国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

ウェルビーイング(福祉)の思想とライフデザイン

共同研究 代表者 鈴木七美

研究プロジェクト一覧

キーワード

ウェルビーイング、ライフデザイン、福祉

目的

現代日本においては、少子高齢化、格差拡大、次世代を担う人々の状況、多文化化に深い関心が寄せられている。本研究は、社会の少子高齢化や多文化化に伴う憂慮や、様々な齟齬や軋轢を経験する現場のニーズを契機として、知識や感覚に隔たりのある多文化多世代が往来し声を発することができる空間のデザイン、さらにその持続的な活用、すなわち場から得られる情報と醸成されるパワーを新たな試みに繋げるしくみ、および様々な現場で適用できる情報として発信する方途を検討する。

本研究では、こうした空間の創出と柔軟な持続的活用に関し、基盤的研究と応用的研究を連関させつつ進め、「福祉」(well-being)概念の発展的再構築を試みる。さらに、時空間のデザインに関する文化人類学および関係諸学の学際的研究、および現場の実践者との共同的研究をいかに実践し、その蓄積を現代社会にどのように活用してゆくのかについても考察を深める。

研究成果

(1)出版

  1. 鈴木七美・藤原久仁子・岩佐光広編『高齢者のウェルビーイングとライフデザインの協働』御茶の水書房、2010年(高齢期のウェルビーイングを充足する時空間を共有する方法を探索し、成果として、共同研究員の執筆論文から構成した書籍(対象:研究者・学生・一般)を出版した。)
  2. 鈴木七美編『「障害のない社会」にむけて―ウェルビーイングへの問いとノーマライゼーションの実践―』(SER No. 102)国立民族学博物館、2012年(すべての人が心地よく暮らすことが叶わない社会は「障害のある社会」である、という社会福祉の1つの認識に基づき、これを目指す具体的実践と新たな関係や活動の場の開発への展開を、実践者と研究者の協働によって照射した。
  3. Suzuki Nanami, ed., The Anabaptist Idea and the Way of Practicing Care: Reconsidering the Meaning of Life in the 21st Century (SES No. 79), National Museum of Ethnology, 2012(非暴力の主張から世俗社会と距離をおく人々が、アメリカ合衆国の一般社会における包摂を目指して行ってきた調整的活動が、現代世界で応用可能なケアの具体的方法(共生に向けた支援活動や紛争調停)を開発してきた経緯に注目した。これらを通して、人々の生きる意味と深く関わる信念を保持しつつ、共存する考え方と具体的な実践を照射した。) 

(2)国際学会におけるパネル等開催および発表
最終年度には、共同研究成果に関わる発表を行った。(以下に国際学会における発表を記載する。)

  1. Society for East Asian Anthropology (SEAA), Annual Meeting, Material Asia: Objects, Technologies and Rethinking Successにおけるセッション開催および発表
    [Session 10] Recontexualization of Technologies and Materials: Pursuing the Well-Beings in Changing Aging Societies in Japan and Korea (Chonbuk University, Jeonju , Korea, August 2, 2011)
    発表者:鈴木七美・谷口陽子・洪賢秀・藤原久仁子
  2. アメリカ人類学会(AAA)110回年次大会における発表
    セッション3-0390:ライフステージに関する考察(モントリオール 2011年11月17日)
    発表者:鈴木七美
  3. アメリカ・エイジング学会の年次会議(2012 Annual Conference of the American Society on Aging(ASA))においてワークショップ開催および発表
    ワークショップ:Rethinking the Meaning of Culture in a Multicultural Aging Society
    (Marriott Wardman Park, Washington, DC, USA, March 31, 2012)
    発表者:鈴木七美・金本伊津子

(3)公開シンポジウムの企画  
最終年度には、公開シンポジウムの企画に参加した。

  1. 公開シンポジウム:福祉と開発の人類学:ひろがる包摂空間とライフコース(国立民族学博物館 2012年1月21日)企画発表:山本直美
  2. 公開シンポジウム:「ケアと育みの射程」(国立民族学博物館 2012年1月28日)   企画発表:鈴木七美・山田千香子・白水浩信・助川晃洋
  3. 国際シンポジウム:「エイジング―多彩な文化を生きる」(国立民族学博物館 2012年2月25日・26日)
    企画発表:鈴木七美・金本伊津子・洪賢秀・佐野(藤田)眞理子・谷口陽子

