少子高齢・多文化社会における福祉・教育空間の多機能化に関する歴史人類学的研究(2009-2011)
目的・内容
本研究は、高齢化する多文化社会において、1)高齢者をはじめ人々が、ライフステージや立場によって限定されることなく、希望する多様な活動を可能にするための具体的な方法を構成する諸要素を明らかにすること、2)既存の高齢者関連施設や教育福祉施設の用途を拡張して、常に変化する人々の多様なニーズを充足させる企画の発信と、それを安定的に実践するための柔軟な施設活用の仕組みを提示すること、を目的とする。人々が孤立せずに生活し移動・交流や広範な活動を可能にする空間のデザイン・人員の配置と施設の重層性・開放性の関係性を、当該地域・社会のライフコースとライフコース間関係の歴史人類学的考察の裏づけと共に提示する。
活動内容
2011年度活動報告
高齢化する多文化社会におけるケアを考えることは、文化的背景を異にする人々が出会い、生活空間を共有する方途や状況について考察を深めることにほかならない。
本研究は、高齢化する多文化社会において、1)高齢者をはじめ人々が、ライフステージや立場によって限定されることなく、希望する多様な活動を可能にするための具体的な方法を構成する諸要素を明らかにすること、2)既存の高齢者関連施設や教育福祉施設の用途を拡張して、常に変化する人々の多様なニーズを充足させる企画の発信と、それを安定的に実践するための柔軟な施設活用の仕組みを提示すること、を目的とする。人々が孤立せずに生活し、移動・交流や広範な活動を可能にする空間のデザイン・人員の配置と施設の重層性・開放性の関係性を、当該地域・社会のライフコースとライフコース間関係の歴史人類学的考察の裏づけと共に提示する。
本研究の最終年度である平成23年度は、研究分担者・連携研究者が担当調査研究地域に関し、福祉・教育空間の多機能化の実態の補足データを収集した。調査研究の展開・成果公開は以下のとおりである。
1.研究発表:メンバー(研究分担者・連携研究者・研究協力者)はそれぞれの調査成果を国際学会・研究集会において公開した。
2.国際学会においてメンバーが、パネルやワークショップを海外(韓国、アメリカ合衆国)で開催した。
3.研究成果の一般社会への還元を念頭においた国際シンポジウム「エイジング―多彩な文化を生きる」を海外研究協力者(シンガポール、オーストラリア)も招聘し、開催した。
4.論考執筆:メンバーはそれぞれ学術論文集・書籍に論考を掲載した。
5.論文集出版:メンバーが共同で『「障害のない社会」にむけて―ウェルビーイングへの問いとノーマライゼーションの実践』(SER 102国立民族学博物館)を出版した。
2010年度活動報告
齢化する多文化社会におけるケアを考えることは、文化的背景を異にする人々が出会い生活空間を共有する方途や状況について考察を深めることにほかならない。本研究は、高齢化する多文化社会において、1)高齢者をはじめ人々がライフステージや立場によって限定されることなく、希望する多様な活動を可能にするための具体的な方法を構成する諸要素を明らかにすること、2)既存の高齢者関連施設や教育福祉施設の用途を拡張して、常に変化する人々の多様なニーズを充足させる企画の発信と、それを安定的に実践するための柔軟な施設活用の仕組みを提示すること、を目的としている。人々が孤立せずに生活し移動・交流や広範な活動を可能にする空間のデザイン・人員の配置と施設の重層性・開放性の関係性を、当該地域・社会のライフコースとライフコース間関係の歴史人類学的考察の裏づけと共に提示する。
研究メンバーは、北米、北欧、ペルー、日本の高齢者関連・教育福祉施設で現地調査を進めた。また海外研究協力者を招聘し、スウェーデンの高齢期の捉え方や高齢者の活動の特徴に関し専門的知識の提供を受けた。調査研究の展開・成果公開は以下のとおりである。
1.研究発表:メンバー(研究分担者・連携研究者・研究協力者)はそれぞれの調査成果を国際学会・講演会・研究会において公開した。研究成果の一般社会への還元を念頭においたシンポジウムも開催した。(研究分担者(陳天璽):華僑華人学会において華僑学校をテーマとしたシンポジウムを組織し、東京中華学校理事長、横浜中華学校の教諭、横浜山手中華学校校長などと多様化する学生への対応と、華人教育の内容と今後の課題について議論を行った。)
2.論考執筆:メンバーはそれぞれ学術論文集・書籍に論考を掲載した。
3.書籍出版:メンバーが共同で『高齢者のウェルビーイングとライフデザインの協働』(御茶の水書房、2010年)を出版した。
2009年度活動報告
本研究は、高齢化する多文化社会において、1)高齢者をはじめ人々が、ライフステージや立場によって限定されることなく、希望する多様な活動を可能にするための具体的な方法を構成する諸要素を明らかにすること、2)既存の高齢者関連施設や教育福祉施設の用途を拡張して、常に変化する人々の多様なニーズを充足させる企画の発信と、それを安定的に実践するための柔軟な施設活用の仕組みを提示すること、を目的とする。人々が孤立せずに生活し移動・交流や広範な活動を可能にする空間のデザイン・人員の配置と施設の重層性・開放性の関係性を、当該地域・社会のライフコースとライフコース間関係の歴史人類学的考察の裏づけと共に提示する。メンバーは、北米、ブラジル、日本の高齢者関連・教育福祉施設で現地調査を進めた。また海外研究協力者を招聘し、カナダの高齢者に関し専門的知識の提供を受けた。
調査研究の目的・成果の公開は以下のとおりである。
1.日本文化人類学会第43回研究大会分科会「教育人類学‐オルタナティブ教育から考える」(2009年5月31日 大阪国際交流センター)佐野(藤田)真理子「高等教育のユニバーサルデザイン化が変える大学教育」、金本伊津子「多文化社会におけるエイジングとライフロング・ラーニング」鈴木七美「オルタナティヴ教育と時のデザイン」
2.国際ワークショップ「広がる教育空間‐子どもたちのウェルビーイングから考える」(共催:オーフス大学・ノルウェー子ども研究所 2010年3月7日 国立民族学博物館)陳天璽「開かれるエスニック教育空間」、村田吉弘「すべての子にとって学びやすい『授業のユニヴァーサル・デザイン』の推進」、海野るみ「学校がコワい」、山本直美「芸・作務・祈りを含んだカリキュラム」、鈴木七美「ホームスクールにおける時のデザインと支援のネットワーキング」
3.書籍『高齢者のウェルビーイング‐心地よい生を考える』(2010年刊行予定)