国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

スタッフの紹介

金子正徳
金子正徳KANEKO Masanori
****・機関研究員
専門分野
  • 文化人類学
各個研究
個人ホームページ

[写真]パンチャ・ハジ(pancah haji)と呼ばれる、大規模な婚姻儀礼の際に必要とされる構造物

経歴

学歴
  • 三重大学人文学部文化学科卒業(1994.3)
  • 南山大学文学部研修生(1994.4-1995.3)
  • 金沢大学大学院文学研究科入学(1995.4)
  • 金沢大学大学院文学研究科修了(1997.3)
  • 金沢大学大学院社会環境科学研究科国際社会環境学専攻入学(1997.4)
  • インドネシア大学にて語学留学および調査(1998-2000)
  • 金沢大学大学院社会環境科学研究科国際社会環境学専攻修了(2004.3)
  • 金沢大学大学院社会環境科学研究科客員研究員(2004.4-2006.3)
職歴
  • 石川県立総合看護学校非常勤講師(文化人類学)(2001-)
  • 国立民族学博物館機関研究員(2006.3-)
  • 三重大学人文学部・社会調査実習指導非常勤講師(2006)

学位

博士(文学)
学位論文:「インドネシア新秩序体制下のランプンにおける慣習・「文化」・国家-プビアン社会の事例を中心として」

専門分野

文化人類学

研究のキーワード

島嶼部東南アジア、インドネシア共和国、スマトラ島(インドネシア)、ランプン(インドネシア)、プビアン(インドネシア)、ランプン人、プビアン人、トランスミグラシ移民、文化人類学、社会文化変化、儀礼、アダット(慣習)、ジャワニザシ、ランプン語、ランプン文字

研究課題

インドネシア・ランプン州プビアン社会における社会文化変化

現在の研究上の関心

私が調査対象地域としているランプンは現在もなお、社会科学分野の研究が大変少ない地域であり、現地調査にもとづく基礎研究の充実が必要であるため、これを目下の研究課題としています。これとともに、プビアン人などランプン先住の諸エスニック集団を総称する意味でのランプン人と、さまざまな出自を持ち一枚岩ではないジャワ人たちを主として成り立つ移住者たちとの社会文化的な関係や、ランプン人内部での階層、世代、ジェンダーなどの差異にみられる葛藤や相克、また、政治色を強めている文化集団の現在など、私自身がいまだ十分に踏み込めていない主題をめぐる調査分析を、スハルト元大統領辞任以後に訪れたインドネシアにおける民主化と地方分権の文脈の中でおこなっていくことが今後の研究課題です。

所属学会

日本文化人類学会、日本オセアニア学会、東南アジア学会

研究業績

学術論文
2008
「婚姻に見る民族集団間関係とアダット(慣習)―インドネシア・ランプン州プビアン人社会の事例から ―」、『国立民族学博物館研究報告』、32巻3号、 pp.505-524
2007
「アダット(慣習)とクブダヤアン(文化): インドネシア・ランプン州プビアン人社会における婚姻儀礼の事例を中心とし て」、『文化人類学』、72巻1号、1-20 pp (2007年 2月8日付採択)
2003
「インドネシア・ランプンにおける社会変容:プビアン社会の事例を中心として」『社会環境研究(金沢大学大学院社会環境科学研究科)』第8号、pp.51-60
2002
「インドネシア新秩序体制下における「地方」の創造:言語・文化政策とランプン州の地方語教育」『東南アジア研究(京都大学東南アジア研究所)』40巻2号、pp.141-165
2002
「慣習社会の変化と国家:インドネシア・ランプン州のプビアン社会の事例を中心として」『社会環境研究(金沢大学大学院社会環境科学研究科)』第7号、pp.95-106
調査実習報告書
1999
「地頭町の地区組織」『地頭町(調査実習報告書)』金沢大学文化人類学研究室、pp.13-24
1996
「深田町における葬儀について」『加賀市橋立地区:黒崎町と深田町(調査実習報告書)』金沢大学文化人類学研究室、pp.89-95
口頭発表
2008
「現代インドネシアにおける食の変化:伝統的発酵食品タペ(tape/tapai)の事例から」 アサヒビール学術振興財団(平成19年度生活文化部門研究助成)研究成果報告会(2008.10)
2008
「伝統的な食品生産・流通と都市の市場(いちば)について―インドネシア・ランプン州における発酵食品タペの事例から―」第42回日本文化人類学会研究大会(2008.5)
2007
「婚姻とエスニシティ:インドネシア・ランプン州プビアン人社会の事例から」第41回日本文化人類学会研究大会(2007.6)
2006
「多エスニック状況とアダット:インドネシア・プビアン人社会における婚姻をめぐる事例から」三重大学・多文化共存研究センター公開セミナー(2006.11)
2006
「アダットについて:婚姻をめぐる諸事例を中心に」第196回民博研究懇談会(国立民族学博物館)(2006.9.27)
2006
「知識人と実践者: インドネシア・ランプン州プビアン社会における婚姻儀礼の事例を中心として」たこけん(杉本良男教授中心の研究会)(国立民族学博物館)(2006.7.8)
2003
「ランプンにおける人びとの暮らしと1960年代以降の変化」あじあ民間交流ぐるーぷ大阪支部第32回セミナー講演(2003.9)
2002
「「力」の取り出し方:プビアン社会における婚姻儀礼の事例から」第36回日本民族学会研究大会(2002.6)
2000
「インドネシア・ランプン州における地方語教育と言語・文化政策」第74回北陸人類学研究会(2000.12)
1997
「エスニックアイデンティティの形成と変容」第60回北陸人類学研究会(1997.2)