国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。
受賞年度
2011年度
受賞者
本文
西尾哲夫教授「第28回田邉尚雄賞」受賞
2011年8月3日掲載

この度、国立民族学博物館の共同研究「アラブ世界における音文化のしくみ」の成果、西尾哲夫・堀内正樹・水野信男編『アラブの音文化-グローバル・コミュニケーションへのいざない-』が、「第28回田邉尚雄賞」を受賞いたしました。

受賞理由(業績等)
「アラブの音文化-グローバル・コミュニケーションへのいざない-」
本書は、音によるコミュニケーションの力をアラブの社会的・歴史的文脈で捉え、13名の著者がそれぞれの専門研究の立場から論じたものである。アラブの音文化に関する日本語文献がほとんどない現状において、本書の学会への貢献は貴重である。特に注目すべきは、本書がアラブ音楽の紹介や解説にとどまることなく、言語も音楽も多様な中で共通の価値基準や感受性がどのようにはぐくまれるのか、という独自の視座で問題設定を行い、この問題意識を巻末の座談会を含め、総ての執筆者が共有した上で、本書の全体を貫いている点である。この研究方法は、今後の共同研究や共著書のあり方に、重要なひとつの方向性を示すものとして評価できる。

  • 受賞者:西尾哲夫(国立民族学博物館・研究戦略センター教授)
  • 受賞年月日:2011年10月8日(授賞式実施予定日)
  • 「社団法人東洋音楽学会」ホームページ http://wwwsoc.nii.ac.jp/tog/index.html

田邉尚雄賞:
東洋音楽研究のいっそうの発展を促し、わが国における学術の発展に寄与するために、東洋音楽に関する研究の奨励及び会員の研究業績を表彰することを目的として昭和58(1983)年度から実施。