国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2018年12月15日(土) ~12月16日(日)
国際シンポジウム「客家エスニシティとグローバル現象――華僑華人の拡がりと現在」

  • 日 時:2018年12月15日(土)~12月16日(日)
  • 場 所:国立民族学博物館 第4セミナー室
  • 使用言語:中国語、日本語(同時通訳付)、部分的に客家語、英語
  • 一般公開(参加無料/申込不要[先着順])
  • お問い合わせ:国立民族学博物館 河合洋尚研究室
       〒565-8511  吹田市千里万博公園10-1
       TEL:06-6876-2151
       FAX:06-6878-7503
       global_hakka★idc.minpaku.ac.jp
       (★を@に置き換えてください)
 

◆ 関連講演会
講演会「台湾客家と日本客家」

 開催日:2018年12月14日(金)13:00 - 17:00
 場 所:国立民族学博物館 第4セミナー室
 一般公開(参加無料/申込不要[先着順])
 詳細情報はこちら

 

シンポジウムの趣旨

漢族の一集団である客家は、5000万人を超える人口を世界中に抱えるといわれており、その大半が中国大陸、香港、台湾、東南アジア諸国で暮らしている。そのため、これまでの客家研究は、これらの国/地域の客家をめぐる議論に集中してきた。だが、中南米、環インド洋、オセアニアの華僑華人社会において、客家が、広府人と並ぶ二大勢力となる傾向が強いことは、見逃すことができない事実である。本国際シンポジウムでは、これまで注目されることの少なかったアメリカ大陸、環インド洋、オセアニアの客家に焦点を当て、そのグローバルな展開と経験について報告する。それにより、客家と他集団の間のエスニック境界を改めて問い直すとともに、華僑華人研究の輪郭そのものを再検討する。 

 

