国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

スタッフの紹介

石原和
石原和ISHIHARA Yamato
人類基礎理論研究部・プロジェクト研究員
専門分野
  • 日本史学、宗教学、思想史学
各個研究
  • 近世近代移行期における新宗教の登場と民間宗教者・信仰者
個人ホームページ https://researchmap.jp/yamatoishihara/

略歴

  • 2012年3月 立命館大学大学院 文学研究科 人文学専攻日本史学専修博士前期課程 修了
  • 2014年4月 - 2016年3月 日本学術振興会特別研究員 DC2
  • 2017年9月 立命館大学大学院 文学研究科 人文学専攻日本史学専修博士後期課程 修了・博士学位取得
  • 2017年4月 - 現在 国立民族学博物館 人類基礎理論研究部 プロジェクト研究員
  • 2018年4月 - 現在 立命館大学 非常勤講師

専門分野

近世~近代の宗教史・思想史を研究しています。
○近世民衆宗教と近世後期の宗教パラダイム
・民衆宗教の思想と展開を他の宗教や社会の動向を関わらせながら論じていくことを通じて、19世紀の宗教動向のダイナミズム読み解いていくことを課題としています。
・特に、思想史の視点から救済論に注目し、身体と心がその中でどう論じられているかを分析することで、近世後期~近代にかけての救済パラダイムを描こうとしています。
・具体的な研究対象としては、如来教、浄土真宗の異安心、秋葉信仰、作善思想です。
・絵解きや祖師伝、寺社縁起を材料に、近世中後期における縁起知の伝播から民衆宗教の展開を捉え直す研究を進めています。

○近代宗教者の活動からみる新宗教研究の再検討
・月見里神社と稲荷講社(静岡市清水区)、出口王仁三郎と霊学会を中心に、近代の在地・民間神道家の宗教活動に関する研究を進めています。
・近代の宗教者たちがさまざまな教団、講社、宗教組織を越境しながら活動したことに注目し、流動的な宗教者のあり方、信仰のあり方を明らかにしようとしています。
・そうした宗教者、信仰のあり方の先に新宗教の登場とその歴史的意義を再考しようとしています。

○その他
・福島・奥会津での調査を踏まえた、近世中後期における『神道五部書』の伝播、『大般若経』の勧進についても研究しています。

研究のキーワード

民衆宗教、如来教、真宗異安心、民間信仰、救済パラダイム、宗教者、稲荷講社、大本教、近代宗教政策

現在の研究課題

近代宗教者の活動からみる新宗教研究の再検討

所属学会

日本歴史学会, 日本史研究会, 「宗教と社会」学会, 日本思想史学会, 日本宗教学会

主要業績

石原 和「一八〇〇年前後における救済論の質的転回―三業惑乱、尾州五人男、如来教から」『季刊日本思想史83 時代区分と思想史』2019年6月, pp. 103-123

石原 和「一九二〇年代後半における「如来教」の”創出”―石橋智信の研究から」(桂島宣弘編『東アジア遭遇する知と日本』文理閣, 2019年5月, pp. 280-297 ISBN:9784892598432)

石原 和「民衆宗教」『日本宗教史のキーワード 近代主義を超えて』慶應義塾大学出版会, 2018年8月, pp. 229-235 ISBN: 9784766425352)

石原和「民衆宗教世界の形成過程―如来教の秋葉信仰との対峙をめぐって」『日本思想史学』 49, 2017年9月, pp.113-131

石原和「文政地震と如来教―“その時”に向き合う説教―」『日本思想史研究会会報』33, 2017年3月, pp.96-114

石原和「「渇仰の貴賎」の信仰としての如来教 ―1800年前後宗教社会から救済言説を読み直す―」『宗教研究』 89-3(384), 2015年12月, pp.25-50

館外活動(大学教育、社会活動等)

