国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2006年10月11日(水)
《機関研究成果公開》研究集会「人間を中心にしたマラリア対策―ミャンマーJICAプロジェクトからの提言」

  • 日時:10月11日(水)18:00~20:30
  • 場所:長崎市長崎ブリックホール第2会場
  • 使用言語:日本語・英語
 

目的

本研究集会の目的は、ミャンマーで行われているJICAマラリア対策プロジェクトを事例とすることで、これからのマラリア対策の進むべき方向性について議論することである。従来の日本の医療協力におけるマラリア対策は、マラリア原虫や媒介蚊の対策活動に焦点を置く傾向にあったが、そこからはともすると地域社会においてマラリアとつきあいながら生活している人々の視点が抜け落ちがちであった。しかし、有効なワクチンが未だ開発されないなか、地域社会におけるマラリア対策の担い手をも含めた「マラリアとともに暮らす人々」の視点に立脚したマラリア対策、すなわち「人間を中心にしたマラリア対策」を構想してゆくことが、今後きわめて重要な課題となってくるのではないか。こうした問題意識に基づき、本研究集会では文化人類学をはじめとした社会科学の視点を導入することの意義や問題点、国際機関との連携のあり方などについても議論を行う。なお、本研究集会は、10月11日から13日まで長崎市で開催される第47回日本熱帯医学会・第21回日本国際保健医療学会連合大会のなかで実施されるものである。

 

プログラム

司会:白川千尋(民博)

18:10~18:25 中村正聡(JICA マラリア対策専門家・ミャンマー主要感染症対策プロジェクト)
 「本集会の目的」
18:25~18:40 アウン・ティ(東北大学大学院、ミャンマー保健省)
 「Malaria Situation in Myanmar」
18:40~18:55 中村正聡
 「JICAミャンマー・マラリア対策の概要」
18:55~19:10 島田靖(災害人道医療支援会、日本医科大学)
 「症例管理からの地域マラリア対策へのアプローチ」
19:10~19:25 恩田智子(群馬県厚生農業協同組合連合)
 「マラリア確定診断の実態-2病院の事例から」
19:25~19:40 林真砂美(小松市役所、日本福祉大学大学院)
 「ヘルスワーカーの日常行動」
19:40~19:55 錦織信幸(UNICEFミャンマー事務所)
 「UNICEFミャンマー・マラリア対策プロジェクト ─ JICAとの連携事例」
19:55~20:30 全体討論