国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

在日外国人と日本社会の多民族化

共同研究 代表者 庄司博史

研究プロジェクト一覧

2004年度

本研究は2004年春開催予定の民博特別展示「多みんぞくニホン ─ 在日外国人のくらし」の企画を研究面からサポートし、その成果を展示に反映させることを目的として昨年度発足した。展示では、過去十数年間の在日外国人の急増を背景として大きく変容した日本社会と日本人の意識を再確認し、さらに今後も予測される多民族化のなかで問われる外国人との共生のありかたを模索することにあった。

特展の準備研究として位置づけた初年度は、多民族化の歴史的経緯とともに社会、政治、文化、行政、イデオロギーに生起した多文化主義、多様な共生の動き、さらにいくつかのエスニックグループの来日の背景、定着の経過、生活実態および日本社会とのかかわりを示す種々の資料を収集し、また共生概念の受容のための効果的な展示法について検討をおこなった。本年度は以上の研究をまとめるとともに、展示の理念と実際の展示を対照させつつ、多民族展示の総合的な評価をおこなう。

【館内研究員】 陳天璽、中牧弘允、日高真吾
【館外研究員】 北山夏季、金美善、小谷幸子、島村恭則、城田愛、高畑幸、張玉玲、陳於華、イ冬岩、中野克彦、樋口直人、藤井幸之助、古屋哲、前田達朗、南誠、吉富志津代、リリアン・テルミ・ハタノ
研究会
2004年4月24日(土)13:30~(大演習室)
「特別展の見学、相互評価」
「本年の研究打ち合わせと問題提起」
2004年5月22日(土)12:00~(大演習室)
全員「特別展示の相互評価」「担当コーナーごとの展示についての報告」
2004年10月30日(土)13:30~(第2演習室)
戴エイカ「多文化共生と多みんぞくニホン」
2005年1月8日(土)13:30~(第4演習室)
森茂岳雄「国際理解教育からみた「多みんぞくニホン」」
織田雪江「「多みんぞくニホン」の教育への応用」(仮題)
2005年3月11日(金)13:30~(第3演習室)
「まとめのための打ち合わせ」
研究成果

今年度は一年目の展示構想での討議、収集、聞き取り調査などでえた経験等を、研究の主旨である日本の多民族化という観点から成果としてまとめるための作業をおこなった。さらに、当初の展示目標の達成度、社会への貢献度などから展示を総合的に評価するため共同研究会内外の研究者とともに討議をおこなった。

展示期間中、アンケート調査を実施したが(約400回収)、メンバーは、ギャラリートーク、大学の講義への利用、その他の機会を利用し、来館者と接し、意見をあつめた。また外部の研究者、コミュニティメンバーによる評価や意見の収集もおこなった。これらは、2005年度に研究成果とともにまとめ、公刊する予定である。

2003年度

【館内研究員】 陳天璽、中牧弘允、日高真吾
【館外研究員】 北山夏季、金美善(外来研究員)、島村恭則、高畑幸、陳於華、中野克彦、樋口直人、藤井幸之助、古屋哲、前田達朗、吉富志津代、リリアン・テルミ・ハタノ
研究会
2003年4月26日(土)13:30~(大演習室)
庄司博史「研究会をはじめるにあたって」
陳天璽「横浜チャイナタウンの形成と人びと」
2003年5月17日(土)13:30~(大演習室)
「多民族社会の映像化について」「特別展示についての協議」
2003年6月21日(土)13:30~(第1演習室)
討論「エスニックコミュニティーの現在」
「特別展示について」
2003年7月19日(土)13:00~(大演習室)
掛札綾「大泉町ブラジル人コミュニティーの教育へのとりくみ」
全員「特別展示について」
2003年8月27日(水)13:00~(大演習室)
「特別展示について」
2003年9月20日(土)13:30~(大演習室)
「特別展示について」
2003年10月25日(土)13:30~(大演習室)
「特別展示について」
2003年11月9日(日)14:00~(大演習室)
「特別展示について」
2003年11月23日(日)10:30~(大演習室)
「特別展示について」
2003年12月27日(土)13:00~(大演習室)
「特別展示について」
2004年1月31日(土)12:00~(第3セミナー室)
「特別展示について」
2004年2月28日(土)12:00~(第3セミナー室)
「特別展示について」
2004年3月24日(水)12:30~(第2演習室)
「特別展示について」