国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

生をつなぐ家――親族研究の新たな地平 ★

2013年2月10日刊行

信田敏宏、小池誠 編

風響社
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

本書は、家屋という空間のなかで、どのような「つながり」を持った人びとが生活し、その「つながり」をいかにして過去から未来へ続かせようとしているのかを世界各地の事例を通して明らかにしている。

目次

序論 生をつなぐ家──過去から未来へ(小池 誠・信田敏宏)
●第1部 「家」とは何か
「家のない社会」における家原理──レヴィ=ストロースの「家」概念をアフリカから考える(小田亮)
イエ概念の再検討(遠藤央)風水と家──『葬経』の親族理論(渡邊欣雄)
●第2部 つながりを願う「家」
二〇世紀初頭における西部アイルランド農村の家の構造(清水由文)
宗門改帳からみる農民社会の「家」──史料をフィールドワークする(岡田あおい)
家継承と家族との相克──家相続と家存続を例として(大野啓)
●第3部 つながりを作り出す「家」
祖先と共に──タイ北部、ユーミエンのピャオ集団の核家族化過程に見られる「家」の構成原理(吉野晃)
家の連続性と非連続性──ブギス社会における親族と婚姻(伊藤眞)
ケニア・ルオ社会における象徴的「家」とその展開(椎野若菜)
月経小屋の消滅と高床式家屋の出現──パプアニューギニア・アベラム社会の性と家族(新本万里子)
●第4部 生と死をつなぐ「家」
「この世の家」と「あの世の家」──現代沖縄における家屋・墓・仏壇の移動と「家」の継承をめぐって(越智郁乃)
墓が刻むクロノロジー──マダガスカル、シハナカにおける祖先観の変化と〈家〉(森山工)
●第5部 今を生きる家
現代社会の「小さな『家』」 津上誠
家族なき時代の「家」(小池誠)
あとがき(小池誠)