重点研究プロジェクト(1999-2001)
「重点研究プロジェクト」は、民族学(文化人類学)の大きな問題に館全体で取り組む研究活動であり、より現代的な課題や問題を重視し、活動も国際シンポジウムと海外調査の実施だけでなく、共同研究や科研による調査研究、過去研究など他の研究活動と連携しながら進められた研究である。「人類学の基礎理論的な研究」、「現代的テーマの人類学的研究」、「博物館人類学の新たな展開」という3点を重要課題とし、以下の研究活動が展開された。
※重点研究プロジェクトは2001年度をもって終了いたしました。
人類学的歴史像の構築 | トランス・ボーダー・コンフリクトの研究 | 文化表象の博物館人類学的研究 | 機関研究index
人類学的歴史像の構築
代表者:佐々木史郎(2000-2001)、杉島敬志(1999)
1980年代以降、人類学では近代世界システムと地域社会との複雑で入り組んだ関係に由来する政治、宗教、経済現象に関する研究が盛んにおこなわれてきたが、本プロジェクトはこうした近年の人類学研究の成果を総合する作業をとおして、人文社会諸科学における歴史認識の基底にある諸前提を批判的に検討するとともに、地域社会の諸相を歴史的に把握する人類学的パースペクティヴの確立を目指す。
- 研究集会 2002.3.9-10
- 国際ワークショップ「ポスト社会主義圏における民族・地域社会の構造変動に関する人類学的研究─シベリアの事例を中心として」2002.2.9-10
- 研究集会 2001.12.10
- 国際シンポジウム「歴史叙述の現在─歴史学と人類学の対話」2001.11.13-15 出版社サイトへ
- 国際シンポジウム「東アジア・北太平洋地域の狩猟採集文化研究の新たなパースペクティヴ」2001.3.10-11
- 国際ワークショップ Wartime Japaneswe Anthropology in Asia and Oceania 1999.12.20-22
- 研究集会 1999.11.29
- 研究集会 1999.10.4
- 研究集会 1999.8.31
トランス・ボーダー・コンフリクトの研究
代表者:庄司博史
グローバル化にともなう人、情報、モノの自由な移動は既存の国家の境界や諸制度の拘束を超越する勢いで進行し、その影響はさらに集団意識や価値体系にまでおよびつつあり、国家や地域に対し法制度の面から事態への対処をせまる一方で、人々の民族意識や文化意識など様々なレベルの集団意識を突き崩しつつある。本プロジェクトでは、さまざまな越境がもたらした諸現象の実態を諸側面から解明し、新たな再編の行方を探る。 プロジェクトの歩み
- 国際シンポジウム「グローバル時代と内なる越境」2002.2.26-28
- 研究集会 2001.10.26
- 研究集会 2001.7.10
- 多言語研究プロジェクト・研究集会 2000.3.27
- プレ・シンポジウム「グローバル時代のトランス・ボーダーの諸相」2000.2.28-29
- 第2回国際シンポジウム「紛争の海─北と南の水産資源とその管理をめぐって」2001.11.22-24
出版社サイトへ - 研究集会 2000.10.27
- 研究集会 2000.10.16
文化表象の博物館人類学的研究
代表者:栗田靖之(2000-2001)、藤井龍彦(1999)
現在、民博では、博物館における文化の表象に関して数かずの基礎的研究や技術的研究がおこなわれ、それぞれに注目すべき成果をあげているが、それらはおのおの別個に進められ、館内外の研究者はその内容が十分に把握できない状況にある。本プロジェクトでは、これら現行の研究を統合的かつ有機的に運営し、博物館における文化表象のあり方を批判的に検討するとともに、既成の観念に縛られた表象の様式を洗い出し、グローバル化がすすむ現代的状況のなかでの民族学博物館、さらにはより広くミュージアムという装置の可能性を探る。
- 研究集会 2002.3.29
- 公開研究集会 2002.1.6
- 研究集会 2001.11.16
- 国際シンポジウム「シンポジウム・アフリカ2001「現代アフリカにおける芸術と文化の表象 ─ アフリカの目で検証する」大阪ワークショップ 2001.11.10
- 研究集会 2001.10.12
- 国際シンポジウム「博物館と先住民─オセアニアと日本における関係をめぐって」2001.3.19-21 ・シンポジウム「日本における韓国文化の表象」2000.3.17-18 ・シンポジウム「アートと民族文化の表象:特別展「越境する民族文化」を中心に」1999.12.15-16
- 研究集会 1999.11.22
- 研究集会 1999.9.16