国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。
受賞年度
2016年度
受賞者
本文
小長谷有紀教授「第3回ゆとろぎ賞」受賞
2016年10月12日掲載

この度、小長谷有紀・人間文化研究機構理事・国立民族学博物館併任教授が片倉もとこ記念沙漠文化財団第3回ゆとろぎ賞を受賞いたしました。
なお、授賞式は2016年11月3日(木・祝)に紀尾井フォーラム(東京)で挙行されます。
  • 受賞者:小長谷有紀(人間文化研究機構理事/国立民族学博物館併任教授)
  • 片倉もとこ記念沙漠文化財団ホームページ: http://moko-f.com

講評:
小長谷有紀氏は、1979年に日本人女性として初めてモンゴルに留学して以来、現地調査によるモンゴル遊牧民の生活文化の研究に多年にわたり精力的に取り組まれた。家畜管理技術と儀礼の民族誌的記述とそれに基づく精緻な論考を深化させると同時に、20世紀の社会主義社会に生きた人びとの貴重な証言を現地語で記録するなど、移動文化に関する文化人類学的研究の発展に多大な貢献をされた。やわらかな語り口のエッセイや斬新なアイデアによる展示活動に見られる卓越した表現力においても審査委員会は同氏を高く評価し、第3回ゆとろぎ賞授与を決定した。

 

ゆとろぎ賞:
アラビア語に「ラーハ」という言葉があります。これは、「ゆとり」や「くつろぎ」を意味する言葉で、片倉もとこはこれを「ゆとろぎ」と訳していました。「ゆとり」に「くつろぎ」をたして「りくつ」をぬく、つまり「ゆとろぎ」です。理屈を抜きにして沙漠の生を慈しんでいた彼女らしい言葉です。当財団は、彼女の愛した言葉「ゆとろぎ」を冠した賞を設けました。沙漠を研究の原点としていた片倉もとこの遺志を継ぎ、沙漠文化に関する調査研究や芸術文化活動に取り組む人々を支援します。(片倉もとこ記念沙漠文化財団ホームページより)