国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

政治的分類――被支配者の視点からエスニシティと人種を再考する

研究期間:2014.10-2018.3 代表者 太田好信

研究プロジェクト一覧

キーワード

エスニシティ・人種、政治的分類、批判的リベラリズム

目的

21世紀になり、エスニシティ(文化的実践による社会的分類)や人種(肌の色による社会的分類)が構造化された社会に住み不利益を受けている人々は、カラーブラインド主義や逆差別というリベラリズムの変奏が世界規模で支持を得ている中で、不利益の是正を求める根拠すら失いかねない状況に直面している。本共同研究は、歴史的・民族誌的資料に基づいて、被支配者側からの政治的抵抗の基礎となる分類の編成を解明し、リベラル民主主義の陥穽を批判的に乗り越える契機とする研究視座の確立を目指す。より具体的には、これまでコロニアリズムの歴史において不可視だった支配者側のエスニシティや人種(たとえば、アイヌ民族のいう「和人(シャモ)」、沖縄の人々が発する「ナイチャー(ヤマトンチュ)」、カナカ・マオリが用いる「ハオレ」、グアテマラ・マヤ人が口にする「カシュラン」)を可視化する視点として政治的分類という考え方を提示する。

研究成果

文化人類学の歴史は、自らの視点を自然化してしまう社会的・歴史的慣性を捉え直す作業を、フィールドワークという他者との出会いから導きだそうとする努力に満ちている。21世紀では、その歴史は、自らを開くという反省的知の可能性と、同時に歴史における倫理的姿勢の確立に向かっている、と本共同研究会代表者は考えてきた。
本共同研究会は、いま述べた文化人類学の過去から未来に向けた方向性を、いくつかの課題を具体的に扱うことから考えようというアイディアのもと、構想された。たとえば、フィールドワークにおいて文化人類学者が眼差しの対象となり、居心地の悪さを感じるとき、そこで可視化されるのは、これまで問われることがなかった学問に内在する歴史性である。歴史のなかでの相対(あいたい)という概念は、21世紀における文化人類学を実践するとき、不可欠になるにちがいない倫理の基盤である。本共同研究会の副題は、人種やエスニシティという概念を、その分類の対象となっている人びとの視点から捉えなおすことを示す。自然界の分類としての人種、文化的分類としてのエスニシティという既存の理解ではなく、それらが政治的である――つまり、可塑的である――とし、対象となる人びとにより利用可能な考えとして再提示した。他にも、これまで収集されてきたミュージアムの展示器物のゆくえ、言語の復興が課す責務などついて議論を深めた。
歴史における相対という概念は、未来における新たな可能性を探るという希望へと開かれている。ただし、その希望は過去への反省と不可分でもある。21世紀の文化人類学の可能性は、20世紀における(正負両方の)遺産「相続」(選択的・批判的継承)であり、それを通して出発点を見出すことになろう。
共同研究会の各メンバーは、以上のような代表者の基本的見解に対し、時には強い違和を表明し、あるいは分類という概念をあくまでも分析概念として扱うこと、つまり概念の非歴史性を堅持しようとしていた。しかし、共同研究会の成果として、21世紀において文化人類学も含め、社会における学問の倫理とでも呼べる側面は、ますます無視できなくなっていると特記しておきたい。その理由は、過去が再審を求めてきているからである。本共同研究会では、その求めに応じることが一つの責務となっていることを繰り返し確認した。

2017年度

本年(2017年)度は、2014年10月から開始した共同研究会の4年目にあたり、成果報告に向けて、具体的作業に入る。すでに、2016年度の第4回目の共同研究会(2017年1月21日~22日開催)から、次のような形態の論文集を編むプロセスを開始した。共同研究会代表者である太田が長めの論考を提示、これに対し共同研究会各メンバーが、自らの理論的関心やフィールド調査の資料を参照し、コメントするという「クリティーク形式」である。編著の最後では、太田がそれらのコメントを踏まえ、(リジョインダーとして)応答を予定している。2016年10月下旬から、太田の論考は回覧中である。よって、本年度に開催を予定している2回の共同研究会では、各回、共同研究会メンバー全員がそれに対する3名から4名分のコメントを事前に読了し、共同研究会は「合評会形式」で運営することになる。なお、開催時には、論文集出版を想定し、昭和堂編集部の松井久見子さんにも参加をお願いしている。