非常勤講師
  • 立命館大学 2018年度から現在
  • 大阪大学 2019年度

代表者を務めた研究・プロジェクト

  • 近世仏教と民衆宗教の救済ネットワークに関する研究 日本学術振興会: 特別研究員奨励費 研究期間: 2014年4月 - 2016年3月 代表者: 石原和

経歴詳細

学歴
  • 2011年3月 立命館大学 文学部 人文学科日本史学専攻 卒業
  • 立命館大学大学院 文学研究科 人文学専攻日本史学専修博士前期課程 修了
  • 立命館大学大学院 文学研究科 人文学専攻日本史学専修博士後期課程 修了・博士学位取得
職歴
  • 2014年4月 - 2016年3月 日本学術振興会特別研究員 DC2
  • 2017年4月 - 現在 国立民族学博物館 人類基礎理論研究部 プロジェクト研究員
  • 2018年4月 - 現在 立命館大学 非常勤講師
学位
  • 文学修士(歴史学・立命館大学 2012)
  • 文学博士(歴史学・立命館大学 2017)
研究詳細

近世~近代の宗教史・思想史を研究しています。
○近世民衆宗教と近世後期の宗教パラダイム
・民衆宗教の思想と展開を他の宗教や社会の動向を関わらせながら論じていくことを通じて、19世紀の宗教動向のダイナミズム読み解いていくことを課題としています。
・特に、思想史の視点から救済論に注目し、身体と心がその中でどう論じられているかを分析することで、近世後期~近代にかけての救済パラダイムを描こうとしています。
・具体的な研究対象としては、如来教、浄土真宗の異安心、秋葉信仰、作善思想です。
・絵解きや祖師伝、寺社縁起を材料に、近世中後期における縁起知の伝播から民衆宗教の展開を捉え直す研究を進めています。

○近代宗教者の活動からみる新宗教研究の再検討
・月見里神社と稲荷講社(静岡市清水区)、出口王仁三郎と霊学会を中心に、近代の在地・民間神道家の宗教活動に関する研究を進めています。
・近代の宗教者たちがさまざまな教団、講社、宗教組織を越境しながら活動したことに注目し、流動的な宗教者のあり方、信仰のあり方を明らかにしようとしています。
・そうした宗教者、信仰のあり方の先に新宗教の登場とその歴史的意義を再考しようとしています。

