○ 「ラルフ・チカト・ホンダ優秀奨学生賞（The Ralph Chikato Honda Distinguished Scholar Award）」について
天皇・皇后両陛下のご成婚を祝し、日本とハワイの友好を祈念してハワイで設立された皇太子奨学金財団（Crown Prince Akihito Scholarship Foundation）の設立50周年を祝し、これまでに奨学金を受けた者のなかから、生涯のキャリアを通し、皇太子明仁親王奨学生の理想と責務を実行し模範となった日本と米国の学術研究者それぞれ1名ずつに贈られる賞である。 学術上の傑出した業績、人格、研究者間での評価、日本とハワイの交流への貢献、といった一連の基準に照らして審査される。

○ 受賞理由
オセアニア諸語の文法構造の比較、それにもとづくフィジー諸島やポリネシア諸島などに暮らす人々の祖先の言語の再建における先駆的研究、および、ことばを通したオセアニア先史研究で、根栽植物の一種であるミズズイキの太平洋地域での栽培化の伝搬経路を明らかにするなど、国際的に認められた研究業績がある。 また、オーストラリア、オランダ、日本で研究活動に従事する傍ら教鞭をとり、学術論文や一般向けエッセイなどを多数執筆、その他子供たちを対象にした講演などを通して、ハワイおよび太平洋地域の社会・文化的背景の理解を深める活動を行ってきた。

• 授賞日：平成21年7月15日
• 受賞者：菊澤律子（国立民族学博物館先端人類科学研究部准教授）