国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

村から工場へ――東南アジア女性の近代化経験 ★

2011年2月17日刊行

平井京之介 著

NTT出版

出版物情報

主題・内容

タイ北部にある日系企業の組立工場で、地元農村から通っている女性工場労働者のフィールドワークをおこない、彼女たちの工場での振る舞い、言動を理解し、彼女たちの農村での家庭生活、農作業をつぶさに観察した。
東南アジアの農村がグローバル経済に飲み込まれ、社会や生活が変容する様子を明らかにした、日本では例が少ない労働者のエスノグラフィ。従来の「女工哀史」というとらえ方では見られない、生き生きとした姿が描かれる。

目次

序 章 工場のエスノグラフィ
タイ農村女性と工場労働
タイ北部の工業団地
調査地の選定理由
フィールドワーク
本書の構成
第一章 伝統的な仕事
「仕事」とは何か
稲刈りの作法
三つの雇用形態
雇用主と雇用者の関係
作業テンポと社会関係
第二章 工場の組織とマネジメント
恩田のプラスチックv 従業員
採用
日本的経営
コミュニケーション
オフィスと組立課
第三章 組立課の実態
組立作業
人事管理
組立課の階層秩序
説得の技術
オペレーターの抵抗
第四章 グループ余暇活動
余暇のグループ
ロマンチックな語り
霊媒カルト
カタログの消費
タン・サマイ
グループと伝統
第五章 家庭生活絵への影響
生活条件の変化
恋愛の自由
時間の組織化
家への投資
計算の精神
終 章 工場労働と文化変容
工場労働への適応
近代化の過程
家庭生活への変化
工場労働と自由