○その他
・福島・奥会津での調査を踏まえた、近世中後期における『神道五部書』の伝播、『大般若経』の勧進についても研究しています。

業績詳細

論文
2019
一八〇〇年前後における救済論の質的転回―三業惑乱、尾州五人男、如来教から 季刊日本思想史83 時代区分と思想史 83 103-123 2019年6月
2019
一九二〇年代後半における「如来教」の”創出”―石橋智信の研究から 桂島宣弘編『東アジア遭遇する知と日本』文理閣 2019年5月 ISBN:9784892598432
2018
民衆宗教 『日本宗教史のキーワード 近代主義を超えて』慶應義塾大学出版会 2018年8月 ISBN:9784766425352
2018
南照寺の大般若経勧進とその経過 『修験南照寺聖教典籍文書・川島家文書書籍目録』南会津町教育委員会 2018年7月
2017
一八〇〇年前後の宗教社会と民衆宗教の展開―名古屋城下の如来教を中心に 立命館大学提出博士論文 2017年9月
2017
民衆宗教世界の形成過程―如来教の秋葉信仰との対峙をめぐって 『日本思想史学』 (49) 113-131 2017年9月
2017
文政地震と如来教―“その時”に向き合う説教― 『日本思想史研究会会報』 33 96-114 2017年3月
2016
只見本『神道五部書』の書写と考証の過程 『只見文化財調査報告書第21集 医家原田家書籍目録』福島県只見町教育委員会 2016年3月
2015
「渇仰の貴賎」の信仰としての如来教 ―1800年前後宗教社会から救済言説を読み直す― 『宗教研究』 89-3(384) 25-50 2015年12月
2014
1800年前后的异安心事件与民众宗教―救济的渴求与净土真宗 張憲生編『近世东亚历史与思想的地平线』中国曁南大学出版社 2014年7月
2013
1800年前後の宗教社会の胎動 ―三業惑乱と名古屋城下の異安心事件を例にして― 『東アジアと日本学』厦门大学外文学院日语系, 厦门大学日本语教育研究中心 编 2013年8月
2012
名古屋城下における如来教信仰 : 一八〇〇年前後宗教社会の中の民衆宗教 日本思想史研究会会報 (29) 66-82 2012年12月
2012
名古屋城下における如来教信仰―19世紀前後宗教社会の動揺 立命館大学 2012年3月
2012
名古屋城下における如来教信仰―仏教と如来教、そして「いかに救われるか」という問い― 次世代人文社會研究 (8) 73-92 2012年3月
書評・エッセイなど
2019
書評:鵜飼秀徳『仏教抹殺ーなぜ明治維新は寺院を破壊したのか』 『京都民報』2019年3月31日号 (2878) 5-5 2019年3月
2018
書評:神田秀雄著『如来教の成立・展開と史的基盤』 『宗教研究』 92(3) 91-97 2018年12月
2018
神仏分離から「国家神道」へ 「京都民報」2018年9月2日号 5-5 2018年9月
2018
民衆宗教の世界観を歩く 月刊みんぱく 42(6) 10-11 2018年6月
2018
大阪大学URAインターンシップ参加記 URA MAIL MAGAZINE (54) 2018年3月
2018
書評:川村邦光『出口なお・王仁三郎-世界を水晶の世に致すぞよ』 日本思想史研究会会報 (34) 66-74 2018年3月
2018
近代教団と対峙する如来教―如来教機関紙『このたび』から 宗教研究 91(別冊) 110-111 2018年3月
2016
中国ハルピン歴史文化探訪旅行記 松本智也、石運、張琳と共著 『東アジアの思想と文化』 (8) 192-196 2016年12月
2016
地域の信仰集団と如来教(第十二部会,研究報告,<特集>第74回学術大会紀要) 宗教研究 89(別冊) 388-389 2016年3月
2016
私たち(日韓)はお互いにどう向き合うか 金旭、延京心、Ten Veniamin、新里喜宣、金律里と共著 次世代人文社會研究 (12) 261-279 2016年3月
2015
「渇仰の貴賤」の時代と如来教(第一部会,<特集>第73回学術大会紀要) 宗教研究. 別冊 88(別冊) 169-170 2015年3月
2013
「影の権力者」の近世史―井上智勝『吉田神道の四百年 神と葵の近世史』を読む― 東アジアの思想と文化 5 250-254 2013年7月
講演・口頭発表等
2019
稲荷講社と出口王仁三郎―講社所管教会という視点から― 日本宗教学会 2019年9月15日 日本宗教学会
2019
1800年前後の救済論の展開―「身」「心」をめぐって 宗教史懇話会サマーセミナー 2019年8月26日 宗教史懇話会
2019
明治中期の宗教政策下における講社所管団体 ―稲荷講社所管霊学会をめぐって― 2019東アジア次世代フォーラム 2019年2月12日
2018
長澤雄楯と稲荷講社―月見里神社史料からみる活動認可過程と社会的意義― 日本思想史研究会 2018年11月6日
2018
月見里神社史料に見る長澤雄楯と稲荷講社 科研「日本新宗教史像の再構築」公開講演会 「鎮魂帰神法と大本教、再考:新発見の資料に基づいて」 2018年8月26日
2018
月見里神社史料に見る長澤雄楯と稲荷講社 日本新宗教史像の再構築 2018年7月21日
2018
如来教の「近代教団」化 -石橋智信の研究から- 幕末明治研究会 2018年6月23日
2017
