地球人としてまなざしを共有することが必要であろう。さらに国際開発協力には人間同士の関わりの深化させること、言い換えれば信頼関係を強化させるという側面があることを認識すべきである。

国連を中心とした国際社会の今世紀の最大の目標は貧困削減である。その目標を実現するための国際開発協力の実践にはさまざまなやり方がある。われわれ日本人は、国際社会の一員として国際開発協力の現状について知り、もっと積極的にかかわるべきではないだろうか。

このシンポジウムでは、世界と日本における国際開発協力の潮流を概観した後、フェアトレードという新たな実践に着目し、国際開発協力の実践のあり方を検討し、模索する。さらに文化人類学など人文諸科学が国際開発協力にいかに貢献しうるかを検討する。

プログラム

17:00 開場
18:00 開会
18:00~ 長野泰彦 人間文化研究機構 理事挨拶
18:05~ 松園万亀雄 国立民族学博物館長 館長挨拶
18:15~ 佐藤寛(アジア経済研究所・研究支援部長)
「世界の国際開発協力の潮流と日本の貢献」
18:45~ 鈴木紀(国立民族学博物館・准教授)
「フェアトレード:チョコレートを食べて友達を増やそう」
19:15~ 休憩
19:30~ 総合討論「国際開発協力のあり方とフェアトレード」
座長:岸上伸啓(国立民族学博物館・教授)
パネリスト:
新井泉(国際協力銀行・理事)
石原聡(界銀行・社会開発専門官)
大石芳野(写真家)
大橋正明(恵泉女学園大学・教授)
鈴木紀(国立民族学博物館・准教授)
21:00 閉会

*総合司会 五味文彦(人間文化研究機構・理事)

講演

佐藤寛(アジア経済研究所・研究支援部長)
国際開発協力(援助)研究の専門家で、日本における第1人者。社会学・人類学の視点から開発援助プロジェクトが実施されている現場における社会的な影響についての研究を蓄積。国内外の国際開発協力の動向や全体像を話すことができる数少ない研究者である。

講演・総合討論

鈴木紀(国立民族学博物館・准教授)
専門は開発人類学で、メキシコの農村開発の研究に従事。フェアトレードなどにも詳しい。1980年代から開発人類学を研究してきた日本では数少ない人類学者の一人で、開発全般にも詳しい。

総合討論

新井泉(国際協力銀行・理事)
専門は開発経済学・経営学。 海外経済協力基金、国際協力銀行に勤務し、日本のODA業務に従事。これまでアフリカの貧困削減、投資促進などの課題に取り組んできた。
石原聡(世界銀行・社会開発専門官)
現在、ワシントンDCにある世界銀行に勤務。ロンドン大学(SOAS)で人類学の博士号を取得したが学界ではなく、開発の現場で仕事に従事。NGOに勤務した経験があり、アフリカでは現金収入の創出と小規模インフラ整備を通じてのスラムアップグレーディングに従事。現在は、東欧・中央アジア、特にコーカサス3国(グルジア、アルメニア、アゼルバイジャン)の開発を担当。
大石芳野(写真家)
東京都出身。大学を卒業後、ドキュメンタリー写真に携わり今日に至る。戦争や内乱、急速な社会の変容などによって傷つけられ苦悩しながらもたくましく生きる人びとの姿をカメラとペンで追っている。
大橋正明(恵泉女学園大学・教授)
専門は国際開発学、NGO論、南アジア地域研究。NGO「シャプラニール=市民による海外協力の会」現地駐在員、事務局長、役員として、バングラデシュとネパールの手工芸品のフェアトレードにかかわる。他にJANIC(国際協力NGOセンター)理事長、2008年G8サミットNGOフォーラム副代表などを務めている。
岸上伸啓(国立民族学博物館・教授)
専門は、文化人類学で、カナダ・イヌイット研究が専門。民博の研究プロジェクトで、「先住民と開発」や「海洋資源の利用・管理」に従事するかたわら、極北社会の経済開発や都市イヌイットの社会経済開発の実践にかかわる。

総合司会

五味文彦(人間文化研究機構・理事)
専門は、日本史学で、日本の中世史における多様な史料をその性質を生かして用い、中世社会の様相を明らかにする。地域の歴史にも造詣が深い。
平成18年5月に人間文化研究機構理事に就任。


IMPホール(大阪市中央区城見1-3-7)

  • ○ JR環状線、JR東西線「京橋駅」西口改札より徒歩5分
  • ○ 京阪本線「京橋駅」片町口改札より徒歩5分
  • ○地下鉄長堀鶴見緑地線「大阪ビジネスパーク」4番出口より徒歩1分
 

当日の様子

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