• 開催日：2011年11月30日（水）～12月2日（金）
• 開催場所：国立民族学博物館2F　第4セミナー室

最優秀発表者の決定について

2011年11月30日から12月2日にかけて、今年度で3回目となる「みんぱく若手研究者奨励セミナー」を開催しました。「マテリアリティの人間学」をテーマにした今回のセミナーでは、本館教員による講演に続いて、受講者による研究発表が行なわれました。また、図書室・収蔵庫の見学など、本館の施設案内も合わせて実施しました。なお、「第3回　みんぱく若手セミナー賞」は、下記の方に授与しました。

【優秀発表者氏名】
　吉田ゆか子（筑波大学大学院博士課程）
【発表タイトル】
　「レプリカの仮面のゆくえ―バリ島天女の舞の事例から」
発表要旨［PDF:87KB］

開催趣旨

国立民族学博物館では、若手研究者による本研究機関の共同利用を促進するため、「みんぱく若手研究者奨励セミナー」を開催しています。平成２３年度のセミナーは、本館の機関研究「マテリアリティの人間学」に関連するテーマを募集しました。「マテリアリティの人間学」では、グローバル化が進む状況におけるモノと人との関係を人類学を核としつつ学際的に再検討し、新しい人間観を構築することを目指しています。またモノと人との関係を、産業化や都市化、越境化などの脈絡で問い直すとともに、その動態を歴史的な視点から究明することも目指しています。具体的には、モノの物神化、モノの収集と所有、科学技術と人間の関係などが主要な研究テーマとなります。本セミナーでは、現代において多様な形態をとりつつある人間とモノとの関係に対する新たなアプローチを模索します。

開催プログラム

11月30日（水）

12月1日（木）

セッション（1）　司会：相島葉月（国立民族学博物館・機関研究員）
10：00～12：15	丹羽朋子（東京大学・博士課程） 「剪紙は女の心の歌―形象化を支える物質性と時間」 発表要旨［PDF:107KB］ 新本万里子（広島大学・研究員） 「生理用品と女性の身体―パプアニューギニアにおける月経期間の過ごし方から」 発表要旨［PDF:72KB］ 吉田ゆか子（筑波大学・博士課程） 「レプリカの仮面のゆくえ―バリ島天女の舞の事例から」 発表要旨［PDF:87KB］
セッション（2）　司会：藤本透子（国立民族学博物館・機関研究員）
13：15～14：45	和気尚美（筑波大学・博士課程） 「移民の統合をめぐる社会空間としての公共図書館―デンマークに滞在するムスリム移民を対象とし」 発表要旨［PDF:79KB］ 上杉健志（McGill大学・博士課程） 「オレンジ剤と毒」 発表要旨［PDF:60KB］
セッション（3）　司会：河合洋尚（国立民族学博物館・機関研究員）
15：00～17：15	土井清美（東京大学・博士課程） 「サンティアゴ徒歩巡礼にみる身体移動・記憶・ランドマーク―「文化遺産」とツーリズムをめぐる議論に向けて」 発表要旨［PDF:49KB］ 越智郁乃（広島大学・特別研究員） 「墓のエージェンシーに照射される死生観―現代沖縄都市部における墓を事例に」 発表要旨［PDF:93KB］ 中村真里絵（国立民族学博物館・外来研究員） 「土器がつくる地域社会―タイ東北部ダーン・クゥイアンの事例から」 発表要旨［PDF:87KB］ 懇親会

12月2日（金）

セッション（4）　司会：司会：小川さやか（国立民族学博物館・機関研究員）
10：00～12：15	陳景揚 「日本における「民芸」消費者のモノとの関わりに関する人類学的研究―欧米の「DIY」消費者との比較対照から」 発表要旨［PDF:85KB］ 生駒美樹（東京外国語大学・博士課程） 「変化する茶のマテリアリティ―ミャンマー、シャン州ナムサン郡の茶生産、流通を事例として」 発表要旨［PDF:93KB］ 齋藤理恵（早稲田大学・博士課程） 「ビデオを巡る映像人類学の探究」 発表要旨［PDF:107KB］
13：15～14：45	総合討論　司会：信田敏宏（国立民族学博物館・准教授）
14：45～16：45	みんぱく施設見学およびアンケート記入
16：45～17：30	講評・表彰・閉会挨拶