国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2008年9月27日(土)
研究フォーラム「『夷酋列像』と道東アイヌ」

ノッカマップの首長ションコ
(国立民族学博物館蔵『夷酋列像図』所収)
  • 日時:2008年9月27日(土) 13:00~17:30
  • 場所:道立北方四島交流センター
  • 主催:国立民族学博物館・人間文化研究機構連携研究・根室市教育委員会
  • 後援:社団法人北海道ウタリ協会・社団法人北海道ウタリ協会 根室地区支部連合会

趣旨

本フォーラムは、国立民族学博物館共同研究「『夷酋列像』の文化人類学的研究」と人間文化研究機構連携研究「アイヌ文化の図像表象に関する比較研究」の成果を、一般市民にわかりやすく公開するフォーラムの第2回目である。初回は平成19年度に『夷酋列像』が描かれた松前町で実施されたが(蠣崎波響と『夷酋列像』の世界)、今回はこの肖像画集が描かれる直接の原因となった1789年(寛政元年)のクナシリ・メナシの戦いの舞台となった根室での開催である。クナシリ・メナシの戦いは200年以上経た今日でも、地元のアイヌ社会で大きな意味を持ち、毎年この戦いの犠牲者に対する慰霊祭が行われている。今回は『夷酋列像』を通して、この戦いの歴史的な意味と今日的な意味を問い直す。『夷酋列像』に関する研究の成果を、戦いの首謀者とされたアイヌたちが処刑されたノッカマップに近い根室で公開することは、市民への成果公開にとどまらず、戦いの犠牲となったアイヌ、和人双方の霊前への報告という意味も持っている。

プログラム

9月27日(土)

市民フォーラム
総合司会 佐々木史郎・大塚和義

13:00~13:10 挨拶 根室市、国立民族学博物館、人間文化研究機構連携研究
13:10~13:50 秋月俊幸「千島列島における日露関係とアイヌ」
コメント:藤田 覚「幕府の北方政策」
13:50~14:20 秋辺日出男「ノッカマップ・慰霊祭の意義」
14:20~15:00 五十嵐聡美「波響の画業と『夷酋列像』――12人の目は何を語るか」
コメント:井上研一郎「波響と小島貞喜の視点から」
15:00~15:20 休憩
15:20~16:15 川上淳「クナシリ・メナシの戦いの評価」
コメント:田島佳也「道東の漁場経営の視点から」
16:15~17:00 猪熊樹人「動物考古学からみた道東アイヌ」
佐々木史郎「山丹交易の視点から『夷酋列像』を読む」
大塚和義「道東アイヌの成立と行動領域」
17:00~17:45 総合討論
司会:菊池俊彦
パネラー:秋月俊幸、秋辺日出男、五十嵐聡美、川上淳、猪熊樹人、佐々木史郎、大塚和義
コメント:久保泰、池田貴夫