2011年度

(1)出版

  1. 2009年3月の国際研究フォーラム「ライフデザインと福祉(well-being)の人類学‐開かれたケア・交流空間の創出」および国際ワークショップ「ウェルビーイングの思想と市民の協働」によって蓄積した現場の実践に関する情報を基盤として理論化を進めてきた成果を出版(論集)する。
  2. 2009年6月の国際フォーラム「21世紀を生きるアーミッシュ‐日々の助け合いから国際協力へ‐」において議論した素材に関して研究を深めてきた成果を出版(SES)する。

(2)国際シンポジウム開催

  • 2009年3月の国際研究フォーラム「ライフデザインと福祉(well-being)の人類学‐開かれたケア・交流空間の創出」および国際ワークショップ「ウェルビーイングの思想と市民の協働」によって得られた知見をもとに蓄積してきた成果をまとめた『高齢者のウェルビーイングとライフデザインの協働』(御茶の水書房 2010年)を中核として、国際シンポジウムを開催し、出版(SES)を準備する。
【館外研究員】 有賀美和子、石田慎一郎、稲葉洋子、海野るみ、遠藤英樹、岡田菜穂子、金本伊津子、河西瑛里子、沢山美果子、白水浩信、助川晃洋、谷口陽子、福井栄二郎、佐野(藤田)眞理子、藤原久仁子、洪賢秀、村田吉弘、山田千香子、山本直美
研究会
2011年5月29日(日)13:00~19:00(国立民族学博物館 第6セミナー室)
鈴木七美「平成23年度の共同研究の展開について」
河西瑛里子「コミュニティとしてのケア-英国グラストンベリーにおけるキリスト教教会を事例として」
稲葉洋子・藤原久仁子ほか「論文集出版(ヒーリングと地域文化)について」
海野るみ・谷口陽子・助川晃洋ほか「論文集出版(「教育」時空間の変動)について」
金本伊津子・山田千香子ほか「論文集出版(高齢者のウェルビーイング)について」
全体ディスカッション(コメント:洪賢秀・石田慎一郎ほか)
2012年1月13日(金)14:00~19:00(神戸大学附属図書館)
鈴木七美(国立民族学博物館)「災害地復興に向けた取り組みの展開に関する情報共有と提示について」
稲葉洋子(神戸大学附属図書館)「『震災文庫』の構築から現在まで」
佐々木和子(神戸大学地域連携推進室)「『震災文庫』に関わる地域連携の継続」
全体ディスカッション
2012年1月29日(日)9:30~18:00(国立民族学博物館 第3演習室)
鈴木七美(国立民族学博物館)「共同研究の成果公開にむけて」
助川晃洋(宮崎大学)「小中一貫教育と子どものウェルビーイング」
山田千香子(長崎県立大学)「島人の育み:地域における自然・文化・人の共生」
鈴木七美「デンマークおよびスウェーデンにおけるフォルケホイスコーレと学び」
金本伊津子(桃山学院大学)「ブラジルにおける日系高齢者のアクティブ・エイジング」
洪賢秀(東京大学)「韓国における緩和ケア支援と終末期のウェルビーイング」
谷口陽子(専修大学)「日本の高齢女性のウェルビーイング追求の展開」
河西瑛里子(国立民族学博物館)「現代ヨーロッパにおけるヒーリング・コミュニティ」
全体ディスカッション
研究成果

(1)出版計画の具体化

  1. 論文集(SER)の出版。国際研究フォーラム「ライフデザインと福祉(well-being)の人類学‐開かれたケア・交流空間の創出」および国際ワークショップ「ウェルビーイングの思想と市民の協働」(2009年)によって蓄積した現場の実践に関する情報を基盤として理論化を進めてきた成果(SER)を出版した。
  2. 論文集(SES)の出版。国際フォーラム「21世紀を生きるアーミッシュ―日々の助け合いから国際協力へ」(2009年)において議論した素材に関して研究を深め、成果を出版(SES)した。

