国立民族学博物館研究報告 1994 19巻2号
目 次
植民地期メキシコにおけるインディオ騒動の政治経済学
―1774年トラルマナルコ村(チャルコ地方)の事例― |
安村直己
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173
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1917年バリ大地震
―植民地状況における文化形成の政治学- |
永渕康之
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259
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ギリアマにおける妖術告発とパパイヤのキラホをめぐる噂
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慶田勝彦
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311
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彙 報
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349
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国立民族学博物館研究報告寄稿要項
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355
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国立民族学博物館研究報告執筆要領
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356
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BULLETIN OF THE NATIONAL MUSEUM OF ETHNOLOGY Vol. 19 No. 2 1994
YASUMURA, Naoki
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The Political Economy of an Indian Rebellion in Colonial Mexico: The Case of Tlalmanalco, Chalco Region, in 1774
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173
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NAGAFUCHI, Yasuyuki
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Colonial Narratives on Demolished Culture: The Great Earthquake in Bali, 1917
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259
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KEIDA, Katsuhiko
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Accusations of Witchcraft and the Oath of Pawpaw (Kiraho cha Kapapayu) among the Giriama of Kenya
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311
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植民地期メキシコにおけるインディオ騒動の政治経済学
―1774年トマルマナルコ村(チャルコ地方)の事例―
―1774年トマルマナルコ村(チャルコ地方)の事例―
安村 直己*
The Political Economy of an Indian Rebellion in Colonial Mexico:
The Case of Tlalmanalco, Chalco Region, in 1774
The Case of Tlalmanalco, Chalco Region, in 1774
Naoki YASUMURA
* 国立民族学博物館第4研究部
Key Words:Indian rebellion, colonial Mexico, community politics, agrarian problems, Bourbon reforms
キーワード:インディオ騒動,植民地期メキシコ,共同体内政治,土地問題,ブルボン朝諸改革
キーワード:インディオ騒動,植民地期メキシコ,共同体内政治,土地問題,ブルボン朝諸改革
はじめに
1. 歴史的背景
1-1. 先スペイン期のナワ・インディオ社会
1-1-1. 政治構造
1-1-2. 社会構造
1-1-3. 土地所有構造
1-2. スペインによる征服のインディオ社会へのインパクト
1-2-1. アルテペトルへのカビルドの導入
1-2-2. 社会構造と土地所有構造における連続性と変化
1-2-3. インディオ社会の細分化
1-3. チャルコ地方の歴史
2. トラルマナルコ騒動
2-1. トラルマナルコ文書の性格と構成
2-2. トラルマナルコ騒動の経緯
2-2-1. 塔の解体決定にいたるプロセス
2-2-2. 総代官マルティネスの報告
2-2-3. 尋問調書の内容
2-2-4. 批判的考察
2-3. 騒動後の駆け引き(l)
2-3-1. ベラスケスの請願書
2-3-2. マルティネスの反論
2-3-3. 解体反対派の攻勢
2-3-4. 解体推進派の結束
2-3-5. 批判的考察
2-4.騒動後の駆け引き(ll)
2-4-1. インディオ総合裁判所の対応
2-4-2. ベラスケスらの再攻勢
2-4-3. 総代官グラハーレスの対応
2-4-4. 批判的考察
2-5. トラルマナルコ騒動の構図
3. トラルマナルコ騒動の政治経済学
3-1. チャルコ地方における土地問題
3-1-1. 土地訴訟の数量的分析
3-1-2. インディオ同士の土地訴訟
3-1-3. 政治的党派と土地問題
3-1-4. インディオ村落共同体と外部世界
3-2. 1760年代,1770年代のヌエバ・エスパーニャの政治状況
3-2-1. ブルボン朝諸改革と総巡察使ホセ・デ・ガルベス
3-2-2. チャルコ地方におけるブルボン朝諸改革
3-3. 騒動への道
3-3-1. 1760年代の村落共同体内の政治情勢
3-3-2. 新しい勢力配置と外部世界
3-3-3. 従属的党派の戦略としての騒動
3-4. トラルマナルコ騒動の歴史的意義
おわりに
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1917年バリ大地震
―植民地状況における文化形成の政治学―
―植民地状況における文化形成の政治学―
永渕 康之*
Colonial Narratives on Demolished Culture:
The Great Earthquake in Bali, 1917
The Great Earthquake in Bali, 1917
Yasuyuki NAGAFUCHI
* 名古屋工業大学,国立民族学博物館研究協力者
Key Words:Bali, Indonesia, colonial situation, tradition, construction of culture
キーワード:バリ,インドネシア,植民地状況,伝統,文化の形成
キーワード:バリ,インドネシア,植民地状況,伝統,文化の形成
はじめに
Ⅰ.1917年大地震とその歴史的意味
Ⅱ.ブサキ寺院再興問題
Ⅲ.プリ再建問題
Ⅳ.文化をめぐる論争
おわりに
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ギリアマにおける妖術告発とパパイヤのキラホをめぐる噂
慶田 勝彦*
Accusations of Witchcraft and the Oath of Pawpaw(Kiraho cha Kapapayu) among the Giriama of Kenya
Katsuhiko KEIDA
*九州公立大学,国立民族学博物館共同研究員
Key Words:Kenya, Mijikenda, witchcraft, ordeal, modernization
キーワード:ケニア,ミジケンダ,妖術,神判,近代化
キーワード:ケニア,ミジケンダ,妖術,神判,近代化
1. はじめに――幼児2人の連続死
2. パパイヤのキラホに至る過程
3. ムブルーガと妖術
4. キラホについて
5. キラホの結果と解釈
6. 妖術告発と社会関係
7. 表象としての妖術使い
8. 死と妖術告発
9. おわりに――妖術現象と「歴史」
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