プログラム

第1日目 12月15日(土)
9:40 - 10:00 開場
  総合司会:河合洋尚(国立民族学博物館准教授)
10:00 - 10:15 開幕挨拶
 吉田憲司(国立民族学博物館館長)
 何金樑(台湾客家文化発展センター主任)
10:15 - 10:20 趣旨説明:河合洋尚(国立民族学博物館准教授)
  基調講演
10:20 - 11:10 「客家と中華」
 ▷ 中国語:「客家与中華」
 渡邊欣雄(東京都立大学名誉教授)
11:10 - 12:00 「グローバル客家――言語・文化の世界的趨勢を考察する」
 ▷ 中国語:「全球客家語言文化發展趨勢之探討」
 張維安(台湾交通大学教授)
12:00 - 13:30 昼食
  第1セッション アメリカ大陸の客家
 司会兼コメンテーター:園田節子(兵庫県立大学教授)
13:30 - 13:45 「カナダ西海岸における華人移民組織とアイデンティティ――バンクーバー客属崇正会と黄氏宗族親会を例として」」
 ▷ 中国語:「加拿大西海岸華人移民組織与身分認同――以温哥華客属崇正会和江夏黄氏宗親会為例」
 マーク・Y・ウォン[黄韌](広西師範大学准教授)
13:45 - 14:00 「ジャマイカ華人の言語とガーサンにみる客家意識:越境と(非)継承、学習、創出」
 ▷ 中国語:「牙買加華人的語言与掛山儀式中的客家意識――跨越、(非)継承、学習、創造」
 柴田佳子(神戸大学教授)
14:00 - 14:15 「パナマの客家移民と文化発展」
 ▷ 中国語:「巴拿馬客家移民与文化発展」
 張翰璧(台湾中央大学教授)
 張容嘉(台湾中央大学ポストドクターフェロー)
14:15 - 14:30 「ペルーの客家に関する初歩的調査」【報告】
 ▷ 中国語:「秘魯客家的初歩考察」
 河合洋尚(国立民族学博物館准教授)
14:30 - 15:10 議論
15:10 - 15:30 ティー・ブレイク
  第2セッション 環インド洋の客家
 司会兼コメンテーター:横田祥子(滋賀県立大学助教)
15:30 - 15:45 「インド・カルカッタの華人――及び客家研究というテーマの考察」
 ▷ 中国語:「印度加爾各答華人与客家研究議題辨析」
 潘美玲(台湾交通大学教授)
15:45 - 16:00 「モーリシャスの客家社会」(原稿代読)
 ▷ 中国語:「毛里求斯的客家社会」
 夏遠鳴(嘉応大学助理研究員)
16:00 - 16:15 「レユニオンの客家と客家団体――モーリシャスとの比較調査」【報告】
 ▷ 中国語:「留尼旺客家人与毛里求斯的比較観察」
 林文映(香港客家文化研究会会長)
 李剣諸(『思想香港』デスク)
16:15 - 16:50 議論
第2日目 12月16日(日)
  第3セッション オセアニアの客家
 司会:アンナ・K・ケリー(カナダ・サスカトゥーン大学大学院)
 コメンテーター:マーク・Y・ウォン(広西師範大学准教授)
10:00 - 10:15 「オーストラリアの客家移民」
 ▷ 中国語:「澳州的客家移民」
 羅可群(広東外語外貿大学教授)
10:15 - 10:30 「ヌン族の華人の宗教施設に見るベトナムとオーストラリアの関係」
 ▷ 中国語:「従儂族華人的宗教設施看越南-澳洲之間関係」
 芹澤知広(奈良大学教授)
10:30 - 10:45 「華人と客家の間」
 ▷ 中国語:「在華人与客家之間」
 童元昭(台湾大学教授)
10:45 - 11:00 「フランス領ポリネシア客家のエスニック境界とアイデンティティの現地化」
 ▷ 中国語:「法属玻里尼西亜客家族群辺界与認同在地化」
 姜貞吟(台湾中央大学准教授)
11:00 - 11:15 「ニューカレドニアの客家に関する調査報告」【報告】
 ▷ 中国語:「大洋州新喀里多尼亜客家観察報告」
 張維安(台湾交通大学教授)
11:15 - 12:00 議論
12:00 - 13:00 昼食
  パネルⅠ「客家エスニシティの再構築――歴史人類学の視点から」
13:00 - 13:10 司会&趣旨説明:河合洋尚(国立民族学博物館准教授)
13:10 - 13:25 「客家文化としての土楼建築、閩南文化としての保生大帝」
 ▷ 中国語:「作為客家文化的土楼建築与作為閩南文化的保生大帝」
 小林宏至(山口大学准教授)
13:25 - 13:40 「汕尾における『客家』と『福佬』」
 ▷ 中国語:「汕尾的『客家』与『福佬』」
 稻澤努(尚絅学院大学准教授)
13:40 - 13:55 「雲南を目指した江西客家――客家を名乗らない客家語圏出身者」
 ▷ 中国語:「赴雲南的贛州客家――不被稱為客家的客語圈人」
 飯島典子(広島市立大学准教授)
13:55 - 14:10 「客家エスニシティの境界――潮汕地域と台湾南部の事例を中心に」
 ▷ 中国語:「客家族群的邊界――以潮汕地區與台灣南部的事例為中心」
 横田浩一(国立民族学博物館外来研究員)
14:10 - 14:25 「アイデンティティの流動と形成――台湾における『新客家』運動下の『新』客家人」
 ▷ 中国語:「認同的流動与形塑:台湾「新個客家人」運動下的「新」客家人」
 洪馨蘭(高雄師範大学准教授)
14:25 - 14:40 「『ンガイ人』か『客家』か?――ホーチミン市の欽廉客家による『打斎超度』儀式とエスニック・アイデンティティ」
 ▷ 中国語:「『艾人』还是『客家』?:胡志明市欽廉客家的打斎超度儀式与族群認同」
 呉雲霞(英ランカスター大学大学院)
14:40 - 15:10 議論
 ディスカッサント:
 羅烈師(台湾交通大学准教授)
 蔡静芬(マレーシア・サラワク大学准教授)
15:10 - 15:30 ティー・ブレイク
  パネルⅡ「グローバル客家研究から博物館展示への運用を語る」
 司会:賴郁晴(台湾客家文化発展センター科長)
    河合洋尚(国立民族学博物館准教授)
15:30 - 15:50 「グローバル客家研究から台湾客家文化館の展示運用を語る」
 ▷ 中国語:「従海外客家研究談台湾客家文化館的展示運用」
 邱秀英(台湾客家文化発展センター副研究員)
 徐国峰(台湾客家文化発展センター研究員)
15:50 - 16:10 「『日本客家と台湾客家』国際巡回展の構想」
 ▷ 中国語:「日本與臺灣客家國際巡迴展構思」
 洪登欽(台湾客家文化発展センター研究員)
 徐芳智(台湾客家文化発展センター研究員)
16:10 - 16:40 議論
 ディスカッサント(各3~5分):
 飯島典子(広島市立大学准教授)
 小林宏至(山口大学准教授)
 羅烈師(台湾交通大学准教授)
16:40 - 17:00 総括(閉幕の辞を兼ねて)
 渡邊欣雄(東京都立大学名誉教授)
 張維安(台湾交通大学教授)