(2)公開シンポジウムの企画参加・発表を行った。

(3)口頭発表を行った。

2010年度

(1)出版計画の具体化

  1. 平成19年度の国際研究フォーラム「ライフデザインと福祉(well-being)の人類学‐開かれたケア・交流空間の創出」および国際ワークショップ「ウェルビーイングの思想と市民の協働」によって蓄積した現場の実践に関する情報を基盤として理論化を進めてきた成果を、出版(一般書およびSER)に向けて整備する。
  2. 平成20年度の国際フォーラム「21世紀を生きるアーミッシュ‐日々の助け合いから国際協力へ‐」において議論した素材に関して研究を深め、成果を出版(SES)に結びつける。

(2)国際シンポジウム開催を計画

  • 生産世代とはみなされない、子どもと高齢者をケアする時空間が、すべての人々にとって、いかなる意味を持つのかに注目し、「ウェルビーイング」に注目して、情報を交換しつつ研究を進めてきた他の研究グループとともに、研究成果に関し協働してシンポジウムを計画する。
【館外研究員】 有賀美和子、石田慎一郎、稲葉洋子、海野るみ、遠藤英樹、岡田菜穂子、金本伊津子、河西瑛里子、沢山美果子、白水浩信、谷口陽子、福井栄二郎、佐野(藤田)眞理子、藤原久仁子、洪賢秀、村田吉弘、山田千香子、山本直美
研究会
2010年7月31日(土)13:00~18:00(国立民族学博物館 第3演習室)
発表:有賀美和子(東京女子大学)「フェミニズム・シティズンシップ論の新展開―市民社会における「ケア権」の構築にむけて―」
コメント:藤原久仁子(大阪大学)
2010年10月9日(土)13:30~18:30(国立民族学博物館 第3演習室)
沢山美果子(岡山大学)「江戸時代の捨て子養育と子どものいのち―歴史的視点からみた子どものウェルビーイング―」
田間泰子(大阪府立大学)「産児調整の思想と実践-家族のウェルビーイングから考える」
2010年11月7日(日)9:30~12:30/17:00~18:30(国立民族学博物館 第3演習室)
沢山美果子、鈴木七美「ウェルビーイングの思想と市民社会」
2010年12月11日(土)13:30~18:30(国立民族学博物館 第6セミナー室)
2010年12月12日(日)10:00~18:00(国立民族学博物館 第6セミナー室)
発表:中谷文美「仕事とケアの両立という生き方―オランダ人のワークライフバランス―」
発表:品田知美「無償労働の変容と日本家族の近代―生活時間の比較を中心に―」
発表:助川晃洋「学校とウェルビーイングの思想」
発表:海野るみ「学校とウェルビーイングの実践」
*共同研究会(代表者:中谷文美)と合同開催
2011年2月12日(土)13:00~19:00(国立民族学博物館 大演習室・第3演習室)
2011年2月13日(日)9:30~18:00(国立民族学博物館 大演習室・第3演習室)
岸上伸啓「北アメリカ極北先住民の生き方とウェルビーング:カナダのイヌイットとアラスカのイヌピアットを事例として」
久島和子「後見人として、認知症の人に寄り添うということ」
田中大介「ケア・知識・能力 ― 人類学的仕事研究の視点からみるデス・ケアとしての葬儀業務」
木下光生「歴史学からみた「看取りと死」「苦悩とケア」
金本伊津子「ペルー日系社会の老いとウェルビーイング」
岩佐光広「在日ラオス系定住者の高齢者ケアをめぐる問題」
山田千香子「カナダ・バンクーバー市における日系人のウエルビーイング」
鈴木七美「アメリカにおける高齢者の生活と「ウォーキング・ディスタンス」
洪賢秀「韓国社会における終末期医療をめぐる議論」
谷口陽子「災害復興地における高齢者ケアの拠点の多機能化」
藤原久仁子「モノの供養と長寿祈願:滋賀県近江八幡の長命寺の事例から」
稲葉洋子「高知県梼原町における森林セラピーの取り組み」
山本直美「生き方を問う若者たち-第三世代が見る”修養者集団”一燈園」
陳天璽「日本における中国系教育施設の現状と課題」
(共同研究会(代表者:浮ケ谷幸代)と合同開催)
研究成果
  1. 高齢期のウェルビーイングとライフデザインの協働に関する共同研究員の執筆論文から構成した書籍(対象:研究者・学生・一般)を出版した。身体機能の減退、災害などを含む社会的・文化的変動を弱者として経験する高齢者が、希望する多様なウェルビーイングを実践するという観点から、生活空間とそれを構成する多様な年代の人々が構成するコミュニティに関し、検討した。
  2. 国際シンポジウムを開催した。
  3. 口頭発表を行った。

