国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

イスラーム世界の音文化と表演文化の研究  ─ インターアーツ理論による ─

共同研究 代表者 水野信男(客員)

研究プロジェクト一覧

2002年度

申請者は1998~2000年度に、科学研究費補助金による海外学術調査「中東・北アフリカにおける音文化と表演文化の現代的変容に関する比較研究」を主宰し、2001年3月、同名による研究報告書を作成した。本共同研究は、フィールドワークとしておこなった当該研究を、主にデスクワークにうつして続行しようとする試みである。そこでは、とくにインターアーツ(「芸術間」)理論を援用し、イスラーム世界の音文化と表演文化を、詩、文学、絵画、デザイン(アラベスク)、建築などと関係づけながら、多面的に分析考察する。そうすることで、イスラーム世界のもつ普遍的な感性と心性に、より効果的にせまることが可能となるとおもわれる。なお本研究会では、2004年度に予定されているアラビアンナイト関連の民博特別展をも視野にいれながら、あわせて「博物館と音楽学」という命題にも関心をよせ、諸課題を討議する。

【館内研究員】 西尾哲夫、山中由里子
【館外研究員】 新井裕子、小柴はるみ、阪田順子、関善房、谷正人、中江加津彦、松田嘉子、元好朗子、森高久美子、山岸智子
研究会
2002年6月4日(火)13:00~(第1演習室)
元吉朗子「インターアーツ理論とアラブ詩への応用」
谷正人「『並び、続く』旋律グーシェ ─ イラン伝統音楽のラディーフにみる有機的構造」
2002年8月6日(火)13:30~(第1演習室)
松田嘉子「アラブ世界研究所(パリ)主催第3回音楽フェスティバルに出演して」
新井裕子「イスラームと音楽」」
2002年9月1日(日)14:00~(講堂)
民博研究公演「アフガニスタンの音楽」見学
2002年9月2日(月)10:00~(第1演習室)
飯野りさ「レバノンの風景 ─ 1957年バールベック芸術祭における音楽劇の成立背景」
司会:山中由里子、水野信男「イスラーム研究におけるインターアーツ理論の確立は可能か」
2002年11月30日(土)13:00~(第1演習室)
小柴はるみ・関善房「トプカプ宮殿美術館所蔵『サライ・アルバム(宮廷画冊)』研究をめぐって」
2003年3月10日(月)13:30~(第1演習室)
深見奈緒子「イスラーム世界の都市と建築」
杉村棟「トプカプ宮殿美術館所蔵『サライ・アルバム(宮廷画冊)』にみる鷹狩図と架鷹図について」