如来教説教の想像力としての近世親鸞伝 日本思想史学会 2017年10月28日
2017
近代教団と対峙する如来教 ―如来教機関紙『このたび』から― 日本宗教学会 2017年9月17日
2017
近世宗教の多領域活動の中の如来教 ―如来教説教と近世親鸞伝― 西郊民俗談話会 2017年8月20日
2017
如来教にみる宗教知の連鎖 ―常陸国枕石寺蔵「高祖親鸞聖人御枕石」縁起を題材に― 日韓次世代フォーラム 2017年7月1日
2017
近世仏教から近世(思想)史像を捉え返す―大桑斉「仏教的世界としての近世」を読む― 日本思想史研究会 2017年5月18日
2017
近世後期の村落社会における『大般若経』購入と勧進 ――南会津南照寺の事例から 中日韓若手研究者学術交流シンポジウム ――新しい学際的研究のために―― 2017年3月3日
2017
福島県奥会津地方における『神道五部書』の流通 2017京都・ソウル・台北 東アジア次世代フォーラム 2017年2月15日
2016
宗教環境から民衆宗教の展開を考える―1800年前後名古屋城下の秋葉信仰と如来教を事例として 神戸女学院大学比較文化学専攻主催講演会 2016年11月25日 神戸女学院大学大学院文学研究科
2016
文政地震と如来教-“その時”に向かい合う説教、そして予言がはずれるとき- 日本思想史研究会 2016年10月13日
2016
近世社会・如来教から安丸良夫『出口なお』を相対化する 日本宗教史像の再構築 2016年7月30日
2016
1800年前後の宗教社会と如来教 東アジア思想文化研究会 2016年7月23日
2016
民衆宗教の形成過程―秋葉信仰と対峙する如来教― 東ASIA宗教研究FORUM 2016年2月20日
2016
如来教世界の形成過程―秋葉信仰に直面して― 2016 ソウル・京都 東アジア次世代国際学術大会 2016年2月18日
2015
対峙する宗教を取り込むこと:信仰集団と世界観から  “全球化時代的日語教育・日本学研究”2016年曁南大学国際学術検討会 2015年12月26日
2015
拡大する秋葉信仰、対峙する如来教 -民衆宗教の世界観形成過程を明らかにする試み- 日本思想史研究会 2015年10月15日
2015
地域の信仰集団と如来教 -拡大する秋葉信仰と如来教の世界観- 日本宗教学会 2015年9月5日
2015
私たち(日韓)はお互いにどう向き合うか 日韓次世代フォーラム 2015年8月22日
2015
「如来教」として語ること-石橋智信とこのたび- 韓國日本學會(KAJA) 2015年2月7日
2015
石橋智信と如来教 ―如来教研究における石橋の役割を考える前段階として― 2015 ソウル・京都 東アジア次世代国際学術大会 2015年1月24日
2014
発題「社会の動向・信仰の受容者から民衆宗教の意義を模索する試み」 金光教教学研究所原典ゼミ 2014年12月3日
2014
「渇仰の貴賎」の信仰・意識と如来教―信仰の「場」から読みなおす救済思想― 「近世の宗教と社会」研究会 2014年11月2日
2014
「渇仰の貴賎」からみる如来教 日本思想史学会 2014年10月26日
2014
「渇仰の貴賎」―1800年前後に生きる人々の群像 2014年度日本文学年会暨日本语教育 日本研究国际学术研讨会 2014年8月21日
2014
村上重良と「民衆宗教」「新宗教」 日本思想史研究会 2014年6月19日
2013
民衆宗教・仏教と安心(あんじん)の1800年前後宗教社会 立命館大学ライスボールセミナー 2013年12月3日
2013
如来教と文政大地震 ―宗教の地震説教から見る民衆の宗教世界観― 韓国日本近代学会 2013年10月26日
2013
如来教と文政大地震 ―1800年前後の宗教社会に関する一考察― 第10回 日韓次世代学術フォーラム国際学術大会 2013年6月29日
2013
学僧浄明の教化と如来教 南開大学日本研究院次世代学術フォーラム「トランスナショナルな東アジアの探求へ」 2013年3月2日
2012
一八〇〇年前後における他力/自力・信/不信の境界をめぐって ― 学僧浄明の教化と如来教 ―  立命館史学会 2012年12月8日
2012
自力の問題化と一八〇〇年 ―民衆宗教と既存宗教を考えるテーマとして― 東西日本学研究会 2012年10月11日
2012
安心への希求と一八〇〇年前後の宗教社会 ―浄土真宗の異安心、如来教― 東西大学校 立命館大学 共同研究会 2012年7月31日
2012
1800年前後の宗教胎動―日本と中国の説教空間に注目して― 厦門大学「東アジアと日本学」国際シンポジウム 2012年7月4日
2012
1800年前後東アジアのパラレルな宗教運動―「聖典」読みかえの作業に注目して― 台湾大学文学院・立命館大学文学部学術交流「シンポジウムトランスナショナルな文化交流 東アジア文化交流についての学際的研究」 2012年3月22日
2011
名古屋城下における如来教信仰―19世紀の人々と信仰の共鳴― 日本思想史研究会 2011年11月19日
2011
19世紀名古屋城下の宗教と如来教 韓國日本近代学会 2011年11月15日
2011
本因妙講と文政度尾張法難―仏教の担い手としての信者集団― 日本思想史研究会 2011年9月15日
2011
名古屋城下の人々をつなぐ~名古屋城下の如来教信仰を通して~ 日本史研究会 2011年6月8日