2009年度

平成20年度に、「ケア」に関わる現場の状況を把握し事例の分析を進める一環として実施した「国際研究フォーラム ライフデザインと福祉(well-being)の人類学‐開かれたケア・交流空間の創出 International Research Forum "Anthropology of Life Design and Well-being")および「国際ワークショップ カナダとデンマークにおけるウェルビーイングの思想と市民の協働 International Workshop "Thoughts on Well-being and Citizens Working Together: Alternative Care Practices in Canada and Denmark"」によって蓄積した情報を生かして、1.本研究の理論化を図り、2.日本の現場への応用を視野に収めフィールドワークに基づき検討を進める。(現地調査に関しては、平成21年度科学研究費補助金 基盤研究B「少子高齢化・多文化社会における福祉・教育空間の多機能化に関する歴史人類学研究」(代表者 鈴木七美)の一環として実施する。)

  1. 「ウェルビーイング」「福祉」「ケア」「education」などのキーワードに関し、(1)先行研究を整理し、(2)実践の現場における使われ方から重要タームに関する歴史人類学的研究を深める。その際、現場で長期にわたり活動してきた実践者、様々な地域に関する文化人類学と関連分野の実践・実態研究、基礎的・理論的研究に従事する研究者が集合し学際的研究によって比較的に議論を深める。(第一回公開共同研究会(2009年6月27日(土)於国立民族学博物館)「ウェルビーイングの歴史人類学‐『ケア』に関わる観念・実践から考える‐」)
  2. 多文化社会における共生のヴァリエーションについて、とくにライフステージの把握と世代間関係に注目したフィールドワークの成果を、年度末の研究フォーラムにおいて広く一般に公開報告し、議論の内容を冊子にまとめ、次年度2010年の研究に繋げる。
【館内研究員】 佐野(藤田)眞理子
【館外研究員】 有賀美和子、石田慎一郎、稲葉洋子、海野るみ、遠藤英樹、岡田菜穂子、金本伊津子、河西瑛里子、沢山美果子、白水浩信、田中きく代、谷口陽子、福井栄二郎、藤原久仁子、村田吉弘、山田千香子、山本直美
研究会
2009年6月21日(日)13:30~18:30(国立民族学博物館 講堂)
ステファン・E・スコット「現代アメリカ社会におけるアーミッシュという生き方」
大藪千穂「アーミッシュにおける生活と協働」
石田慎一郎「再洗礼派の平和主義とアフリカにおける援助活動」
鈴木紀「アーミッシュの支援のかたち-ポスト開発論の視点から-」
2009年6月27日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 第3セミナー室)
工藤由美「ケアが生成する空間:首都に住むマプーチェ先住民組織の活動から」
岩佐光弘「ケア、民族誌、ベイトソン」
コメント:武井秀夫、佐野(藤田)眞理子
2009年12月12日(土)13:00~18:30(長崎県立大学)
2009年12月13日(日)10:30~18:30(長崎県立大学)
少子高齢・多文化社会におけるウェルビーイングと多機能空間に関する調査報告
報告者:山田千香子・村田吉弘・金本伊津子・海野るみ・白水浩信・谷口陽子・山本直美・鈴木七美
コメンテータ:沢山美果子
2010年3月6日(土)9:30~12:00(国立民族学博物館 第3セミナー室)
2010年3月7日(日)8:30~18:30(国立民族学博物館 第3セミナー室)
『オルタナティブ教育の比較研究』
海野るみ、沢山美果子、村田吉弘、山本直美、鈴木七美
研究成果
  1. 「ケア」や支援に関わる思想と実践に関する知見を深めた。とくに、宗教との関連、第二にセーフティネットの構築や社会的包摂の基本的道筋との関連について事例に基づいて検討した。「ケア」に関する考え方と実践が、人々の一生の時間デザインやライフステージ間関係の捉え方と、どのように関連しているかに関する次年度の調査研究の基本方針を共有することができた。
  2. 日本文化人類学会で分科会を開催した。
    「教育人類学 ― オルターナティブの視点から―」2009年5月31日(大阪国際交流センター)
    《報告》
       鈴木七美「オルタナティヴ教育と時のデザイン」
       田川泉「文化的多様性にむけての教育-合衆国の博物館における学校・家庭・地域社会支援-」
       金本伊津子「多文化社会におけるエイジングとライフロング・ラーニング-日系の人々が伝えるもの-」
       佐野(藤田)真理子(広島大学)「高等教育のユニバーサルデザイン化が変える大学教育」
  3. 国際研究フォーラムを開催した。
  4. 報告書を作成した。