【館内研究員】 関雄二、寺田吉孝
【館外研究員】 青木恵理子、池田光穂、石垣直、川橋範子、慶田勝彦、竹沢尚一郎、辻康夫、深山直子、細川弘明、松田素二、山崎幸治、山本真鳥、横田耕一
研究会
2017年7月1日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室)
事務連絡
山本真鳥(法政大学)「欧米人のまなざしに抗して」(仮題)ならびに質疑と討論
竹沢尚一郎(国立民族学博物館名誉教授) 「人類学を開く」ならびに質疑と討論
2017年7月2日(日)10:00~15:00(国立民族学博物館 第1演習室)
關雄二(国立民族学博物館)「考古学におけるポストコロニアル研究」(仮題)ならびに質疑と討論
慶田勝彦(熊本大学)「20世紀人類学のアフターライフ」(仮題)ならびに質疑と討論
2017年11月11日(土)14:00~18:55(国立民族学博物館 第4演習室)
事務連絡
青木恵理子(龍谷大学)「『あなたたち』と『彼ら』についての語り――インドネシア・フローレス島の『歴史』における政治と倫理」。文脈化と討論。
深山直子(東京都立大学)「政治的分類としてのマオリ・日常的実践としてのマオリ(仮)」。文脈化と討論。
山崎幸治(北海道大学アイヌ先住民研究センター)「アイヌからのまなざし――展示実践からの一考察」。文脈化と討論。
2017年11月12日(日)10:00~16:00(国立民族学博物館 第4演習室)
石垣直(沖縄国際大学)「台湾原住民研究と日本の民族・人類学――『他者に相対する倫理』の視点から」。文脈化と討論。
川橋範子(名古屋工業大学)「ライティング・カルチャーとフェミニスト・アンソロポロジーが紡ぎだすアフターライフ――『有徴』の立場性からの応答」。文脈化と討論。
横田耕一(九州大学・名誉教授)「集団(先住民・マイノリティ)を不在化した『近代憲法(学)』への集団からの異議提起を受けて」。文脈化と討論。
成果報告を作成するにあたり、最終確認のための事務連絡。
研究成果

平成29年度は、本研究会の最終年度にあたるため、成果報告を念頭においた。二度開催した共同研究会では、事前に各発表者の論文を回覧し、共同研究会当日は合評会形式で議論を進めた。合評会形式とは、各執筆者がすでに回覧した論文を文脈化し(30分間)、その後質疑応答(1時間)するという構成である。各発表者には、研究代表者の論文との関連において議論を進める「クリティーク形式」の論文を準備するように依頼していた。これは、共同研究会のテーマとの関連を保持したまま、各自の研究領域へとテーマを拡大するための手段であったが、成果報告をまとめるためには有効であったと判断する。個別のテーマとしては、たとえば、21世紀において『文化を書く』をどう評価するか、リベラル民主主義の陥穽とは何か、コロニアリズムがつくりだした異種混淆的状況を前にし学問における政治的、そして倫理的責務とは何かなど、これまで共同研究会で論じられてきたテーマについて、より深い意見交換をおこなった。

2016年度

2015年度は、合計10名(代表者の趣旨説明を除く)による発表を行った。反省点としては、共同研究会の理論的方向性が十分に理解されているとは言い難いという印象をもったことがある。その一因には、代表者の趣意説明が不十分だったことを認めたい。また、文化人類学内部では常識化している人種と文化(エスニシティ)との関係を再考することが出発点になっていることも、理解を妨げた別の要因だったのかもしれない。2016年度は、以上の反省点を踏まえ、次の2点に重点を置く。第1点として、代表者が再び共同研究会の理論的方向性を示すこと。第2点として、その方向性に沿い、共同研究会での発表を継続すること。また、すでに発表を終えた共同研究会参加者には、これまで全員が自らの発表をフレームし直す作業をお願いし、2017年度における論文の合評という最終目標へと結び付けたい。また、理論的方向性を確認し、補強するという意味で、今秋、政治思想学会の招聘により来日予定のジェイムズ・タリー(James Tully、カナダ・ヴィクトリア大学名誉教授・政治哲学)教授を共同研究会にお招きし、討論を行いたい。予算の関係上、第4回目の共同研究会は開催が困難である可能性が大きい。

