国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2004年10月8日(金)
国立民族学博物館公開講演会「震災10年が問うNGO・NPO―国際協力への提言―」

  • 日 時:2004年10月8日(金) 18:00~20:00
  • 場 所:日経ホール(日本経済新聞社ホール)
        東京都千代田区大手町1-9-5
        日本経済新聞社東京本社ビル内
  • 主 催:国立民族学博物館 / 日本経済新聞社
  • 定 員:600名(参加費無料)

国立民族学博物館は、我が国における民族学・文化人類学研究の中核的研究機関として、先導的な役割を果たすために、全国の研究者との協力体制のもとに先端的な研究活動を行ってきました。
その研究活動の成果は、学会への発表、博物館における展示として一般に公開しているほか各種の出版物として発表しています。しかし、先導的な学術研究機関としての先端的な研究活動の成果を広く一般市民に理解してもらう活動は未だ十分とはいえない状況にあります。
このことから、NGO・NPO活動の現地主義とその戦略的課題をとりあげて、公開講演会を開催し、研究活動の成果の社会還元を積極的に行い、一般市民に広く国立民族学博物館が学術研究機関であることの認識を深めてもらうことを目的とします。

プログラム

17:00~18:00 受付
18:00~18:05 開会 日本経済新聞社 大阪本社編集局社会部 部長 山下 明
18:05~18:10 挨拶 国立民族学博物館長 松園万亀雄
18:10~19:00(50分) 講演1 「災害と復興-被災地支援の現場から」
    民族社会研究部助教授 林勲男
19:00~19:50 (50分) 講演2 「NGO・NPO活動の世界戦略-組織運営の現場から」
    文化資源研究センター教授 出口正之
19:50~20:00 質疑応答

講演内容

講演1「災害と復興─被災地支援の現場から」 林勲男(はやしいさお)

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1995年1月の阪神淡路大震災からまもなく10年を迎えようとしています。この巨大災害は、被害の大きさだけでなく、かつてないほどの大勢のボランティアが被災地に駆けつけ、被災者への支援活動をおこなったことでも知られています。そして、この災害をきっかけとして、海外で発生した災害でも、被災者を支援する活動が高まりを見せ、様々な取り組みが続けられています。災害被災地の復興や被災者の生活再建に向け、さらには防災・減災への国際的な協力関係の樹立に向けて、具体的な事例から問題とその解決の道を考えたいと思います。

〈講演者プロフィール〉
南太平洋の文化や歴史について研究し、おもにパプアニューギニアでフィールドワークをおこなっている。近年はニューギニアの津波被災地の復興過程を調査し、自然災害がもたらす影響や防災に関して比較研究を推し進めている。 編著に『オセアニア近代史の人類学的研究』や『ジョージ・ブラウン・コレクションの研究』などがある。2004年4月から京都大学防災研究所巨大災害研究センター客員助教授を併任。

講演2「NGO・NPO活動の世界戦略─組織運営の現場から」 出口正之(でぐちまさゆき)

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国際協力の現場では、国境を越えて、あるいは、「国家」を意識することなく、NGO、NPOと呼ばれる組織が活躍しています。NGO、NPOについては応援者がたくさんいる一方で、その存在に頭から懐疑的な人もいます。日本では阪神淡路大震災以後、ようやく世間から注目されましたが、NGO、NPOの社会的役割の増大は、社会主義の崩壊と福祉国家の行き詰まりから、20世紀後半にはっきりと諸外国でもその足跡を残しております。NGO、NPOの実態を、9・11以後の変化などを踏まえ、制度面との関係も含めお話します。

〈講演者プロフィール〉
NPO、フィランソロピー(NPOへの助成活動)、メセナなどを研究。最近、国際的な活動を行うNPO研究の中から、世界分断のキーワードとして「言政学」を提唱。87ヵ国の会員がいる国際NPO・NGO学会(ISTR)会長に05年1月1日付で就任予定。政府税制調査会特別委員として、NPOの制度改革にも係わる。

 

当日の様子

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