No.67 Труды О МОНГОЛИИ И для МОНГОЛИИ Том 2

2007年2月22日刊行

составители Юки Конагая, Санжаасурэнгийн Баяраа, Ичинхорлоогийн Лхагвасурэн

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刊行の目的および意義

モンゴル国は旧ソ連につづいて世界で二番目に社会主義を採用し、ロシア人の指導のもとでさまざまな側面での近代化を果たしてきた。科学部門もまた同様に、ロシア人研究者の協力を得てアカデミーを設立するなど、発展してきた。そのなかで、シムコフはきわめて大きな役割を果たした人物のひとりである。彼は、中国内蒙古にあるカラホト遺跡の調査に際して考古学者コズロフに同行して1920年代に初めてモンゴルを訪れ、その後モンゴルでの調査に没頭した。その調査結果は、モンゴル国の国境確定、地方都市の位置選定など重要な政治的意味をもつばかりでなく、モンゴル国科学アカデミーの、とりわけ地理学・民族学部門の礎となった。しかし、スターリン時代に粛清され、1942年に獄死したと言われている。
社会主義時代のあいだに一度は名誉回復が行われたのち、民主化後、彼に関するモノグラフが刊行されたりしたけれども、彼の膨大な著作は、モンゴル国科学アカデミーにいわば凍結されたままであった。このたび1992年に公的に許可されて資料を収集した故シムコフの娘ナターリヤさん（アメリカ在住）の協力を得て、手稿を含めて資料を整理した成果を刊行することは、モンゴル国の民族学および地理学的研究を進めるうえで、きわめて重要な国際的学界貢献となることは疑いない。
資料は膨大であるために、分冊することとし、第1巻はSER66号である。
本書は、第２巻に相当する。これは、1930年代の遊牧関係の資料を中心としている。とくに、植生分布、移動パターンの分析、遊牧民の一般的な生活に関する当時の状況を伝えている。社会主義的集団化が本格的に開始される以前の実態を今日に伝えるという点で、ほとんど唯一の資料として注目されてきた。また、実は伝統的な農耕も遊牧民自身が各地で携わってきたことが描写されている点なども注目に値する。これまで読まれなかった読み方も可能な、重要な資料となっている。

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