国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

在学生の研究内容

更新日時:2019年4月16日

八木風輝YAGI Fuki

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専攻

比較文化学専攻

指導教員

主指導教員:福岡正太/副指導教員:藤本透子

研究題目

中央アジアにおけるカザフ民族音楽の越境的な形成と実践に関する人類学的研究

研究キーワード

モンゴル国のカザフ人、カザフ音楽、音楽教育、改良楽器、音楽アーカイブ

研究の概要

私はモンゴル国に計30か月間滞在し、中央アジアに広く居住するカザフ人が伝えるカザフ音楽に興味を持ち、調査を行っている。
1930年代にカザフスタン(当時カザフ共和国)で楽譜の導入、民俗楽器オーケストラの設立、楽器の改良が行われ、カザフ音楽は制度化された。これにより、人の移動を含めたカザフ音楽の越境が可能となり、1950年代にカザフ人が住むモンゴル国バヤンウルギー県へも、制度化されたカザフスタンのカザフ音楽が移植された。
バヤンウルギー県音楽ドラマ劇場内のカザフ民俗楽器オーケストラという組織は、このような歴史的背景によって1959年に誕生した。ところが、オーケストラでは、制度化されたカザフ音楽の演奏だけではなく、モンゴル国のカザフ人が伝えてきた(制度化されていない)カザフ音楽の収集と演奏が同時に行われてきた。
このように越境したカザフ音楽とローカルなカザフ音楽の両方が、バヤンウルギー県において維持、教育されてきた。そこで、私は以下の3点を中心に調査を行っている。
①モンゴル国バヤンウルギー県に保管されている社会主義期の音源のアーカイブス化を通じた、過去のカザフ音楽についての調査。
②カザフ民俗楽器オーケストラにおける改良楽器奏者への音楽教育についての調査。
③カザフ民俗楽器オーケストラ内のある改良楽器奏者による、カザフスタンの改良楽器コミュニティへの越境的な参加についての調査。
これらの調査を通じて、カザフスタンとモンゴル国の間で演奏されるカザフ音楽の一端を明らかにできると考えている。

研究成果レポート