国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2017年10月21日(土) ~10月22日(日)
国際フォーラム「地域文化の再発見――大学・博物館の視点から」
人間文化研究機構基幹研究「日本列島における地域文化の再発見とその表象システムの構築
科学研究費補助金基盤(B)「東日本大震災で被災した民俗文化財の保存および活用に関する基礎研究」
フォーラム型情報ミュージアムプロジェクト「日本の文化展示場関連資料の情報公開プロジェクト

チラシダウンロード[PDF:3.6MB]
  • 日程:2017年10月21日(土)、10月22日(日)
  • 場所:別府大学
  • 主催:人間文化研究機構基幹研究プロジェクト 国立民族学博物館
  • 共催:台湾文化部、国立台北芸術大学、別府大学
  • お問い合わせ先
    国際フォーラム「地域文化の再発見―大学・博物館の視点から」事務局
    TEL:080-3776-8688
    E-mail:k-nishioka★knit-k.com(★を@に置き換えてください)
 

趣旨

社会のグローバル化や災害からの復興のなかで生じる地域社会の変貌は、地域で連綿と築かれてきた文化の破壊を生み出し、新旧の住民の間にさまざまな摩擦を引き起こしています。一方、これらの問題の解決策として、地域住民と大学や博物館の研究者が共同して、地域文化を再発見し、保存や活用を実践する活動が試みられるようになってきました。そして、これらの動向は、新たな地域文化を創生し、豊かな地域社会を育てていく可能性をもったものとして、注目されてきています。特に東日本大震災以降、地域文化に焦点を当てた地域復興の実践事例は、豊かな地域創生に大きな広がりを持たせる可能性があるとして、人間文化研究においても大きな研究課題となっています。
そこで、本フォーラムでは、大学・博物館の視点から、災害からの地域文化の学び、知の拠点施設が地域文化に果たす役割、地域文化と市民をつなぐ大学・博物館の役割、大学教育からの地域文化の再発見という4つの視点と次世代の研究者である大学生、大学院生の実践活動から、地域文化の再発見に果たす人文学の役割の可能性ついて明らかにすることを目的とします。

 

プログラム

10月21日(土)
10:00 - 10:05 主催者あいさつ
吉田憲司(国立民族学博物館長)
10:05 - 10:10 共催者あいさつ
佐藤瑠威(別府大学学長)
趣旨解説
日高真吾(国立民族学博物館准教授)
10:10 - 11:40 基調講演 「国東半島における世界農業遺産の取り組みと大学」
飯沼賢司(別府大学教授)
第1部:災害の経験から学ぶ博物館活動
13:00 - 13:25 「水俣病の経験を伝える博物館活動――手作り資料館のすすめ」
平井京之介(国立民族学博物館教授)
13:25 - 13:50 「民間所在の被災資料から地域文化を読み解く」
葉山茂(人間文化研究機構総合人間文化研究推進センター研究員)
13:50 - 14:40 「刺繍の復興から探る帰郷への道―小林村の再建過程における博物館の役割」
胡家瑜(国立台湾大学前教授)
14:40 - 15:00 討論
◇コーディネーター 日高真吾(国立民族学博物館准教授)
第2部:大学・博物館から地域文化を考える
15:15 - 15:40 「地域の文化財保護における大学の役割―複合的な文化財情報の構築と活用のために」
渡辺智恵美(別府大学教授)
15:40 - 16:05 「歴史文化遺産ネットワーク事業から考える地域文化研究」
天野真志(国立歴史民俗博物館特任准教授)
16:05 - 16:55 「博物館による歴史学と地方史の再発見―国立台湾歴史博物館を事例として」
謝仕淵(国立台湾歴史博物館研究員)
16:55 - 17:15 討論
◇コーディネーター 川村清志(国立歴史民俗博物館准教授)
10月22日(日)
第3部 市民とともに考える地域文化
10:00 - 10:25 「『市民参加型』で地域を学ぶ~その背景、課題、可能性~」
加藤謙一(金沢美術工芸大学美術工芸研究所学芸員)
10:25 - 10:50 「多世代協業を通した地域文化の発見と継承~特別展『工芸継承』の活動から」
小谷竜介(東北歴史博物館学芸員)
10:50 - 11:40 「地域文化の再発見、地域社会の再構築―台湾の市民が主体となる文化活動の方法と意義」
黄貞燕(国立台北芸術大学助教授)
11:40 - 12:00 討論
◇コーディネーター 武知邦博(枚方市旧田中家鋳物民俗資料館学芸員)
第4部 大学教育から地域文化を見つめなおす
13:00 - 13:25 「竹田市宮城・城原地区における学生による民俗調査と祭礼参加」
段上達雄(別府大学教授)
13:25 - 13:50 「学生とともに行う旧真田山陸軍墓地和泉砂岩製墓石の強化処理」
伊達仁美(京都造形芸術大学教授)
13:50 - 14:40 「台湾の大学における民俗学教育と民俗調査の現状」
林承緯(国立台北芸術大学准教授)
14:40 - 15:00 討論
◇コーディネーター 政岡伸洋(東北学院大学教授)
15:00 - 15:15 休憩
第5部 学生・大学院生による地域文化の再発見
15:15 - 15:30 「竹田市宮城・城原地区における民俗調査報告会と現地調査」
伊藤幸希(別府大学)
15:30 - 15:45 「民俗調査から考える現代の農村―宮城県大崎市三本木新沼地区の場合―」
遠藤健悟(東北学院大学)
15:45 - 16:00 「旧真田山陸軍墓地による展示室の再構築」
森加奈子(京都造形芸術大学)
16:00 - 16:20 討論
◇コーディネーター 末森薫(関西大学国際文化財・文化研究センターポストドクトラルフェロー)
16:20 - 16:30 総括
日高真吾(国立民族学博物館准教授)

総合司会 寺村裕史(国立民族学博物館助教)