研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ
-
2009年9月12日(土)
~9月13日(日)
一般公開シンポジウム「カナダにおける先住民アートの展開:イヌイットと北西海岸先住民族のアート伝統」 -
- 開催日:2009年9月12日(土)~9月13日(日)
- 開催場所:国立民族学博物館
2009年9月12日から13日まで日本カナダ学会第34回研究大会およびPacific and Asia Network of Canadian Studies会議を国立民族学博物館において日本カナダ学会と共催する。今回の研究大会では、カナダ先住民と彼らのアートを中心的なテーマとするため、同分野において研究実績のある本館が基調講演とシンポジウムを担当し、本館のこれまでの共同研究の成果を一般公開する。基調講演では、カナダの歴史を先住民の複数の歴史として読み直すことを試み、先住民社会の歴史的な多様性を紹介する。シンポジウムでは、カナダ先住民の中から対照的な文化と社会を形成してきた北西海岸先住民とイヌイットに焦点をあわせ、彼らのアート制作活動と作品について学際的な視点で論じる。今回の試みは、カナダの先住民アートをエスノヒストリー、考古学、美術史、文化人類学などの視点から学際的に検討することによって、カナダ先住民の歴史と文化を理解しようとするカナダ研究の新たな試みである点に学問的な意義がある。なお、この研究大会には国内外の30名以上の大学院生が参加する予定であり、若手研究者の育成にも貢献すると考える。
プログラム
9月12日(土)13:20~14:20 開催場所:第4セミナー室
一般公開の基調講演
『エスノヒストリーというレンズを通して―カナダにおける数多くの異なる先住民史の解明にむけて』- トビー・モランツ(マッギル大学)
9月13日(日)13:30~16:30 開催場所:第4セミナー室
一般公開シンポジウム
「カナダにおける先住民アートの展開:イヌイットと北西海岸先住民族のアート伝統」- 責任者:岸上伸啓(国立民族学博物館)
- 司会者:鈴木七美(国立民族学博物館)
「カナダにおける先住民アートの展開:シンポジウムの序論」
- 岸上伸啓(国立民族学博物館)
「カナダ極北地域におけるドーセット期パレオエスキモーとチューレ期イヌイットの芸術伝統―世界観の違い」
- ジェームス・M・サベール(マッギル大学)
「「変身」の哲学的背景:イヌイト・アートにみるIQ(イヌイトの知識)」
- 大村敬一(大阪大学)
「ケープ・ドーセットにおけるグラフィック・アートの50年―伝統をハントする」
- ノーマン・ヴォラノ(カナダ文明博物館)
(14:50~15:00 休憩)
「20世紀における北西海岸先住民美術の変化」
- 斎藤玲子(北海道立北方民族博物館)
「カナダにおける民族誌家と彼らのコレクション:批判的レビュー」
- ニコレット・プリンス(カナダ文明博物館)
(15:40~15:50 休憩)
総合討論「カナダ先住民アートの政治・経済・文化的意義」
- 座長:岸上伸啓(国立民族学博物館)
- コメント:「先住民アート」トビー・モランツ(マッギル大学)、「カナダ先住民の版画」田主誠(版画家)、「ホピ・アートとの比較」伊藤敦規(日本学術振興会)