国立民族学博物館研究報告 1997 22巻2号
目 次
合成素材の分析・識別法に関する基礎研究
-アルキド絵具を例として- |
園田直子
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249
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カースト競合の「場」としてのカリスマ的演奏家
-T・N・ラージャラッティナム・ピッライと南インド古典音楽文化- |
寺田吉孝
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283
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西藏江孜白居寺壁画风格及其画境追求
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熊 文彬
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327
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縄文時代後期の関東地方における漁労活動
-先史生業活動復元へのGISの応用- |
内山純蔵
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375
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移住と生業戦略
-インドネシア,セラム島の農村における生業活動と食物利用- |
口蔵幸雄
野中健一
須田一弘
須田和代
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425
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エスニシティの探究
-中国の民族に関する私の研究と見解- |
費 孝通
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461
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彙 報
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481
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国立民族学博物館研究報告寄稿要項
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487
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国立民族学博物館研究報告執筆要領
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488
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BULLETIN OF THE NATIONAL MUSEUM OF ETHNOLOGY Vol. 22 No. 2 1997
SONODA,Naoko
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Basic Study on the Analysis of Synthetic Materials in Museums:PGC and THM Applied to the Characterization of Alkyd Paints Containing Synthetic Organic Pigments
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249
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TERADA,Yoshitaka
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A Charismatic Musician as a Site for Caste Rivalry: T. N. Rajarattinam Pillai and Music Culture in South India
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283
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XIONG,Wen-Bin
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The Style of Wall Painting and Its Artistic State in Gyantse Monastery in Tibet
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327
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Uchiyama, Junzo
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Jomon Fishing Activity in the Kanto District in the Late Phase(4,000-3,000ybp): Spatial Analysis of Prehistoric Subsistence Using GIS
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375
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UCHIYAMA,Junzo
KUCHIKURA,Yukio
SUDA,Kazuhiro
SUDA,Kazuyo
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Subsistence Strategies of the Immigrant Households in a Coastal Village of Seram, Indonesia
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425
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FEI, Xiao-Tong
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Investigating Ethnicity: My Studies and Views of Ethnic Groups in China
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-アルキド絵具を例として-
園田 直子*
Basic Study on the Analysis of Synthetic Materials in Museums:PGC and THM Applied to the Characterization of Alkyd Paints Containing Synthetic Organic Pigments
Naoko SONODA
* 国立民族学博物館第5研究部
Key Words: alkyd paints,synthetic organic pigments,PGC(pyrolysis-gas chromatography), THM(thermally assisted hydrolysis and methylation)
キーワード:アルキド絵具,合成有機顔料,熱分解ガスクロマトグラフィー,反応熱分解を利用した(TMAH 共存下における)熱分解ガスクロマトグラフィー
キーワード:アルキド絵具,合成有機顔料,熱分解ガスクロマトグラフィー,反応熱分解を利用した(TMAH 共存下における)熱分解ガスクロマトグラフィー
はじめに
1 アルキド絵具
1.1 アルキド絵具
1.2 合成有機顔料の概要
2 分析・識別法
2.1 熱分解ガスクロマトグラフィー
2.2 TMAH共存下における熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析
3 今回使用した実験条件
3.1 熱分解および反応熱分解
3.2 ガスクロマトグラフィー
4 熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析
4.1 アルキドメディウムの分析
4.2 アルキド絵具の分析
5 TMAH共存下における熱分解ガスクロマトグラフィーによる分析
5.1 アルキドメディウムの分析
