「コラム」:ベトナムにおける日本イメージの消費 さむらい・りきし@ベトナム
[写真1] サムライSamurai
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[写真2] リキシLuc Si
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ベトナム語には、「武士」という単語があるにも関わらず、あえて「サムライ」と銘々し、一応「サムライ」風ともいえるイメージキャラクターを図柄として取り入れているのは、コカ・コーラのお膝元アメリカでの日本文化に対するイメージが影響しているのであろうか。「リキシ」はというと、ベトナム語では重量挙げ選手といった強健な男性を意味しており、決して「相撲」レスラーを指すわけではないが、漢字表記すると「力士」となる点で、その背景にある言語文化的な相違に面白みをおぼえる。
ちょっと不思議なこの2缶が一般のベトナム人の間で日本文化に結び付けられるのは、遠い道のりのような気もする。肝心な中身であるが、日本にもありがちな、多少薬品ぽく、つくられた感じの味がする黄色い飲み物となっている。「マッチョ」な自分を夢見て、ウエストに手をあてグビグビとこれを飲み干すベトナム人男性を想像してしまうのは、筆者だけだろうか。