国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2010年12月11日(土)
国際シンポジウム「雲南少数民族の伝統音楽―現状と未来」

  • 日 時: 2010年12月11日(土) 13:00~17:30(開場 12:40)
  • 場 所:国立民族学博物館 第4セミナー室
  • 定 員:70名(先着)一般公開
  • 使用言語:日本語、中国語、英語(日本語通訳あり)
  • 主 催:総合研究大学院大学
  • チラシダウンロード[PDF:1.8MB]

[お問い合わせ]
国立民族学博物館内 総合研究大学院大学
伊藤悟
〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
E-mail: satoru_worldmusic●yahoo.co.jp(●を@でおきかえてください)

 

趣旨

中国雲南省には豊かな音楽文化をはぐくむ25の少数民族が暮らしています。近年の経済成長にともなう社会環境の変化は、生活に根ざした伝統音楽のあり方を大きく変えています。このシンポジウムでは、雲南省各地において少数民族の芸能を調査・研究する中国、アメリカ、日本の研究者による3つのテーマの報告を中心に、現地で記録した最新の映像・音響資料をまじえ、雲南少数民族の伝統音楽の現状と未来について議論します。

プログラム

Ⅰ.はじめに
13:00~13:20 挨拶・趣旨説明
池谷和信(総合研究大学院大学文化科学研究科 地域文化学専攻長)
伊藤悟(総合研究大学院大学文化科学研究科/博士課程)
Ⅱ.報告(日本語同時通訳)
13:20~14:30 (1)音楽からみる雲南少数民族文化の多様性と相互関係性
報告1:「雲南省数民族音楽文化的多様性與互聯性(雲南省数民族の音楽文化の多様性と相互関係性)」
張興榮 (中国 雲南芸術学院音楽学院/教授)
14:30~14:40 休憩
14:40~15:50 (2)「原生態」音楽と無形文化遺産
報告2:「China's Journey Towards the Original Ecology Aesthetic and Protection of Intangible Cultural Heritage: Case-Studies from Yunnan(無形文化遺産の保護と原生態をめぐる中国の旅 ―雲南省の事例から)」
Helen REES(UCLA Herb Alpert School of Music/教授)
15:50~16:00 休憩
16:00~16:30 (3)社会生活のなかの伝統音楽と映像メディア
報告3:「掛け合いうたの復興と映像メディア ―徳宏タイ族シャンヤー民間芸術団の事例から」
伊藤悟(総合研究大学院大学文化科学研究科/博士課程)
16:30~16:40 休憩
Ⅲ.総合討論(逐語通訳)
16:40~17:30 コメンテーター:横山廣子(国立民族学博物館/総合研究大学院大学 併任准教授)
        李薇兒 (雲南芸術学院音楽学院 准教授)
        岡崎淑子(聖心女子大学 教授)

プロフィール

張興榮 教授 (Zhang Xing rong)

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中国雲南省 雲南芸術学院 音楽学院

専門は民族音楽学。 30年以上にわたり雲南省各地で調査を続け、さまざまな少数民族の音楽、 踊り、儀礼芸能などを研究している。 消失の危機に瀕した民族芸能をいちはやく文化遺産として記録し、 音響・映像資料の蓄積をおこなってきた。 国内外で数々の講演活動や、 少数民族の民間芸能継承者を引率して海外公演もおこなっている。 現在も後進の育成にあたりながら、 精力的にフィールドワークを重視した研究を続けている。
主な著書に『 雲南特有民族原生音楽』 (2003)、『 中国少数民族宗教音楽考察研究・雲南巻』( 2008)、 CD『Alili』(2004)、10枚組CD『 巓』 (2005)、 など多数。

ヘレン リーズ 教授 (Helen Rees)

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カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (The UCLA Herb Alpert School of Music)

雲南省北西部の麗江が対外開放されてまもなく、 ナシ族社会において漢族文化にルーツを持つ宗教楽団の「洞経音楽」を中心に長期滞在調査をおこなう。 現在は張教授とともに雲南北西部の三江併流地域を中心にフィールドワークをおこなっている。 研究以外にも、 演奏活動や中国の学者・音楽家を世界各国で紹介・演奏公演する活動をおこなっている。 専門は民族音楽学。 主な著書に Echoes of History: Naxi Music in Modern China (2000)、 Lives in Chinese Music( 2009)、など。

伊藤悟

総合研究大学院大学 文化科学研究科 博士課程

専門は文化人類学、 民族音楽学。 主に雲南省徳宏州とタイ北部にて、 タイ族の音文化や伝統芸術の変容に関する研究に従事し、伝統知識や技術を自身で学びながらフィールドワークをおこなっている。