国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

スタッフの紹介

三田牧
三田牧MITA Maki
****・機関研究員
専門分野
  • 文化人類学
各個研究
個人ホームページ

[写真]パラオのおばさんたちとともに。左端が私。

経歴

学歴
  • 京都大学教育学部卒業(1995年)
  • 京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程入学(1995年)
  • 同上修了(1997年)
  • 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程入学(1997年)
  • 同課程所定の研究指導認定退学(2002年)
  • 学位 博士(人間・環境学)取得(課程博士)(2006年)
職歴
  • 日本学術振興会特別研究員(DC2)(1998年-2000年)
  • 京都文教大学教務部教務課 文化人類学科教務補佐員(2002年-2004年)
  • 関西大学文学部非常勤講師(文化人類学)(2003年-2004年)
  • Belau National Museum(ベラウ国立博物館)客員研究員採用(2004年―2007年)
  • 国立民族学博物館 機関研究員(2007年-)

学位

博士(人間・環境学) [京都大学2006年]

専門分野

文化人類学

研究のキーワード

  • 沖縄研究:糸満漁民、漁撈文化、魚食文化、海(魚)を読む知識
  • パラオ研究:パラオ、日本統治時代、個人史、植民地教育、文化継承

現在の研究課題

日本統治下パラオにおける植民地教育の影響と伝統文化の継承

現在の研究上の関心

私は沖縄とパラオをフィールドにこれまで研究を行ってきました。両者ともかつて日本による支配や統治を受け、日本から強い影響を受けてきました。しかし現在は沖縄もパラオも「癒しの島」や「ダイビングのメッカ」としてもてはやされる一方で、その歴史は大和人(沖縄以外の日本人)あるいは日本人にあまり意識されていません。この欠落を埋めるべく、日本統治時代を経験したパラオ人のお年寄りの個人史を聞き集め、彼らの目から見た日本統治時代がどのようなものだったか、また日本統治下において彼らの価値観や生活文化はどのような影響を受けたかについて明らかにしようとしています。沖縄ではこれまで漁撈民の生活文化について研究してきましたが、今後、沖縄の南洋移民についての研究に着手しようと計画しています。

所属学会

日本文化人類学会、日本民俗学会、沖縄文化協会、沖縄民俗学会

研究業績

学位論文

三田(川端)牧
「糸満における海と魚の民族誌―ウミンチューとアンマーの自然を読む知識」

学術論文
2008
三田牧「想起される植民地経験 -「島民」と「皇民」をめぐるパラオ人の語り」『国立民族学博物館研究報告』33(1):81-133。
2006
三田牧「漁師はいかに海を読み、漁場を拓くか―沖縄県糸満における海の埋め立てと漁場利用の変遷」『エコソフィア』18:81頁‐94頁(2006.11)。
2004
三田牧「糸満漁師、海を読む―生活の文脈における「人々の知識」」『民族學研究』68(4):465頁‐486頁(2004.3)。
1999
川端牧(旧姓で発表)「糸満の魚名を考える―知識の個人差と専門化という視点から」『沖縄文化』35(1):77頁‐96頁(1999.10)。
1999
川端牧(旧姓で発表)「民俗知識で彩られる魚―沖縄県糸満の女性による魚販売の事例から」『エコソフィア』2:87頁‐101頁(1998.11)。
著書(分担執筆)
2009
「対話する文化人類学-ベラウ国立博物館における展示作成の体験から」李仁子・金谷美和編『自己言及的民族誌の可能性』(東北アジア研究センター叢書第34号)pp. 10-35、東北大学東北アジア研究センター。
2008
「私とフィールド、そして文化人類学」李仁子・金谷美和・佐藤知久編『はじまりとしてのフィールドワーク-自分がひらく、世界がかわる』pp.251-264、昭和堂。
2003
三田牧「「食べるための漁」から「売るための漁」へ」『パラオ共和国―過去と現在そして21世紀へ』須藤健一(監修)、おりじん書房、515頁‐540頁(2003.4)。
研究ノート
2007
三田牧「糸満漁師たちの「天気を読む」知識―体験に裏付けられたものとして知識を記述する試み」『日本民俗学』250:86頁‐104頁(2007.5)。
博物館展示解説冊子
2005
Maki Mita and Takashi Mita, Exhibit of History and Culture during Japanese Administration Period, Belau National Museum and Embassy of Japan in the Republic of Palau(2005.9).
2005
Maki Mita, Experiences of Palauan Students during Japanese Administration Period: From the Interviews of 12 Palauan Elders, Belau National Museum and Embassy of Japan in the Republic of Palau(2005.9).
2003
三田 牧(分担執筆) 「アンマーに学ぶ魚の知識」『糸満漁民の展開と港川―海人の歴史と文化』具志頭村立歴史民俗資料館(編)、具志頭村立歴史民俗資料館(発行)、74-77頁(2003.9)。
新聞記事
2008
「核と戦ったパラオの女性伝統首長」『月刊みんぱく』4月号:15。
2008
「サンゴを調べる」『月刊みんぱく』9月号:7。
2003
三田牧「南洋に生きる‐体験者が語る植民地時代」『琉球新報』(2003.8.12,13,15)。
1998
川端牧(旧姓で発表)「アンマーの魚売り‐糸満の魚の価値世界を考える」『沖縄タイムス』(1998.2.24,25)。
雑誌記事
2008
「核と戦ったパラオの女性伝統首長」『月刊みんぱく』4月号:15。
2008
「サンゴを調べる」『月刊みんぱく』9月号:7。
2003
三田牧「海の知識と資源保全 ―「土着の知識」の解釈をめぐって」『Arctic Circle』47:4-9頁(2003.7)。
コラム
2005
三田牧「魚売りと女性の自律的生活」田中雅一、中谷文美(編)『ジェンダーで学ぶ文化人類学』世界思想社、74頁‐75頁(2005.1)。
2005
三田牧「海人の拝み‐糸満の浜で聞いた不思議な話」『エコソフィア』16:40頁‐41頁(2005.11)。
1997
川端牧(旧姓で発表)「民俗知識で彩られる魚―沖縄県糸満の伝統的魚販売に見られる価値世界」『人・環フォーラム』3:54-55頁(1997.9)。
口頭発表
2008
「対話する文化人類学―パラオにおける博物館展示制作の体験から」(分科会発表)、日本文化人類学会第42回研究大会、京都大学。 (2008.6.1)
2008
「順応的な(?)植民地経験―日本統治下パラオにおける公学校教育と子どもたち」日本文化人類学会第42回研究大会、京都大学。(2008.5.31)
2002
「糸満漁師、海を読む-知識の保有者の論理と『土着の知識』」京都人類学研究会月例会、於京大会館(2002.6.17)。
2000
「海洋資源の乱獲を乗り越える自然知―沖縄県糸満市におけるソコハエナワ漁の事例から」日本民族学会第34回研究大会、於一橋大学(2000.5.20)。
1999
「海洋環境の変化と海人の適応―沖縄県糸満のアンブシサーの事例から」日本民族学会第33回研究大会、於東京都立大学(1999.5.30)。
1998
「糸満の魚名考」沖縄民俗学会年会、於沖縄県立芸術大学(1998.5.30)。
1998
「糸満アンマーの魚世界―知識の社会的配分と専門化について」沖縄文化協会平成9年度公開研究発表会、於沖縄県立芸術大学(1998.2.22)。
1997
「価値を生み出す民俗知識―沖縄県糸満の魚売りの事例から」第31回日本民族学会研究大会、於国立民族学博物館(1997.5.22)。