【館内研究員】 関雄二、竹沢尚一郎、寺田吉孝
【館外研究員】 青木恵理子、池田光穂、石垣直、川橋範子、慶田勝彦、辻康夫、深山直子、細川弘明、松田素二、山崎幸治、山本真鳥、横田耕一
研究会
2016年5月14日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室)
事務連絡
青木恵理子「国家的他者への呪詛と追従――フローレス島山岳民にとってのオランダ・日本・インドネシア」
質疑応答と討論
太田好信「アイデンティティの政治のアフターライフ――政治的分類と歴史の中での相対(あいたい)する倫理に向けて」
2016年5月15日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 第1演習室)
総合討論(前日の発表に関する質疑応答と合評の継続)
2016年6月25日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室)
事務連絡
松田素二(京都大学)「植民地支配の暴力装置と『異人性』――西ケニアの植民地経験 とKARの事例から」
質疑応答と討論
竹沢尚一郎(国立民族学博物館)「Racismの考古学」
質疑応答と討論
2016年6月26日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 第1演習室)
総合討論(前日の発表に関する質疑応答)
2016年10月29日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 大演習室)
特別招聘講演者の紹介(辻康夫)と共同研究会メンバーの自己紹介(参加者全員)
James Tully(カナダ・ヴィクトリア大学名誉教授)「Decolonizing Political Theory and Anthropology」
討論1(参加者全員)
討論2(参加者全員)
2016年10月30日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 大演習室)
成果報告の形態、編集本の方向性など関する具体的検討
2017年1月21日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室)
事務連絡と今後の成果報告に関する予定確認
辻康夫(北海道大学)「多文化主義における『歴史』の問題」
質疑と討論
池田光穂(大阪大学)「『支配的存在』を名指し、可視化する試みについて」
質疑と討論
2017年1月22日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 第1演習室)
松田素二(京都大学)「『文化人類学とアイデンティティの政治をめぐるアフターライフ』をめぐるメモ」
質疑と討論
研究成果

平成28年度は合計4回の共同研究会を開催した。その方向性として、これまでどおり、第1回目と第2回目は共同研究テーマに関する参加者からの個別発表である。第3回目は先住民研究(indigenous studies)という視点から共同研究テーマを問題化する試みとなった。第4回目は、成果報告の作成に向け具体的取組を開始し、平成29年度の2回開催予定である共同研究会の針路を示した。ここで特記すべきは、第3回目James Tully(カナダ・ヴィクトリア大学名誉教授)氏の講演を通し、本共同研究のテーマにとり重要な論点も浮上したことである。一方において、文化人類学は文化間の差異を強調してきたが、他方において、カナダ先住民研究の領域では先住民的視点が重視されてから、19世紀以降のコロニアリズムの経験をグローバル化の経験と捉え直し、文化間のつながりを重視するようになったという点である。入植者植民地主義研究(settler colonialism studies)である本研究会の方向性にも関わる歴史観の提示であり、本年度においても議論される指摘である。

2015年度

平成27年4月から平成28年2月にかけて共同研究会を合計4回開催し、各共同研究者がもっとも経験を積んでいる地域において被支配者側が支配者側を分類する事例を歴史、民族誌的資料に基づいて報告する。具体的には、各共同研究者は支配者側の無徴を告発する次のようなことばの意味を歴史や民族誌的資料から解明する。アイヌ民族からの視線の結果として生じる「和人」(山崎、辻)、沖縄から発せられる「ナイチャー(ヤマトンチュ)」(石垣、太田)、ハワイ社会における「ハオレ」(山本、太田)、マオリが名指す「パーケハ」(深山、細川)、グアテマラ・マヤ(カクチケル・キチェ語共通)の表現である「カシュラン」、また中南米で広く流通する「グリンゴ」(池田、關、太田)など。毎回、総合討議において、被支配者側から支配者側を見返し、名指す行為から生まれる分類の是非、ならびに理論的可能性を探る。理論的可能性とは、グローバル規模でリベラリズムが規範化しているとき、その限界を明らかにするものとして解釈可能かを見極めることである。

【館内研究員】 関雄二、竹沢尚一郎、寺田吉孝
【館外研究員】 青木恵理子、池田光穂、石垣直、川橋範子、慶田勝彦、辻康夫、深山直子、細川弘明、松田素二、山崎幸治、山本真鳥、横田耕一
研究会
2015年4月25日(土)14:00~18:15(国立民族学博物館 第3演習室)
事務連絡
山崎幸治(北海道大学アイヌ・先住民研究センター)「日本におけるアイヌによる自己・他者分類」
討論(質疑応答)
横田耕一(九州大学名誉教授)「『近代法』は被支配者『集団』を不可視化する?」(仮題)
討論(質疑と応答)
2015年4月26日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 第3演習室)
総合討論(前日の発表に関する質疑と応答)
2015年6月20日(土)14:00~18:15(国立民族学博物館 大演習室)
石垣直「交錯する「植民地経験」――台湾原住民・ブヌンと「日本」との衝突・接触・邂逅(仮題)
討論(質疑応答)
細川弘明 「アボリジニー社会における「他集団」の分類と「白人」像 ── 土地権運動の変遷と「先住権原」の制度化のなかで」(仮題)
討論(質疑応答)
2015年6月21日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 大演習室)
総合討論(前日の発表に関する質疑と応答)
2015年10月31日(土)14:00~18:15(国立民族学博物館 大演習室)
事務連絡
池田光穂「インディオ・メスティソ・ラサ:ラテンアメリカにおける人種的カテゴリー再考」(仮題)
討論(質疑応答)
山本真鳥「パパラギをめぐって:サモア人にとっての白人とは?」(仮題)
討論(質疑応答)
2015年11月1日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 大演習室)
総合討論(前日の発表に関する質疑と応答)
2016年1月30日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 大演習室)
事務連絡
川橋範子「白いフェミニズムに抗って――(外産の)『日本人』女性宗教研究者がフェミニスト民族誌を書く困難とは」(仮題)
討論(質疑と応答)
慶田勝彦「ケニア海岸地方の憑依する白人(ムスング)――アシナ・キビビと憑依霊の眼から見える人種とエスニシティ」(仮題)
討論(質疑と応答)
2016年1月31日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 大演習室)
総合討論(前日の発表に関する質疑と応答)
研究成果

