国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

ボツワナを知るための52章(エリア・スタディーズ99)

2012年5月31日刊行

池谷和信 編

明石書店

出版物情報

主題・内容

南アフリカの北の内陸国ボツワナ。有史以来ほとんど戦争が行われたことのない平和な国であり、安定した政治経済とともに豊かな自然環境を保持している。紛争や貧困を連想しがちなアフリカ大陸とは一味違う、もう一つのアフリカの姿を様々な角度から紹介する。

目次

はじめに――ボツワナとはどのような国か?
I 自然と環境
第1章 オカバンゴ・デルタ――カラハリの宝石
第2章 暑くて寒い気候――降水の変動も大きい
第3章 憎きライオン――カラハリの獣害問題
第4章 ミーアキャット――カラハリに暮らすかわいい猛獣
 【コラム1】アフリカ一のゾウの王国
第5章 カラハリの植生――多様なサバンナ
第6章 バオバブとモパネ――対照的なカラハリの木々
第7章 注目されるスイカの遺伝子――乾燥に強い作物を作る
第8章 カラハリ砂漠――誤った命名か?
II 多様な人びと
第9章 ツワナ人の暮らし――誇るべき伝統と民主主義
第10章 カラハリ人の暮らし――牛をこよなく愛する人びと
第11章 ヘレロ語を話す人びと――ヘレロ人とンバンデル人
第12章 ヘレロ女性の衣装に刻まれた歴史――民族のアイデンティティ形成
第13章 ボツワナにおけるコイサン諸語――「ホッテントット」と「ブッシュマン」の言語の集中的分布
第14章 サンの会話と語り――狩猟採集民グイの事例
第15章 サンの採集風景――ブッシュで生きる楽しみ
第16章 サンの音楽とダンス――村で流れる三つの音楽
第17章 エランドのように美しく――サンの初潮儀礼
第18章 異常出産――グイ/ガナにおけるケバマ儀礼の広がり
第19章 投げこまれる砂――あるサンの男性の葬儀をめぐって
III 生活と文化
第20章 食から見た村の暮らし――メニューと調理と食糧調達
第21章 スイカの栽培から利用まで――煮込み・丸焼き・蒸し焼き
 【コラム2】サンの昆虫食
第22章 カラハリ砂漠の狩猟――犬と人との絆
第23章 日常生活におけるかご工芸――ヤシを使ったかご作りの現場
第24章 新たに生まれたサン・アート――絵を描くアーティストの誕生
第25章 文学――ベッシー・ヘッドのことなど
IV 都市の日常
第26章 南アフリカとの密接な経済関係――スーパーマーケット
 【コラム3】押し寄せる中国人
第27章 都市に流通する昆虫食――干しイモムシ
 【コラム4】素朴な味わいボツワナ料理
第28章 衣服事情――伝統服の変遷
第29章 コンビ――ハボローネの庶民の足
第30章 リサイクル――ハボローネのごみ事情
第31章 サッカーと人びと――ゼブラーズフォーライフ
V 歴史
第32章 考古遺跡――今を生きる文化遺産
 【コラム5】古都セロウェの魅力
第33章 首長国の誕生と変貌――19世紀のツワナ人
第34章 植民地化と鉄道建設――植民地分割に翻弄される内陸国
第35章 アフリカーナーの移住とハンシーの牧場――カラハリ砂漠の白人マイノリティ
第36章 ハイナ平原を行き交う人びと――ボツワナ北西部の民族移動小史
第37章 1960年代のカラハリ探検――サンの生活とその岩壁画
第38章 独立国家への道――セレツェ・カーマ大統領の誕生
第39章 独立直後のボツワナの遠隔地――サンの平等社会
VI 政治経済と社会
第40章 現代の政治――伝統的なチーフと多党制
第41章 ボツワナにダイヤモンドあり――世界に誇るダイヤモンド生産国
第42章 牧畜と土地政策――伝統と開発のはざまで
第43章 原野につくりだされた小さな町――遠隔地開発計画の進展
第44章 遠隔地開発計画の光と影――あるサン女性の人生
第45章 カラハリ先住民の静かな戦い――ロイ・セサナ氏のライフヒストリー
第46章 多様な言語と言語政策――曲がり角にある多言語社会
第47章 遠隔地の小学校の現在――サンの居住地で
第48章 拡大するエイズ――対策と今後の課題
 【コラム6】HIV/エイズの現場
第49章 エコツーリズム事情――地域住民参加型のエコツーリズム
VII ボツワナと日本
第50章 JICAの活動から見たボツワナと日本――青年海外協力隊の20年
第51章 かご作りの造形的な可能性を探求し続けて――日本人アーティストが見たボツワナのかご
 【コラム7】ボツワナの「かご」と日本での展覧会
第52章 日本人によるボツワナ観光の現状――チョベ国立公園観光事情はじめに――ボツワナとはどのような国か?