国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2014年11月8日(土)
《機関研究成果公開》公開フォーラム「文化遺産の人類学」

チラシダウンロード[PDF:1.2MB]
  • 日時:2014年11月8日(土)10:15~16:50(開場:10:00~)
  • 場所:国立民族学博物館 第5セミナー室
  • 一般公開(参加無料/事前要申込/定員75名[先着順])
  • 申し込み先:e-mail:heritage★idc.minpaku.ac.jp
          ※★を@に置き換えて送信ください。
 

趣旨

世界遺産がブームです。登録案件の周辺地域には、多くの観光客が訪れるようになり、にぎわいます。このため地域の団体や住民は、自分たちの遺産が世界的に認められるよう、さまざまな運動を展開します。逆に、観光客が生活に侵入するために迷惑をこうむる住民もいます。

このフォーラムでは、文化遺産を支えるさまざまな動きを見つめてきた文化人類学者が、文化遺産の知られざる一面を報告します。これは、文化遺産をあたらしい視角から捉えるための一歩です。なお、このフォーラムであつかう文化遺産の多くは世界文化遺産ですが、そうでない文化遺産も含まれます。

プログラム

10:15~ ご挨拶
須藤健一(国立民族学博物館長)
10:25~ 趣旨説明
飯田卓(国立民族学博物館准教授)「文化遺産実践の現場という視点」
10:45~ 世界遺産としての聖地
中牧弘允(吹田市立博物館館長・国立民族学博物館名誉教授)「日本とスペインの巡礼道をめぐる世界遺産の葛藤――宗教と行政のはざま」
門田岳久(立教大学観光学部助教)「「聖」を保全する――沖縄・斎場御嶽の観光化と聖域管理の相克」
住原則也(天理大学地域文化研究センターセンター長) コメント
11:35~ アジアとアフリカの世界遺産
清水展(京都大学東南アジア研究所教授)「世界遺産の相続者たち――グローバル化に対峙/便乗する北ルソン山地先住民イフガオの棚田と暮らし」
中村亮(福井県里山海湖研究所研究員)「隠された文化遺産――タンザニア・キルワ島のユネスコ世界文化遺産の今日的意義」
才津祐美子(長崎大学多文化社会学部准教授) コメント
12:25~ 昼休み
13:30~ アジアと南米の無形文化遺産
木村秀雄(東京大学大学院総合文化研究科教授)「南米ボリビア・カリャワヤ文化とユネスコ無形文化遺産」
中田友子(神戸市外国語大学外国語学部教授)「伝統儀礼は文化遺産か――南ラオスの一村落での年中行事の実践にみるコミュニティの価値を中心に」
岡田浩樹(神戸大学大学院国際文化学研究科教授) コメント
14:20~ 日本の無形文化遺産
菅豊(東京大学東洋文化研究所教授)「無形文化遺産を人びとはどう受けとめたのか?――制度がずれる/制度をずらす」
高倉浩樹(東北大学東北アジア研究センター教授)「震災後の緊急無形民俗文化財調査と防災調査体制構築へ」
梅屋潔(神戸大学大学院国際文化学研究科准教授) コメント
15:10~ ヨーロッパの文化遺産
竹中宏子(早稲田大学人間科学学術院准教授)「サンティアゴ巡礼が通る小さな村の文化遺産」
塩路有子(阪南大学国際観光学部教授)「文化遺産に暮らす――英国カントリーサイドの文化遺産とコミュニティ」
菊地暁(京都大学人文科学研究所助教) コメント
16:00~ 休憩
16:10~ 総合討論
16:50 閉会