国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2008年3月24日(月) ~3月25日(火)
研究フォーラム「近代社会における指導者崇拝」

  • 日 時:2008年3月24日(月)― 25日(火)
  • 会 場:国立民族学博物館 第6セミナー室
 

趣旨

個人崇拝は人類の歴史において普遍的に見られる社会的現象であり、指導者の個人崇拝は近代の国民国家の形成、特に社会主義国家形成のプロセスにおいて特に顕著に見られる文化的・政治的現象である。本研究フォーラムは文化人類学、歴史学と宗教学の視点から、近代国家の生成過程に見られる指導者の個人崇拝という共通の社会的・文化的現象に焦点をあてて、中華人民共和国、中華民国、モンゴル、ルーマニア、西アフリカの指導者崇拝の実態と仕組み、個人崇拝を生み出す文化的・宗教的・政治的背景を分析し、複数の地域と異なる社会体制の比較研究を通して、近代社会における指導者崇拝の動態と本質を見出すものである。

なお、本企画は近代の指導者個人崇拝と東アジア、東北アジア、東欧社会及び西アフリカの民間信仰における神崇拝と英雄崇拝との比較を試みることによって、近代社会における個人崇拝の生成の一般化という理論の構築につながることが期待できる。

プログラム

3月24日(月)
13:30-13:40 趣旨説明と問題提起:韓敏(民博)
13:40-14:40 発表:陳茜(中国・南京大学歴史学部)
中華民国の国民国家の建設過程における孫文の個人崇拝(中国語通訳徐素娟)
The Cult of Sun Yat-sen in the Progress of Constructing Nation-state in Republic of China
14:40-15:10 コメント:韓敏(民博)
<質疑応答>  
15:10-15:30 休憩
15:30-16:30 発表:ナサンバヤル(中国・内蒙古大学民族学与社会学学院民族学系)
ネーションとエスニック英雄としてのスフバートルとウランフ―比較の視点(中国語通訳エルデンチロ)
Suhebaatar and Ulanhu as National / Ethnic Heroes: A Comparative Perspective
16:30-17:30 コメント:思沁夫(大阪大学)
<質疑応答>  
3月25日(火)
10:00-10:50 発表:韓敏(民博)
近現代中国における毛沢東の象徴的意味
Symbolic Meanings of Mao Zedong in Modern China
10:50-11:10 コメント:佐々木史郎(民博)
<質疑応答>  
11:10-12:00 発表:新免光比呂(民博)
コドレアヌとチャウシュエスク――ルーマニアにおける指導者崇拝の系譜
Codreanu and Ceausescu――The Personal Worship of Leaders in Romania
12:10-12:40 コメント:井上まどか(成城大学)
<質疑応答>  
12:40-14:00 休憩
14:00-14:50 発表:竹沢尚一郎(民博)
独立後西アフリカの指導者崇拝
Personal Worship of Leaders of the Independence of West Africa
14:50-15:20 コメント:新免光比呂(民博)
<質疑応答>  
15:20-15:40 休憩
15:40-17:00 コメント:中牧弘允(民博)