本年度は、二つの異なった方向性をもった発表があった。まず、被支配者から見た支配者の表象についての研究発表として、サモア人から見た白人の表象、ケニアでの憑依霊儀礼に出現する白人、白人との法廷闘争におけるアボリジナルの視線、アイヌによる自己と他者との分類に関する発表群があげられる。また、客観的視点からラテンアメリカでのエスニシティに関する分類、植民地下台湾の先住民の分類についての発表もあった。次に、以上とは異なった方向性をもつものとして、先住民や被差別集団に関する法規定をテーマにした発表、フェミニズムにおいて白人女性が女性全般を代表することへの異議申し立てについての報告があった。これまでの発表における二つの方向性から、次年度では強調するべき点が明確になった。それは、被支配者側により支配する側が民族や人種として集団化され名指されるとき、現在、どのような理論的立場からそれらの名指しを評価し、考察するかという研究者自身の分析カテゴリーへの反省によって開かれる視点がいまだに存在することである。

2014年度

本共同研究会の進行については、研究期間全体を三段階に分けて計画を立てている。第一段階では、2014年11月~2015年5月まで3回の共同討論をおこなう。代表者による概念の説明とそれに関する参加者による議論を通し、問題関心の共有を図る。問題関心の共有とは、代表者と見解の一致させることが目的ではなく、被支配者側からの政治的分類に基づいた主張をどのようにうけとめることが可能かという大きな問いへの応答可能性の範囲を確定することである(太田、山本、竹沢、横田、川橋が担当)。

【館内研究員】 関雄二、竹沢尚一郎、寺田吉孝
【館外研究員】 青木恵理子、池田光穂、石垣直、川橋範子、慶田勝彦、辻康夫、深山直子、細川弘明、松田素二、山崎幸治、山本真鳥、横田耕一
研究会
2014年11月15日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室)
太田好信「共同研究会の趣意説明」
共同研究会(当日)参加者による自己紹介(共同研究会参加者全員)
太田好信「政治的分類としての人種とエスニシティ―リベラル民主主義と歴史の重み」(仮題)
質疑と応答
2014年11月16日(日)10:00~12:30(国立民族学博物館 第1演習室)
質疑と応答(継続) 共同研究会の今後の開催予定、成果発表までのプロセスに関する説明
2015年1月31日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室)
前回、欠席した共同研究会参加者の自己紹介(3名)
深山直子(東京経済大学)「『(ポスト)和解時代』におけるマオリの再組織化とパーケハーの可視化」
討論(質疑応答)
辻康夫(北海道大学)「多文化主義と『不可視性』の問題」
2015年2月1日(日)10:00~12:30(国立民族学博物館 第1演習室)
総合討論(前日の発表に関する質疑と応答)
研究成果

本年度は、2回の共同研究会を開催した。第1回目では、代表者が本共同研究を構想した過程を含め、目標と課題を説明した。研究者が集団の一員として名指される経験を人種主義や民族絶対主義として否定するのではなく、そこに理論的価値を見出すことができるのか、などという疑問について議論し、リベラル民主主義において自然化している発想を対象化する契機として、名指される経験を位置づけた。第2回目は、深山共同研究員がニュージーランドにおけるパーケハー(白人)とマオリとの関係性について、詳細な民族誌的資料に基づいた報告をおこなった。なかでも重要な点は、マオリの先住民性がニュージーランド在住のヨーロッパ系住民をしてパーケハーを自称するという現象が起きていることである。また、辻研究員は、憲法学の視点から、リベラル民主主義の枠内で人種主義を超え、いかにして多文化主義を構想できるか、規範論的認識に根差した報告をおこなった。