5.2 アルキド絵具の分析
6 考察および今後の課題
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カースト競合の「場」としてのカリスマ的演奏家
-T.N.ラージャラッティナム・ピッライと南インド古典音楽文化-
-T.N.ラージャラッティナム・ピッライと南インド古典音楽文化-
寺田 吉孝*
A Charismatic Musician as a Site for Caste Rivalry: T. N. Rajarattinam Pillai and Music Culture in South India
Yoshitaka TERADA
* 国立民族学博物館第2研究部
Key Words:South India,caste rivalry,Isai Vēlālar,music,charisma
キーワード:南インド,カースト競合,イサイ・ヴェーラーラル,音楽,カリスマ
キーワード:南インド,カースト競合,イサイ・ヴェーラーラル,音楽,カリスマ
1 はじめに
2 カリスマ的音楽家の分析
3 南インド古典音楽文化におけるカースト関係
4 ラージャラッティナム・ピッライに関する複数の解釈
A 音楽的属性
即興演奏
声楽
師弟関係
B 生活習慣・性向
飲食の習慣
気まぐれな性格
性的過剰
贅沢指向と経済観念の欠如
C イサイ・ヴェーラーラルの対抗的解釈
抵抗としての模倣
D イサイ・ヴェーラーラルの蔦藤
5 マルットゥヴァル演奏家の場合
6 おわりに
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西藏江孜白居寺壁画风格及其画境追求
熊 文彬*
The Style of Wall Painting and Its Artistic State in Gyantse Monastery in Tibet
XIONG,Wen-Bin
* 中国藏学研究中心科
Key Words:Gyantse Monastery in Tibet,wall painting, artistic style, aesthetic contents, artistic staten
キーワード:西戎江孜白居寺,壁画,风格,审美内容,画境
キーワード:西戎江孜白居寺,壁画,风格,审美内容,画境
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縄文時代後期の関東地方における漁労活動
-先史生業活動復元へのGISの応用-
-先史生業活動復元へのGISの応用-
内山 純蔵*
Jomon Fishing Activity in the Kanto District in the Late Phase(4,000-3,000ybp): Spatial Analysis of Prehistoric Subsistence Using GIS
Junzo UCHIYAMA
* 国立民族学博物館共同研究員
Key Words:GIS,spatial structure,Jomon period,Kanto district,bone fishing tools,faunal remains
キーワード:地理情報システム,地域構造,縄文時代,関東地方,骨角製漁労具,動物遺存体
キーワード:地理情報システム,地域構造,縄文時代,関東地方,骨角製漁労具,動物遺存体
1 本論の目的とGIS
1.1 縄文時代の生業研究の現状と本論の目的
1.2 地域構造の復元とGISの利用
1.3 考古学における GISの将来性と本論の意義
1.4 本論における GIS利用のための処置
2 骨角製漁労具の分布から見た漁具文化 -骨角製漁労具の空間分析-
2.1 後期における骨角製漁労具と漁労活動の活発化
2.2 骨角製漁労具の定義
2.3 骨角製漁労具の通時的展開
2.4 後期における骨角製漁労具にみる地域的特徴
2.5 後期における2つの漁具文化
2.6 骨角製漁労具の分布上の偏りとその意味
3 捕獲対象から見た漁労活動
3.1 分析の対象と方法
3.2 分析の基準
3.2.1 分析の基準1-水環境の分類-
3.2.2 分析の基準2-魚類の棲域に基づく分類-
3.2.3 分析対象の遺跡
3.3 各遺跡の状況と結果
3.3.1 湾奥部の貝塚
3.3.2 湾口部の貝塚
3.4 魚種構成からみた後期漁労の2類型
3.5 魚骨からみた後期漁労の特徴-中期との比較-
4 結論と考察-後期における外海性漁労の活発化とその背景-
4.1 後期における漁労活動からみた地域構造
4.1.1 外海性漁労の活発化と骨角製漁労具
4.1.2 湾奥部と湾口部の空間関係
4.2 後期漁労の成立過程と今後の展望
4.3 考古学における GIS活用のための課題
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移住と生業戦略
-インドネシア,セラム島の農村における生業活動と食物利用-
-インドネシア,セラム島の農村における生業活動と食物利用-
口蔵 幸雄*, 野中 健一**
須田 一弘***, 須田 和代****
須田 一弘***, 須田 和代****
Subsistence Strategies of the Immigrant Households in a Coastal Village of Seram, Indonesia
Yukio KUCHIKURA, Kenichi NONAKA, Kazuhiro SUDA, Kazuyo SUDA
* 岐阜大学地域科学部,国立民族学博物館共同研究員
** 三重大学人文学部,国立民族学博物館共同研究員
*** 北海学園大学人文学部,国立民族学博物館共同研究員
**** 東京外国語大学大学院
** 三重大学人文学部,国立民族学博物館共同研究員
*** 北海学園大学人文学部,国立民族学博物館共同研究員
**** 東京外国語大学大学院
Key Words:Indonesia,Seram,sago,clove,subsistence activities,food use,inter-household variations,migration
キーワード:インドネシア,セラム島,サゴヤシ,チョウジ,生業活動,食物利用,世帯間変異,移住
キーワード:インドネシア,セラム島,サゴヤシ,チョウジ,生業活動,食物利用,世帯間変異,移住
Ⅰ 序
Ⅱ 調査地,調査方法,生業活動
1 サフラウ村
2 調査方法
3 生業活動
農業
家畜飼育
サゴ澱粉作り
漁業
狩猟および野生食物の利用
Ⅲ 生業パタンと現金収入
1 生業パタンと現金収入の世帯間変異
2 「先住」世帯と「移住」世帯間の生業
パタンの比較
Ⅳ 食物利用
1 主食と副食の構成と頻度
2 生業パタソによる主食と副食の構成の変異
3 食費
Ⅴ 討論とまとめ
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エスニシティの探究
-中国の民族に関する私の研究と見解-
-中国の民族に関する私の研究と見解-
費 孝 通*
訳 塚田 誠之**
訳 塚田 誠之**
Investigating Ethnicity: My Studies and Views of Ethnic Groups in China
Xiao-Tong FEI
* 北京大学社会人類学研究所
** 国立民族学博物館第2研究部。本稿は,費孝通教授の中国語による論文を邦訳したものである。それは1996年10月11日・12日に国立民族学博物館で開催された国際研究集会「中華民族多元一体論と中国における民族間関係」における報告「簡述我的民族研究経歴和思考」をもとに,加筆をお願いしたものである。訳出に当って原文の“ ”は「 」と,《 》は『 』とした。また,分かり難い表現については,原文を生かした上で,初出時に[ ]を付して訳者が補足をした。なお北京大学社会学人類学研究所馬戎教授および大阪大学大学院(言語文化研究科)木村自氏の協力を得たが,訳出に関するすべての責任は訳者にある。
** 国立民族学博物館第2研究部。本稿は,費孝通教授の中国語による論文を邦訳したものである。それは1996年10月11日・12日に国立民族学博物館で開催された国際研究集会「中華民族多元一体論と中国における民族間関係」における報告「簡述我的民族研究経歴和思考」をもとに,加筆をお願いしたものである。訳出に当って原文の“ ”は「 」と,《 》は『 』とした。また,分かり難い表現については,原文を生かした上で,初出時に[ ]を付して訳者が補足をした。なお北京大学社会学人類学研究所馬戎教授および大阪大学大学院(言語文化研究科)木村自氏の協力を得たが,訳出に関するすべての責任は訳者にある。
Key Words:ethnic groups(nation),system of integrated ethnic diversities,history,shared psychological quality(ethnos),interrelationships among ethnic groups
キーワード:民族,多元一体格局,歴史,共同心理素質,民族間関係
キーワード:民族,多元一体格局,歴史,共同心理素質,民族間関係