2008年度

平成20年度:ウェルビーイング・ウェルフェア(福祉)に関わる領域の把握および実践の歴史的展開について、共同研究者による学際研究を進める。「ケア」に関わる現場の状況を把握し事例の分析を進める。実践に関わる人々と議論の場を設ける目的で、国際フォーラム「ライフデザインと福祉(well-being)の人類学‐開かれたケア・交流空間の創出」(一般公開)を開催する。福祉先進国として知られ公的事業と民間活動のバランスを図る工夫がなされてきたカナダとデンマークおよび日本の現場で長期にわたり空間創成に関わってきた発表者、様々な地域に関する文化人類学と関連分野の実践・実態研究、基礎的・理論的研究に従事する研究者が集合し比較的に議論を深める。

【館内研究員】  
【館外研究員】 有賀美和子、石田慎一郎、遠藤英樹、岡田菜穂子、金本伊津子、河西瑛里子、沢山美果子、白水浩信、田中きく代、谷口陽子、福井栄二郎、藤田眞理子、藤原久仁子、松原洋子、村田吉弘、安武留美、山田千香子、山本直美
研究会
2008年10月11日(土)12:30~19:00(国立民族学博物館 第6セミナー室)
研究会趣旨説明(鈴木七美・佐野(藤田)眞理子)
研究計画(参加者全員)
2009年1月10日(土)13:30~19:00(国立民族学博物館 大演習室)
研究報告
鈴木七美「オルタナティブ教育と時のデザイン」
佐野(藤田)眞理子)「大学アクセシビリティー・センターを拠点とした協働活動」
コメント(大藪千穂・杉原利治・松尾瑞穂・海野るみ・稲葉葉子)
2009年2月27日(金)13:30~18:30(国立民族学博物館 第3セミナー室)
研究報告 "The Thoughts of Well-being and the Co-working of Citizens: Alternative Care Practices in Canada and Denmark"
趣旨説明、統括:鈴木七美
コメント:佐野(藤田)眞理子
2009年2月28日(土)10:00~19:00(立命館大学衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム)
2009年3月1日(日)9:00~17:00(立命館大学衣笠キャンパス創思館カンファレンスルーム)
研究フォーラム「ライフデザインと福祉の人類学」 研究報告・打ち合わせ
佐野(藤田)眞理子「大学アクセシビリティセンターにおける活動の展開」
鈴木七美「オルタナティブ教育と時のデザイン-現代アメリカにおけるアーミッシュという生き方」
コメント:谷口、金本、山田、遠藤、白水、山本、藤原
研究成果

1)平成20年度の研究計画に従って、「ケア」に関わる現場の状況を把握し事例の分析を進めた。とくに、福祉先進国として知られ公的事業と民間活動のバランスを図る工夫がなされてきたカナダとデンマークおよび日本の現場で長期にわたり空間創成に関わってきた発表者、様々な地域に関する文化人類学と関連分野の実践・実態研究、基礎的・理論的研究に従事する研究者が集合し比較的に議論を深めた。

2)平成20年度の研究成果公開計画に従って、国際研究フォーラム、国際ワークショップを開催した。

  1. 国際研究フォーラム「ライフデザインと福祉(Well-being)の人類学-開かれたケア・交流空間の創出-」2009年2月28日-3月1日(於立命館大学)
  2. International Workshop Thoughts on Well-being and Citizens Working Together: Alternative Care Practices in Canada and Denmark, National Museum of Ethnology, February 27, 2009

3)報告書を作成した。

  1. 鈴木七美編『ライフデザインと福祉(Well-being)の人類学-開かれたケア・交流空間の創出-』国際研究フォーラム報告書、国立民族学博物館、2009年、150頁
  2. Suzuki Nanami, ed. Report of an International Workshop Thoughts on Well-being and Citizens Working Together: Alternative Care Practices in Canada and Denmark, National Museum of Ethnology, 2009, 15p.