国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2016年3月25日(金)
みんぱく公開講演会「ワールドアートの最前線―アイヌの文様とエチオピアの響き」

チラシダウンロード[PDF:917KB]
  • 日 時:2016年3月25日(金)
        18:30 - 20:45(開場17:30)
  • 場 所:オーバルホール
       (大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞社ビルB1)
  • 主 催:国立民族学博物館、毎日新聞社
  • 定 員:480名
  • 参加費:無料(要事前申込/「参加証」が必要です)
  • 手話通訳あり
 

趣旨

「ワールドアート」とは何でしょうか。ワールドアートとは、近年のアート(芸術)研究の流れのなかから生み出された言葉です。この言葉は、西洋中心的な芸術概念に偏重する傾向のあった従来の研究を反省し、批判的にとらえて、アートいう枠組み自体を考え直していこうとする人びとによって使われています。そこでは、従来ではとてもアートとは考えられてこなかったものまで積極的に取り扱われるようになってきています。たとえばこれまでは、むしろ人類学、考古学といった学問分野の対象となるようなものであったり、工芸、手芸など作品としての質の高さは認められながらも芸術品として扱われなかったようなさまざまな事物を旺盛に研究の対象に取り込んでいます。
大阪講演会では、現在のアート(芸術)の世界でどのような変化が起きているのか、その変化と現在の姿、さらには将来について、日本と海外のデザインや音楽を対象に、アートという概念自体やその境界を問い直す、ワールドアートの動向について、紹介していきます。講演とその後のディスカッションを通じて、ワールドアートの最前線とこれからについてみていきます。

プログラム

総合司会:南真木人(国立民族学博物館准教授)
17:30 - 18:30 開場(受付)  
18:30 - 18:35(5分) 開会 小菅洋人(毎日新聞大阪本社編集局長)
18:35 - 18:40(5分) 挨拶 須藤健一(国立民族学博物館長)
18:40 - 19:15(35分) 講演1 「アイヌの衣服の素材と文様」
佐々木史郎(国立民族学博物館教授)
19:15 - 19:50(35分) 講演2 「職能者からアーティストへ―世界に羽ばたくエチオピアの楽師たち」
川瀬慈(国立民族学博物館助教)
19:50 - 20:10(20分) 休憩  
20:10 - 20:45(35分) パネル・ディスカッション 上羽陽子(国立民族学博物館准教授)×佐々木史郎×川瀬慈
進行:丹羽典生(国立民族学博物館准教授)

申込方法

「3月25日講演会参加希望」と明記の上、次の1)~5)を記載し、ハガキ、FAX、メールにてお申し込みください。
1)郵便番号
2)住所
3)氏名
4)連絡先電話番号
5)今後の講演会などのご案内送付希望の有無(次のア~ウのうち希望する記号 → ア.講演会を含む国立民族学博物館主催の研究会・催物等の案内を希望する/イ.講演会のみの案内を希望する/ウ.いずれの案内も希望しない)
2月下旬より順次参加証を発送する予定です。
※応募者多数の場合は、ご参加いただけない場合もございます。
※2名様以上でお申し込みの場合は、それぞれの方について1)~5)をご記載ください。
※手話通訳をご希望される方、車椅子をご利用される方は、お席を用意いたしますので、お申し込みの際に必ずその旨をご記載ください。
※参加申込をいただいた方の個人情報は、参加証の発送、次回以降の講演会などのご案内以外には使用いたしません。

宛先

  • 〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園10-1
  • 国立民族学博物館 研究協力課研究協力係 宛
  • FAX 06-6878-8479
  • メールアドレス koenkai@idc.minpaku.ac.jp

注意事項

  • 会場には必ず参加証をご持参ください。参加証はお一人様につき一枚必要です。
  • 参加証をお持ちでない方は会場には入れないことがありますのでご注意ください。

お問い合わせ先

  • 国立民族学博物館 研究協力課研究協力係
  • TEL 06-6878-8209

講演内容

講演1「アイヌの衣服の素材と文様」

最近の研究では、北海道に暮らすアイヌの人々の間でも江戸時代初期から絹や木綿の 衣服と布地が流入して、晴着やその文様にふんだんに使われていたことがわかってきました。しかも、時代を遡るほどよい素材が使われる傾向にあります。この講演では、北海道とロシアの博物館に収蔵されているアイヌの古い衣服から、その素材と文様の歴史を追います。

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<講師紹介>
佐々木史郎(国立民族学博物館教授)

東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。学術博士。国立民族学博物館助手、 大阪大学助教授、国立民族学博物館助教授を経て、2003年同教授。ロシアのシベリアや極東地方の先住民族のトナカイ飼育と狩猟活動、そして同地域の近世史と近代史の研究に従事する。

 
講演2「職能者からアーティストへ―世界に羽ばたくエチオピアの楽師たち」

古よりエチオピア北部の社会において音楽を担ってきた楽師アズマリは、近年ポピュラーミュージックの世界やエチオピア国外の音楽シーンにおいても活躍するようになりました。地域社会の職能者から“表現者/アーティスト”まで姿を変えつつ、グローバルに活動する彼らを紹介します。

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<講師紹介>
川瀬慈(国立民族学博物館助教)

アフリカ、主にエチオピアの音楽を対象にした人類学研究、
及び映像作品の制作を行う。共編著に『アフリカン・ポップス!―文化人類学から
みる魅惑の音楽世界』(明石書店、2015 年)『フィールド映像術』(古今書院、2015 年)等。
フィルモグラフィ www.itsushikawase.com

 
パネル・ディスカッション
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<コメンテーター紹介>
上羽陽子(国立民族学博物館准教授)

専門は民族芸術学、染織研究。インドを中心に南アジアで刺繍、染め、織りなどの手工芸調査に従事。著書に『インド、ラバーリー社会の染織と儀礼-ラクダとともに生きる人びと』(昭和堂、2006 年)、『インド染織の現場-つくり手たちに学ぶ』(臨川書店、2015 年)などがある。

 
地図

オーバルホール(大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞社ビルB1)

  • ○ JR大阪駅(桜橋口)から地下道にて徒歩約8分
  • ○ 阪神梅田駅・地下鉄西梅田駅から徒歩約8分
  • ※車でのご来場はご遠慮ください。