国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2015年1月25日(日)
公開フォーラム「古代文明の生成過程――エジプトとアンデス」

チラシダウンロード[PDF:409KB]
  • 日時:2015年1月25日(日)13:00 - 16:00(開場12:30)
  • 場所:JPタワー ホール&カンファレンス ホール1
       東京都千代田区丸の内2丁目7番2号 JPタワー4階
  • 一般公開(参加無料/申込不要/定員170名[先着順])
  • 主催:国立民族学博物館 科学研究費補助金基盤研究(S)「権力の生成と変容から見たアンデス文明史の再構築」(研究代表者:関雄二)
  • 協力:古代アメリカ学会
  • お問い合わせ:
    国立民族学博物館 関研究室
    TEL: 06-6878-8252 FAX:06-6878-7503
    E-mail:sekiken★idc.minpaku.ac.jp
    ※★を@に置き換えて送信ください。
 

趣旨

旧大陸における古代文明の発祥地として知られるエジプト、そこではナイル川の氾濫がもたらす豊かな土壌のもと、農耕や牧畜が早くから成立し、氾濫を予測・観測するための天文学も発達しました。その結果として、巨大なピラミッドなどのモニュメントを抱える統一王朝が成立したと考えられてきました。しかし、そこでは、メソポタミア文明のような都市の重要性はさほど認められておらず、同じ旧大陸文明でも大きな違いが認められます。南米アンデス文明においても、都市の重要性は初期には認められず、その意味でも、メソポタミアよりも、エジプトに近い形の文明形成過程が予想されます。しかし、このイメージは果たしてどこまで正しいのでしょうか。今回のフォーラムでは、両地域で長らく研究に携わってきた考古学者を招いて、最新の調査成果を報告してもらうとともに、従来の古代文明観が揺るぎないものなのかどうかを再検討し、両古代文明の特性について、とくに経済面に注目して討論していきたいと思います。

プログラム

13:00 - 13:05 あいさつ
13:05 - 13:35 「古代エジプトにおける国家と経済」
河合望(早稲田大学)
13:35 - 14:05 「経済から見た古代エジプト初期国家の形成」
高宮いづみ(近畿大学)
14:05 - 14:35 アンデス文明初期の神殿と経済活動-クントゥル・ワシ遺跡の調査成果から」
井口欣也(埼玉大学)
14:35 - 15:05 「古代アンデスにおける神殿の登場と権力の発生」
関雄二(国立民族学博物館)
15:05 - 15:15 休憩
15:15 - 16:00 ディスカッション

プロフィール

河合望(かわいのぞむ) 早稲田大学高等研究所准教授

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専門はエジプト学、特に新王国時代の歴史と考古学を専門とする。現在早稲田大学古代エジプト調査隊によるアブ・シール南丘陵調査の現場主任として、発掘調査を行い、古代エジプトにおける祭祀や埋葬の研究に取り組んでいる。著訳書に『ツタンカーメン 少年王の謎』(集英社新書)、『古代エジプト』(岩波書店)などがある。

 
高宮いづみ(たかみやいづみ) 近畿大学文芸学部教授

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専門は、エジプトの初期国家形成過程と古代エジプト社会に関する考古学的研究。1980年代中葉からエジプト・アラブ共和国において考古学的調査に参加し、現在ヒエラコンポリス遺跡とアブ・シール南遺跡で発掘調査を継続中。主な著書に『エジプト文明の誕生』(同成社)、『古代エジプト 文明社会の形成』(京都大学学術出版会)などがある。

 
井口欣也(いのくちきんや) 埼玉大学教養学部教授

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専門はアンデス考古学、文化人類学。ペルー北部のクントゥル・ワシなどで、神殿遺跡の発掘調査をおこない、アンデス文明の形成過程について研究をしている。著書(共著)に、Gemelos prístinos: el tesoro del templo de Kuntur Wasi, (Fondo Editorial del Congreso del Perú)など。

 
関雄二(せきゆうじ) 国立民族学博物館研究戦略センター教授

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専門はアンデス考古学、文化人類学。南米ペルーにおいて神殿の発掘調査を行い、アンデス文明の成立と解明に取り組んでいる。主な編著書に『アンデスの考古学』(同成社)、『古代アンデス 権力の考古学』(京都大学学術出版会)、『古代アンデス 神殿から始まる文明』(朝日選書)などがある。