○ 「大同生命地域研究奨励賞」について
人文科学、社会科学あるいは自然科学のいずれの分野を問わず、発展途上地域または周辺・辺境地域における人間の営みについて、地域に密着した実証的手法により解明を試みる学術的研究において、新しい展開を試みた研究者のなかから毎年度2名に贈られる賞である。

○ 受賞理由
中国内蒙古自治区とモンゴル国における遊牧民をおもな研究対象とし、技術と儀礼の両側面に注目して生活世界を多面的に分析・理解しようとする研究は、調査対象とされた現地の人びとから高い評価を受けただけでなく、地域研究に新しい視座を提供した。 なかでも、人と動物を含む自然全般との関係が急激に変化した近現代について、口述史を通じて明らかにする研究は類例がなく、独自の地歩を築いて日本におけるモンゴル研究の国際的価値を高めてきた。

• 授賞日：平成21年7月17日
• 受賞者：小長谷有紀教授（国立民族学博物館民族社会研究部教授）