国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2010年10月9日(土) ~10月10日(日)
国際研究フォーラム「20世紀の日本における生活習慣と物質文化の近代化/西洋化―国民生活に対する「生活改善運動」の具体的影響、および西洋化運動における政府の役割」
国際研究フォーラム

20 世紀、日本は急速でなかば強制的ともいえる生活様式の西洋化を経験しました。近代国家確立をめざす日本政府の根幹をなした「近代化=西洋化」という原則は、大正期中頃にはじまる「民衆のイデオロギー教育」という啓蒙活動、つまり「生活改善運動」に顕著にあらわれています。
このシンポジウムでは、1920年代から1945年までの生活改善運動の影響力と役割を見極め、その上で、生活習慣の西洋化という20世紀の歴史のなかに生活改善運動を位置づけることを試みます。さらに、20 世紀および21世紀の社会文化史において生活改善運動がもつ重要性も明らかにします。これらの課題のもとに、多分野の研究者が集い、議論を深め、生活改善運動に対する多角的なアプローチの方法を提示します。

  • 日 時:2010年10月9日(土) 10:30~18:00
         2010年10月10日(日) 10:30~17:00
  • 場 所:国立民族学博物館2階第4セミナー室
  • 定 員:40名(参加無料・申し込み不要《研究者向けのフォーラムで、一般公開ではありません》)
  • 使用言語:日本語、英語(同時通訳あり)
  • 主 催:国立民族学博物館
  • 共 催:CRCAO (Centre de Recherche sur les Civilisations de l’Asie Orientale)
  • 代 表:ゴッソ,アンヌ(国立民族学博物館客員教授)、 川口幸也(国立民族学博物館准教授)

チラシダウンロード[PDF:591KB]

[お問い合わせ]
ゴッソ,アンヌ研究室
e-mail : anne.gossot@idc.minpaku.ac.jp
fax : 06-6878-7503

プログラム

10月9日(土) 第4セミナー室(2F)
10:00 受付
10:30~10:35 挨拶:須藤健一(国立民族学博物館館長)
10:35~10:40 挨拶:川口幸也(国立民族学博物館准教授)
10:40~11:00 趣旨説明:ゴッソ,アンヌ(国立民族学博物館客員教授)
第1セッション 生活改善運動の社会・経済政策としての位置づけ、又は20世紀前半における国家と民衆社会・大衆経済の西洋化
11:00~11:45 中川清(同志社大学教授):「生き方の変更と生活改善運動――都市下層の生活経験と救貧政策の不在―」
11:45~12:30 武田晴人(東京大学教授):「生活改善運動の経済的背景――生活の質へのまなざしの多様な思惑」
12:30~13:30 昼食
第2セッション 生活改善運動の沿革・構造・事業範囲・理論・思想
13:30~14:15 久井英輔(広島大学准教授):「生活改善同盟会/中央会の活動に見る「都市」の位置」
14:15~15:00 野本京子(東京外国語大学教授):「農村における生活改善運動――恐慌期から戦時下を中心に」
15:00~14:45 井上和枝(鹿児島国際大学教授):「植民地期朝鮮における生活改善運動――総督府の生活改善政策と民間の生活改善運動」
15:45~16:00 休憩
16:00~18:00 発表者同士の討議
座長・司会:Charlotte von Verschuer シャルロット・フォン・フェルシュール(フランス国立高等研究院教授。CRCAO研究員)、近藤雅樹(国立民族学博物館教授)
10月10日(日) 第4セミナー室(2F)
第2セッション 生活改善運動の沿革・構造・事業範囲・理論・思想(続き)
10:00~10:45 小山静子(京都大学教授):「女性にとっての生活改善運動」
10:45~11:30 黒石いずみ(青山学院大学教授):「今和次郎と生活改善運動」
第3セッション 生活改善運動の具体的なインパクトを考える
11:30~12:15 夫馬佳代子(岐阜大学教授) :「生活改善運動と尾崎芳太郎が考案した服装改善」
12:15~13:15 昼食
13:15~14:00 江原絢子(東京家政学院大学名誉教授):「食生活改善のための学校・社会の食教育と実生活への影響」
14:00~14:45 内田青蔵(神奈川大学教授):「大正期の住宅改良運動――住宅改良会と生活改善同盟会の活動を中心として」
14:45~15:00 休憩
15:00~17:00 発表者同士の討議
座長・司会: 近藤雅樹(国立民族学博物館教授)、Charlotte von Verschuer シャルロット・フォン・フェルシュール(フランス国立高等研究院教授。CRCAO研究員)
17:00~18:00 懇親会
18:30 閉会